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電気料金 規制料金と自由料金の違いは 値上げは春にも 今後どうなる

  • 2023年1月30日

電気料金は今後どうなるのでしょうか。東京23区の1月の消費者物価指数は、前の年の同じ月より4.3%上昇しましたが、その要因の1つがエネルギー価格の高騰です。電気代が2倍近くになったという声もある一方で、多くの電力会社は、値上げを申請しています。電気料金の見通しに加え、料金プランの内容など確認しておきたいポイントなどについてまとめました。

物価高騰 要因のひとつはエネルギー価格

総務省によりますと、東京23区の1月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が前の年の同じ月より4.3%上昇しました。上昇率は第2次オイルショックの影響が続いていた1981年5月以来、41年8か月ぶりの高い水準です。
その要因の1つが、エネルギー価格の高騰です。「ガス代」は39.0%、「電気代」は24.6%上がりました。
総務省は「食料品の値上がりが続いているほか、エネルギーでは都市ガス代の上昇率がとくに高く家計への影響が大きくなっている」としています。

電気料金 2022年9月に過去最高水準

東京電力管内で、使用量が平均的な家庭の場合の電気料金は、2022年年9月からは過去最高水準の9126円となり、燃料価格の上昇分を料金に転嫁できる上限に達しました。
その後、「高止まり」が続き、2月分からは、政府の負担軽減策によって久しぶりに値下がりし、3月分も7306円です。
ただ、電気料金は、春以降、多くの地域で再び値上がりする見通しです。

冬の時期は電気代が高くなる傾向

平均的な家庭の料金の算定にあたっては、1年間を通して同じ使用量を前提にしていますが、実際には季節ごとに大きく異なります。

総務省の家計調査によりますと、全国の2人以上の世帯の電気代は2月の使用分が多く含まれる2022年3月が1万6273円と、直近の1年間で最も高くなっています。
一方、6月の使用分が多く含まれる2022年7月は9869円と、およそ6400円の開きがあって、冬の時期が1年間で電気代が高くなる傾向があります。

電気料金が前年同期の1.8倍 10万円超

より寒さが厳しい地域では特に負担が大きくなっています。山形県米沢市の平間史恵さん(49)は、オール電化の1戸建ての住宅で3人暮らしです。1月の電気料金を確認したところ、請求金額は10万1822円でした。前年の同じ時期と使用量はほぼ変わらなかったのに、およそ1.8倍となりました。

平間史恵
さん

高くなるとは聞いていましたが想像を超えていたので、請求額を見たときはとても驚きました。

平間さんの家は東北電力のオール電化の住宅向けのプランを契約しています。電力会社が、燃料費の高騰を受けてプランの見直しを行い、2022年12月分から燃料費の上昇分を料金に反映できる上限を撤廃したということです。

規制料金と自由料金 プランによっては

電気料金には、値上げの際に国の認可が必要な「規制料金」と、電力会社が独自に決められる「自由料金」があります。
どちらも値上がりが続いていますが、「規制料金」は消費者保護の観点から値上げに上限が設けられているのに対して、「自由料金」には上限がありません。

「規制料金」…上限あり
「自由料金」…上限なし

このため選んだ料金メニューによっては、報道などで目にするよりも電気料金が値上がりしたという家庭も出ています。本来割安になるはずだった自由料金のプランが、規制料金より高くなり、メリットを受けにくい状況になっています。

“私にあった料金プランは?”

東京にあるベンチャー企業は、大手電力会社や新電力が提供するプランを比較し、利用者にあったものを紹介するサービスを提供していて、電気代の高騰を受けて問い合わせが増えています。

この中には、電力の卸売市場の価格に連動して料金が決まるプランを契約する家庭から、電気代が前の年に比べて2倍近く増えたという相談もあったということです。
会社によりますと、2022年11月以降、相談によって契約先を切り替えた件数は前の年の同じ時期の2倍近くに増えているということです。

「エネチェンジ」曽我野達也取締役
「大手電力会社が、契約者が多い規制料金と呼ばれるプランの値上げを申請するなど、契約内容が今後、変わっていく可能性があるので、よく内容を確認してほしい」

平均28%~45% 各社値上げを申請

政府は電気料金の負担軽減策として、1月使用し、2月請求される分から、家庭向けで1キロワットアワーあたり7円を補助し、これによって平均的な家庭の電気料金は1月の請求分と比べて1600円から1800円ほど値下がりします。

ただ、燃料費の高騰を受けて、電力会社は電気料金の値上げを相次いで国に申請しています。これまでに申請した大手7社のうち、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の5社は、ことし4月からの値上げを、東京電力と北海道電力はことし6月からの値上げを申請しています。

値上げの幅は国の審査で決まりますが、各社が申請した時点では平均で28%から45%になっています。

このため電気料金は、早ければ3月に使用し、4月に請求される分から値下げ幅を上回る値上げが行われるところが出てくる見込みです。さらに政府は負担軽減策についてことし9月使用分から段階的に縮小するとしていて、補助が減っていくことで電気料金がさらに値上がりする可能性もあります。

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