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コロナ致死率 オミクロン株の第7波は? 第1波は5%超 低下の理由は

  • 2022年12月7日

新型コロナの「第7波」で感染した40歳以上の人のうち亡くなった人の割合は、「第6波」のピーク時の半分以下に下がっていたことがわかりました。調査を行った全国保健所長会の研究グループは、65歳以上のワクチンの追加接種が進んだことなどが影響したと分析しています。これまでの致死率の推移やワクチン接種のデータをまとめました。

コロナ感染の40歳以上 亡くなった人の割合は

新型コロナ感染の40歳以上 亡くなった人の割合
  第6波 第7波
致死率 0.85%
2月下旬まで4週間
0.39%
8月中旬まで4週間
調査対象 茨城県・大阪府など 10府県
1月~8月 約55万人

 

全国保健所長会の研究グループはことし1月から8月までに大阪府や茨城県など10府県で、コロナに感染した40歳以上の55万人あまりについて、どれくらいの人が亡くなったのか致死率の変化を調べました。

〇第6波の致死率
その結果、致死率は「第6波」の1月初めからの4週間では0.62%、2月下旬まででは0.85%でした。その後は感染者数の減少とともに徐々に下がり、6月中旬までの4週間では0.23%でした。

〇第7波の致死率
一方、「第7波」では感染者数が最も多かった時期の8月中旬までの4週間でも0.39%と「第6波」のピークの時期の半分以下でした。

3回目コロナワクチン 2月と8月の接種率

政府が公表した2月下旬と8月中旬のワクチン接種状況です。2月21日に公表した内容によりますと、国内で新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を受けた人は1818万257人で、全人口の14.4%でした。
また、8月15日に公表した内容によりますと、ワクチンの3回目の接種を受けた人は8068万2246人で全人口の63.7%でした。

高齢の人の致死率 BA.1の時期の半分以下に

また、致死率は重症化リスクが高い高齢の人でも下がり、オミクロン株の「BA.5」が主流となった8月下旬までの1か月あまりでは、60代で0.05%、70代で0.39%、80代以上で1.81%と、「BA.1」の時期の半分以下になっていました。

政府が8月29日公表した内容によりますと、国内で3回目の接種を受けた人は8137万1059人で全人口の64.3%でした。60歳以上の3回目の接種率は、60代では80%を超えているほか、70代、80代、90代、100歳以上のいずれの年代も90%を超えています。

さらに4回目の接種を受けた人は全国で2527万4341人で、このうち60歳以上は2314万5189人で対象者の67.5%でした。

“65歳以上の追加接種が進んだことなどが致死率に影響”

研究グループは、65歳以上のワクチンの追加接種が進んだことなどが影響したと分析していて、結果をまとめた大阪府寝屋川市保健所の田中英夫所長は「致死率は大きく低下している。今後の社会での新型コロナの位置づけを考える上での判断材料にしてもらいたい」と話しています。

致死率 第1波は5%超 第7波では0.1%に

すべての年代では、新型コロナの感染者数に占める亡くなった人の割合は感染拡大の第1波では5%を超えていましたが、第7波ではおよそ0.1%にまで下がっています。詳しい推移です。

〇分析した感染の波の期間
第1波20年1月~5月    第2波20年7月~9月
第3波20年10月~21年2月 第4波21年3月~6月
第5波21年7月~9月    第6波22年1月~6月 
第7波22年7月~9月

【第1波】
新型コロナに感染した人の致死率は、国内で初めて感染が確認された2020年1月からの第1波では5.34%でした。

【第2波】
重症者に対する治療法が進歩したことなどもあり、その年の夏の第2波では0.93%となりました。

【第3波】
2021年の年明け以降の第3波では、急速な拡大が見られて医療体制がひっ迫したこともあり、1.82%と再び高くなりました。

【第4波】
イギリスで最初に確認された変異ウイルス、アルファ株が広がった2021年春の第4波では1.88%でした。

【第5波】
2021年夏、「デルタ株」が広がりさらに大きな感染拡大となった第5波では、比較的若い世代でも重症化する人が出るなどして亡くなる人は増えた一方、軽症や無症状の感染者も増加したため、致死率は0.32%でした。

【第6波・第7波】
そして、感染力の高いオミクロン株が広がったことし初めからの第6波以降にはそれ以前とは異なる規模での感染拡大が起き、亡くなる人も増えましたが、それ以上に感染者数の増加が桁違いに大きく致死率はさらに下がりました。
致死率は、第6波では0.17%、2022年夏の第7波では0.11%と大幅に下がっています。

致死率が下がった要因は

専門家は、感染の主流がオミクロン株に変わって、持病がない若い世代を中心に軽症で済む人も多くなったこと、ワクチン接種が進んで重症化する人の割合が減少したことなどが背景にあるとしています。

ただ、致死率は下がりましたが、感染者数が爆発的に増加したため、新型コロナに感染して亡くなった人の数はオミクロン株が拡大したことしが最も多く3万1000人あまりとなっていて、これまでの3年近くに感染して亡くなった人のうちの6割あまりを占めています。

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