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電動キックボード 安全利用をどう浸透させるか 八王子で実証実験

  • 2022年12月1日

手軽な移動手段として利用が広がる電動キックボード。
事故や飲酒運転が相次ぎ、安全な利用をどう浸透させるかが課題となっています。

こうしたなか、全国で通勤や観光の手軽な移動手段に使えないかという、普及に向けた模索が各地で進んでいます。

八王子市の南大沢地区では東京都や地元企業などでつくる協議会が、11月25日から、電動キックボードを貸し出す実証実験を行っています。
安全に利用するヒントを探ってきました。

利用広がる 電動キックボード

電動キックボードは、道路交通法上、車両にあたります。
そのため、公道を走る際には運転免許が必要です。

免許は、キックボードの性能によって異なっていて、モーターの定格出力が0.6キロワット以下、最高時速が30キロ以下のものは原付バイク、30キロを超えるものは自動二輪車に該当します。

車両扱いなのでナンバープレートやウインカー、ミラーなどを設置する必要があります。

走行する際は左側通行で、歩道の走行は禁止されています。
また、ヘルメットも着用する必要があります。

一方、最近、よく街なかで見かけるレンタルの電動キックボートは扱いが異なります。

国の認可を受けた事業者が去年4月以降、実証実験として街なかで貸し出しを行っていて、最高速度は15キロ以下となっています。

小型特殊自動車扱いで、普通自動車や自動二輪の免許で運転できます。
自転車レーンなどを走ることができ、ヘルメットの着用は任意となっています。

相次ぐ事故や飲酒運転

手軽な移動手段として利用が広がる中、事故や飲酒運転が相次いでいます。

警察官や業界団体の担当者などが東京都内の飲食店を訪れて、飲酒運転防止への協力を呼びかけました。

電動キックボードを巡っては、公共交通機関の運転が終了した深夜の時間帯を中心に飲酒運転で検挙されるケースが相次いでいます。

本格的な忘年会シーズンを前に、警視庁や東京都、それに業界団体などの25人が新宿区の繁華街に集まり、近くに電動キックボードのレンタルスペースがある飲食店を訪れました。

そして、店の人に、飲酒したら電動キックボードには乗らないよう客に呼びかけるなど、飲酒運転防止への協力を依頼していました。

警視庁は電動キックボードの飲酒運転の取締りを強化していて、ことしは11月29日までに51件検挙されています。また、都内での事故件数は、ことし1月から10月末までに114件にのぼっています。

ことし9月には飲酒運転をしていた50代の会社役員が駐車場の車止めにぶつかって転倒し、死亡する事故も起きています。

警視庁交通総務課 田中真実課長
「都内では重大な事故も発生している。利用者には飲酒運転が犯罪であることをしっかり認識してもらい、ルールを守って安全に電動キックボードを利用するようにしてほしい」

手軽な移動手段 実証実験

通勤や観光などに活用できる手軽な移動手段として、全国の自治体でキックボードの導入に向けた実証実験が進められています。

都内でも、すでに実証実験が行われています。

このうち、八王子市の南大沢地区では東京都や地元企業などでつくる協議会が、11月25日から、駅前など11か所に専用ポートを設けて30台の電動キックボードを貸し出す実証実験を行っています。

これにあわせて南大沢駅前では、シェアリング事業者による試乗会も行われています。
参加した人はアクセルやブレーキのかけ方の指導を受けながら体験していました。

この事業者が貸し出しているキックボードは最高時速15キロで、ナンバープレートや方向指示器などが備えられています。

また、安全対策として、GPSが使われていて、繁華街や学校などの人通りが多い場所に入ると、遠隔でアクセルを制御して、減速するようになっているということです。

体験した男子大学生
「乗る前は危険運転のイメージもあったが、加速が良くて、坂があるところでは便利ではないかと感じた」

近くに住む72歳の男性
「危ない乗り方をしている人もいるので怖いです。ただ、思ったより乗りやすくルールを守れば、使う人は多いのではないか」

試乗会を行ったBIRD 宮内秀明 社長
「ルールを知らない状態で乗ると危険な乗り物になり得ると思う。試乗会などを通じて、1人でも多くの人に走って良い場所などのルールを伝えていきたい」

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