皆さんは最近、図書館を利用していますか。
ここ最近は、新型コロナの影響もあり利用者数が減少している図書館がある中、もっと魅力的な場所にしようとユニークな取り組みをしている図書館があるんです。
それが、本が好きな男女の出会いを手助けする「恋活イベント」を開く、東京・小金井市にある小金井市立図書館貫井北分室です。
小説のような恋がはじまるかもしれません。
東京・小金井市にある小金井市立図書館貫井北分室です。
入り口の掲示板に貼られているのは“読書会”などさまざまなイベントのお知らせ。
若い人たち向けの読書会から、社会的テーマを考える座談会まで。
この図書館では、本を借りる以外にも利用者が交流できる場づくりを積極的に企画。
いろんなテーマのイベントを年間80回以上、開催しています。
小金井市立図書館貫井北分室長 田中肇さん
企画するのは、図書館の運営責任者・田中肇さんです。
これまで30年、図書館に関わってきた経験を踏まえ、図書館の新たな役割を模索してきました。
小金井市立図書館貫井北分室長 田中肇さん
「この図書館で言えば、年間30万冊貸出、約8万人の利用者がいる。毎年これだけの数の方が来館いただいて本を借りて帰るだけではもったいない。何か気づくとか“出会う”とかそういった場を設けるとさらにいい図書館になるかなと」
図書館を出会いの場にと、4年前から始めたのが、本が好きな男女の出会いを手助けする「恋活イベント」です。
図書館で恋が生まれる!!恋活し対話 in ぬくきた第5回になります。
今回紹介する本は『最後はなぜかうまいくいくイタリア人』というエッセイです。
今回は男女6名が参加。
まずは、お互いの好みや人柄を知ってもらうためのグループトークからスタート。
それぞれが持ち寄ったおすすめの本を紹介します。
『動物牧場』の中で、すごく信頼されているお爺ちゃん豚が人間を追い出して、俺たちだけの牧場を作ろうぜという。
動物は何が出てくる?
ちょっと賢い豚とおバカな羊と力持ちでみんなに信頼されている馬・・・
自分だったら何の動物ですか?
断然ヒツジなんですよね。
続いて、2人でのおしゃべり。
読書は小説がほとんどです。作家の三浦しをんはわかりますか?
名前は聞いた事あります
5分間ごとに交代しながら好きな本やお互いの仕事などの話題で交流を深めます。
一回諦めて就職したんですけど、やっぱり漫画を描きたいなと思って、脱サラして漫画家になった。
意志が強い方なんですね、自分のやりたいことをするのが一番エネルギーが出ますよね。
気の合う仲間たちとの談笑のように2時間あまり続いた、この日の「恋活イベント」。
男女のカップルは誕生しませんでしたが、女性同士で意気投合し、連絡先を交換する人もいました。
参加者
「本を通して全く知らない人としゃべることが今までなかったので、そういった意味でいい機会、出会いになったなって思います」
参加者
「本の紹介ができるということで参加しました。素敵なことだと思います。普段はこういうの一切出ないので」
これまで100人近くが参加した「恋活イベント」。
今後も田中さんは本を対話の糸口にした思いがけない出会いの場を提供できればと考えています。
小金井市立図書館貫井北分室長 田中肇さん
「図書館は、地域の拠点のような役目になる必要があると常々思っている。図書館に集まることで学んだり、お互いに気づきを得たりというか、そういった場になっていくといいです」
次回の「恋活イベント」は、4月に開催予定だということです。