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東京都 小池知事 “18歳以下に月5000円の給付” 所得制限や時期は

  • 2023年1月5日

少子化対策を充実させるため、東京都の小池知事は新年度予算で、都内の18歳以下に月5000円を所得制限を設けず給付する方針を明らかにしました。給付にあたっての所得制限や給付金額の根拠などについて小池知事の考え、少子化の現状をまとめました。(1月13日更新)

東京都の出生率 1.08(2021年)

厚生労働省によりますと、2022年1月から10月までに国内で生まれた子どもの数は外国人も含めた速報値で66万9000人あまりと前の年より3万3000人あまり減少しました。このペースのまま推移すれば、2022年は国の統計開始以来、初めて80万人を下回る可能性があります。

出生率をみますと1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は統計を取り始めた1947年は4.54でした。その後は減少傾向が続き1961年は1.96と初めて2を切り、2021年は1.30でした。
2021年の出生率を都道府県別にみると、最も高かったのは沖縄県で1.80、これに対して最も低かったのは東京都で1.08でした。

18歳まで 月々5000円の給付検討

東京都の小池知事は、1月4日午前、都の幹部や職員向けに年頭のあいさつを行いました。この中で少子化の現状について「日本の出生数は、初めて年間80万人を切る見通しと言われており、社会の存立基盤を揺るがす衝撃的な事態だ。もはや一刻の猶予も許されない。都が先駆けて、具体的な対策を充実させていく」と述べ、新年度・2023年度の予算で、18歳までの子どもに対し、月に5000円程度を念頭に給付を検討する考えを明らかにしました。これについてインターネットではさまざまな声があがりました。

 

少子化対策が遅すぎる。

 

所得制限をして低所得世帯に増額する方がよい。

 

この動きが全国にひろがってほしい。

 

5000円の根拠は。

 

年間6万円の給付で子どもは増えるのだろうか。

 

減税や税の免除の方が必要ではないか。

小池知事は、4日午後、NHKのインタビューに応じ、「東京をチルドレンファースト社会にしていく。東京で切れ目なく産み育てやすくすることに意味があり、それは所得を問わず、子育てをするんだというメッセージそのものだ」などと述べました。この給付について小池知事がインタビューで話した内容です。

給付の狙い 小池知事に聞く

小池知事
「0歳から18歳の子どもに対して月々5000円を助成していく。東京をチルドレンファースト社会にしていきたい。チルドレンファースト東京にしていくというそういう大きなメッセージにしていきたいと思います。 ポイントはやはり継ぎ目なくサポートするということです。
人口と経済力、そして国であれば国防、東京都であると危機管理、これらはすべてのベースになる。それをどうやって戦略と意思を持って強化していくかということが政策そのものだと以前から申し上げてきました。 そういう中で子育てをしやすいそういう東京を作っていく」

給付額の根拠 地方との教育費の差

都によりますと、2019年度の都民の生活状況などを分析した調査では、1世帯当たりの1か月の教育費は平均でおよそ1万9000円と、全国のおよそ1万1000円より8000円高くなっています。こうしたデータをもとに都が子ども1人当たりで計算すると5000円程度の差があるとしています。
小池知事は給付によって差額を是正したいとした上で、所得制限を設けない考えを示しました。

小池知事
「地方の教育費と東京の教育費というのは、大体5000円ぐらいの差があります。 そういった点をカバーする。数字の根拠もそうですけれども、やはり子育て、この東京で産み育てやすいよねということが、ワンショットで終わるのではなくて、切れ目なく続けることに意味があると思っています。また、それは所得を問わず子育てをするのだというメッセージをお伝えしたいと思っています」

“対策はスピード感が必要”

2022年は国が統計を取り始めた1899年以降で初めて80万人を下回る可能性があります。実際に80万人を下回れば国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した予測よりも8年はやく、少子化が想定を上回るペースで進んでいることになります。

小池知事
「女性政策や人口政策など、国会議員時代からいろいろなことを申し上げています。遅々として進んでいるのですよ、進んでいるのですが遅いのです 
少子化も1.57ショック(1989年の合計特殊出生率)といっていたのは1990年です。前世紀の話です。ここにくるまでに何十年かかっています。2021年の出生数が80万人ということで、予測よりもかなり前倒しで減少傾向が激しいということです。やはり課題についてはスピード感が必要なのではないかと思います」 

給付方針を決定 “2024年1月に一括”

東京都は、新年度・2023年度予算案に盛り込む施策について、1月6日から小池知事による査定を行っていて、12日は少子化対策の充実などについて検討が行われました。
このあと、小池知事は記者団に対し、都内の18歳以下に月5000円を所得制限を設けず給付する方針を正式に決め、必要な経費として、1261億円を予算案に盛り込むことを明らかにしました。

給付は2024年(令和6年)1月から開始され、2023年度分の6万円が一括して給付される見通しです。

小池知事
「全国の出生数は減少の一途をたどっており、一刻の猶予もないという思いだ。これらの施策に総合的・継続的に取り組み、少子化に歯止めをかけたい。『東京から少子化を止める』という決意のもと、大胆な施策を実行していきたい」 

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