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コロナ オンライン診療 東京 神奈川 千葉では? LINEは新サービス

  • 2022年12月2日

新型コロナウイルスの感染が再び広がるなか、診療所のなかにはオンライン診療の体制を強化して対応しているところもあります。こうしたなか、通信アプリ大手のLINEがオンライン診療から薬の配送までを一貫して行うサービスに乗り出すことがわかりました。東京都や神奈川県、千葉県の医療やオンライン診療の現状や課題についてまとました。

東京都内のコロナ専用病床 使用率 40.3%に

東京都のモニタリング会議は12月1日、新型コロナの専用病床の使用率が40.3%と前の週より4.7ポイント上昇していることなどから、専門家は4段階ある医療提供体制の警戒レベルを1段引き上げて上から2番目としました。

新規感染者数の7日間平均は1万1047人となって、8月31日以来、1万人を上回りました。このままのペースで増えれば1日の感染者数が、4週間後には2万1000人を上回るとの予測が示されました。

専門家(都モニタリング会議1日)
「今後の患者数の増加を見据え、外来を含めた医療提供体制をさらに強化する必要がある。年末年始に向けて、イベントや会食など、人と人との接触機会が増えると感染が急拡大する可能性もあるため、今後の動向に十分な警戒が必要だ」

発熱外来がある診療所 オンライン診療の体制強化

こうしたなか、診療所のなかには、自己検査で陽性となった人たちからのオンライン診療の予約が増え、体制を強化して対応しているところもあります。

〇オンライン診療の予約増加
都内と千葉県の3か所に発熱外来がある「東京ビジネスクリニック」では今週は11月30日までに1日あたり150人ほどの患者が訪れ、徐々に患者が増えていて、新型コロナの検査の陽性率も7割ほどに上っています。

一方、重症化リスクが低いためこうした発熱外来を訪れず、自分で検査を行い陽性となったあと、症状が悪化したり回復しなかったりしてオンライン診療を希望する人たちからの予約も増えているということです。

〇オンライン診療体制を強化
このためクリニックでは、予約の多い時間帯は、1人の医師がオンライン診療に集中して対応できるようにして1日50人ほどを診察し、必要に応じて薬を自宅まで郵送しているということです。1月からは医師がオンライン診療にあたる時間をさらに増やし、対応を強化するとしています。

東京ビジネスクリニック 内藤祥医師
「重症化リスクの低い人は自分で検査や登録をして自宅療養することが医療のひっ迫を防ぐために重要だが、その後の診察や相談を希望する場合は、オンライン診療も選択肢のひとつとして検討してほしい」

千葉県 オンライン診療窓口を設置

千葉県は29日、新型コロナとインフルエンザが同時流行した場合、発熱の症状がある患者は1日あたり4万人から5万人となり、現在の外来診療の受け入れ体制を大きく上回るという想定を示しました。

このため、12月5日から発熱などの症状がある人を対象に新型コロナの自己検査キットを無料で配る取り組みを1日5000個を上限にして再開するとともに、検査では陰性で、重症化リスクの低い人を対象にオンラインの診療窓口を新たに設けることを決めました。

診療の申し込みは専用サイトで受け付け、自己検査の結果を示す写真や保険証とクレジットカード、それにビデオ通話ができるスマートフォンなどが必要になります。
県によりますと、ピーク時は1日3000人がオンライン診療を受けられるようにしたいということです。

神奈川県 オンライン診療拡充のため体制作り

神奈川県は、この冬、新型コロナとインフルエンザが同時に流行した場合、外来の受診を希望する人は1日最大3万5000人にのぼり、5000人分足らなくなると試算しています。

ただ、県が10月に発熱外来を行っている医療機関に調査したところ、回答があった1028の機関のうち、コロナ患者をオンライン診療で診ていると回答したのは237と、全体の2割ほどにとどまりました。

オンライン診療について県は11月、医療機関向けにウェブ上での研修会を開いたり、初期費用を補助する制度を作ったりして、協力を呼びかけるなど、診療を拡充しようと体制作りを急いでいます。

オンライン診療の普及は 利便性にも課題

コロナ禍以降、政府は、医療提供体制を強化する一環として、オンライン診療などの普及を目指しています。
ただ、厚生労働省によりますと、電話を含むオンライン診療を行う医療機関は全体のおよそ15%、服薬指導は処方箋の数の1%未満にとどまっています。

一方で、コロナ禍の第7波では、オンラインの診療と服薬指導の利用者が拡大し、そのニーズは高まっていて、大手からスタートアップ企業までさまざまな企業が参入しています。
多くのアプリが登場し、診療と服薬指導が別々のアプリになっているケースもあるなど、利用者にとってアプリが混在するわかりにくさや、1つのアプリで完結しない利便性の課題が残されています。

オンライン診療から薬配送まで LINEが一貫サービス

こうしたなか、通信アプリ大手のLINEがオンライン診療から薬の配送までを一貫して行うサービスに乗り出すことがわかりました。

LINEはアプリを使ったオンライン診療を2020年から手がけてきました。関係者によりますと、診療に加えて薬の服薬指導と自宅への配送までオンラインで一貫して行うサービスを新たに始めるということです。

こうしたサービスは、ほかの企業なども手がけていますが、診療と薬の服薬指導が別々のサービスとなる場合も多く、LINEでは同じアプリで一貫して提供することで、利便性を高める狙いがあるとみられます。
国内でおよそ9000万人のユーザーを持つLINEの参入は、利用の拡大に影響を与えそうです。

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