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新語・流行語大賞(2022)年間大賞は “村神様”

  • 2022年12月1日

ことしの「新語・流行語大賞」が12月1日発表されました。
年間大賞には、プロ野球、ヤクルトの村上宗隆選手の活躍で広く使われるようになったことば「村神様」が選ばれました。

トップテンとしては、同じ野球に関連したことばとして、プロ野球・日本ハムの応援ダンスとして話題になった「きつねダンス」、時事問題や社会現象に関することばとしては、元総理大臣の銃撃事件に関連して「国葬儀」などが選ばれました。

年間大賞 “村神様”

「新語・流行語大賞」は1年の間に話題になった出来事や発言、流行などの中からその年を代表することばを選ぶ賞で、ことしは30のことばがノミネートされました。

この中のトップテンが1日、東京で発表され、年間大賞には、プロ野球で56本のホームランを打つなどの活躍をみせたヤクルトの村上宗隆選手に対し、SNSからニュースまで広く使われるようになった「村神様」が選ばれました。

トップテンとしては同じ野球に関連したことばとして、プロ野球・日本ハムの応援ダンスとして話題になった「きつねダンス」、時事問題や社会現象に関することばとしては元総理大臣の銃撃事件に関連して「国葬儀」と「宗教2世」、それにウクライナへの連帯を示すため読み方が変更されたウクライナの首都「キーウ」、さまざまな分野で値上げが相次ぐ中、円安基調が続く「悪い円安」が選ばれました。

このほか、関西の人の口癖、「知らんけど」、幅広い世代で流行した「スマホショルダー」、手前に並んだ期限の近づいた商品から買うようにしようという呼びかけ「てまえどり」、それに乳酸菌飲料の「Yakult(ヤクルト)1000」が(せん)選ばれています。

また、選考委員特別賞として、夏の甲子園で東北勢初の優勝を飾った仙台育英高校の須江航監督の発言から「青春って、すごく密なので」が選ばれました。

プロ野球・ヤクルト 村上宗隆 選手
「『村神様』ということばを作ってくれたファンの皆さんに大変感謝しています。このことばをきっかけに野球が日本中や世界中に広がってほしいです。来シーズンも『村神様』と呼ばれるような活躍をして、また新たなことばでこの場に立ちたいです」

今の気持ちを打球に例えると、どうかを聞かれ、「気持ちはホームランですがみんながこのことばを知っているのか不安な気持ちがあります」と話していました。

「キーウ」の受賞者となった、ウクライナ語読みへの変更を以前から提唱していた東京外国語大学の中澤英彦名誉教授は、次のように述べています。

中澤 名誉教授
「私にとってはこそばゆい感じで、出さなかったラブレターに返事がきた、買わなかった宝くじが当たったような気分です。これは本来は私ではなく、ウクライナの方やウクライナの研究家が受賞するものを私が代理で頂いていると思っています。
私がしたことは、『キーウ』をカタカナで書いただけです。それがいままでなされていませんでした。この転換というのはウクライナにとっても日本にとっても非常に重大な意味を持つと思います」

「きつねダンス」発案者 プロ野球・日本ハム事業運営会社 尾暮沙織さん
「トップテンに選出していただき大変光栄です。当初は球場が一体となって楽しめるコンテンツをという思いで作った『きつねダンス』ですが、プロ野球界を飛び越えてたくさんの方に知っていただき、楽しんでもらえたことをとてもうれしく思っています。
来年開業する新しい球場にたくさんの方に来ていただき、楽しかった、感動したと、喜んでもらえるようにさらに面白い球場演出やエンターテインメントを作っていきたいです」

「国葬儀」の受賞者 中央大学文学部 宮間純一 教授
「21世紀の日本で国葬が行われるということにも大変な驚きを覚えましたが、受賞の連絡をいただいたときにも大いに驚きました。現在、政府、国会が国葬儀の検証を進めていて、こういった問題を次の世代に残さないために今後の検証を注視していかなければならないと思っています。私は歴史の研究者で地味な分野だと思われるかもしれませんが、日本には優秀な研究者が多くいて、国家や戦争、宗教など、いろんな問題を考えるための大事な成果がたくさん出ています。こういう機会に歴史学に意味があると知っていただけるととてもうれしいです」

「宗教2世」への取材、調査を行った団体の代表理事 荻上チキさん
「ことし『宗教2世』ということばが注目された経緯というのは決して喜ばしいものではありません。現在、顔出しをしてリスクを抱えながら発信をしている宗教2世のみなさんに大きな負担がかかっている状況ですが、特定の個人に負担をかけず、どのような家庭に生まれ育ったとしても誰もが幸福にそれぞれの人生を歩めるような社会を作っていくため、私たちはこのことばを用いて議論を加速させることが大事だと思います」

「てまえどり」の普及に取り組んできた「生活協同組合コープこうべ」益尾大祐さん
「組合員とともに取り組んできた『てまえどり』がこのような賞を取ることを大変うれしく思っています。『てまえどり』の運動はいまから6年前に、販売期限切れによる廃棄を知った組合員が何か自分にできることはないかと考えて、『すぐに食べるのなら、棚の手前にある商品から積極的に選びましょう』と呼びかけたのがきっかけでした。
受賞をきっかけに、『てまえどり』に共感いただける全国の消費者の皆さんと一緒に食品ロスの削減に取り組んでいきたい」

「Yakult(ヤクルト)1000」で受賞 乳酸菌飲料メーカー 夏目裕 執行役員
「想定を超える反響の結果、流行語として選んでいただいたが、流行語だけで終わらずにこれからもお客様に納得して毎日続けて飲んでいただけるような商品に育てていきたい」

「悪い円安」に関する記事を書き、今回の受賞者 日本経済新聞社 小栗太 編集委員
「悪い円安ということばはおそらく日本経済の大きな転換点となった2022年を象徴することばだと思います。1つはかつて自動車や電気製品などの輸出で貿易黒字を稼いでいた日本が、2022年は過去最大の貿易赤字になりそうだという転換点。
もう1つは空前の値上げラッシュで、デフレからインフレに変わる転換点だった年でした。この2つの転換点を言い表すことばとして、『悪い円安』がふさわしいと思っています」

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