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東京都 第2子の保育無償化 卵子凍結で費用支援 子育て予算詳しく

  • 2023年1月13日

東京都の小池知事は、少子化対策を充実させるため、18歳以下に月5000円を給付する方針を正式に決めるとともに、第2子の保育料の無償化などにおよそ1兆6000億円を新年度予算案に盛り込むことを明らかにしました。

さらに、健康な女性が将来の妊娠・出産に向けて卵子を凍結保存する際の助成制度をつくるため、調査への協力を要件にした凍結保存にかかる費用を支援するなどとしています。

6万円を一括給付

東京都は、新年度・令和5年度予算案に盛り込む施策について、1月6日から小池知事による査定を行っていて、12日は少子化対策の充実などについて検討が行われました。

小池知事は記者団に対し、都内の18歳以下に月5000円を所得制限を設けず給付する方針を正式に決め、必要な経費として、1261億円を予算案に盛り込むことを明らかにしました。

給付は令和6年1月から開始され、令和5年度分の6万円が一括して給付される見通しです。

第2子の保育料無償化

都は、少子化対策の一環として、これまで一部負担が生じていた2歳までの子どもの保育料について、支援の対象を拡大し、2人目以降を完全に無償化するとしています。

保育所などの保育料について、3歳から5歳までは国の補助によって4年前から無償化されています。
一方、2歳までの子どもについては住民税の非課税世帯のみの無償化にとどまっていました。

このため、都は国の補助に上乗せする形で3人目以降については全額無償化、2人目の子どもについては半額負担としていました。

都は今回、子どもを2人以上持ちたいと願う人たちへの支援策を拡充しようと、2人目も完全に無償化する方針を決めました。

対象は、私立や公立の保育所と障害児通所支援事業所などに通う子どもで、都はことし10月から開始できるよう、110億円を新年度予算案に盛り込むことにしています。

卵子凍結助成へ調査

さらに、健康な女性が将来の妊娠・出産に向けて卵子を凍結保存する際の助成制度をつくるため、調査への協力を要件にした凍結保存にかかる費用を支援するなどとしています。

東京都は、健康な女性が卵子の凍結保存を行う際の助成制度をつくるため、医療機関と連携し、凍結を行う理由や年齢などについて調査を行うことになりました。

そして、調査への協力が得られた女性に対し、凍結に係る費用の助成や協力金として30万円程度を支援する方針です。

また、社員の福利厚生として卵子凍結の費用の補助などを新たに行う企業に対して60万円程度を助成することにしています。

このほか、卵子を凍結保存している女性が妊娠に向けて治療を行う際には、15万円を上限にして、費用の7割を助成する方針です。

卵子凍結 約9割が健康な女性

おととし、都内の診療施設で行われた卵子の凍結保存のうち、およそ9割が健康な女性によるものだったことが学会の調査でわかり、都は、今回の調査結果などを参考に支援策を検討していくことにしています。

この調査は日本受精着床学会が卵子凍結の現状について調べようと、全国の不妊治療を行う診療施設を対象に去年11月、WEB上でアンケート形式で行いました。

それによりますと、回答があった94の施設のうち、およそ3割にあたる29の施設が都内にあり、このうち17の施設で去年1年間に合計1271回の卵子凍結が行われたということです。

その内訳を見ると、がん患者が放射線治療の影響を懸念するなど医学的な理由が136回だったのに対し、健康な人が加齢による影響を懸念するなどの理由が全体のおよそ9割にあたる1135回でした。

日本受精着床学会
「女性の有職率が上がったことで将来に備えて卵子を凍結保存するニーズが増えていると考えられる」

子育て予算 約1兆6000億円

都は少子化や子育てへの対策として、新年度予算案には今年度より2000億円多い、およそ1兆6000億円を盛り込むことにしています。

小池知事
「全国の出生数は減少の一途をたどっており、一刻の猶予もないという思いだ。これらの施策に総合的・継続的に取り組み、少子化に歯止めをかけたい。『東京から少子化を止める』という決意のもと、大胆な施策を実行していきたい」

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