1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. コロナ・インフル同時検査キット 使用の注意点は 医療機関へ出荷増

コロナ・インフル同時検査キット 使用の注意点は 医療機関へ出荷増

  • 2022年11月25日

新型コロナウイルスとインフルエンザの感染の有無を同時に調べることができる抗原検査キットについて医療現場で需要が高まっています。厚生労働省は医療機関への供給を最優先にすることを前提に、薬局やインターネットでの販売を解禁することを決めました。この同時検査キットについてメリットや注意点などについてまとめました。

新型コロナ・インフル同時検査キット 医療現場では

東京・杉並区の発熱外来では11月に入って新型コロナウイルスに加えインフルエンザの患者も出始めています。症状だけでどちらか判断することが難しいことから、両方の感染を同時に調べることができる抗原検査キットの利用が進んでいます。

医院の発熱外来では11月に入って280人あまりが新型コロナと診断されたほか、子どもを中心に16人がインフルエンザと診断されているということです。

医療機関向けの出荷 11月に入り増加

新型コロナとインフルエンザの感染の有無を同時に調べることができる抗原検査キットの医療機関向けの出荷が増加しています。

検査薬の製造販売などを手がける東京の会社では10月まではほとんど受注がありませんでしたが、11月に入ってから注文が急激に増えていて、これまでに8万回分の同時検査キットを出荷したということです。

同時検査キットのメリットと注意点

〇患者のメリット
新型コロナとインフルエンザの感染の有無を同時に調べる抗原検査キットの一般販売が解禁された場合、抗原検査キットは15分ほどで結果が出るため、患者にとっては自宅などで簡単に発熱の原因が推測でき、医療機関を受診するか決めるうえで参考になります。

〇医療機関のメリット
医療機関にとっても、院内での検査を減らすことにつながるため院内感染のリスクが減るほか、受診時の患者の振り分けやオンライン診療の判断材料としても有益だとされています。

〇注意点1(偽陰性リスク)
抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあるということです。このため、同時検査キットの一般販売にあたっては、「偽陰性」による診断や治療の遅れのほか、重症化や感染のまん延につながる恐れもあると指摘されています。

〇注意点2(タイミングや技術)
インフルエンザは発熱から12時間経過しないと結果が陽性にならず、検体を採取したタイミングや採取する技術が、結果に影響する点も懸念されています。

新型コロナウイルスとインフルエンザとの同時流行が懸念される中、厚生労働省は医療機関への供給を最優先にすることを前提に、薬局やインターネットでの販売を解禁することを決めました。

抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあるため、厚生労働省は今後、製造メーカーや販売業者、それに購入した人に向けたガイドラインを通知することにしています。

同時流行は? インフルエンザ患者が徐々に増加

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、2020年と2021年はインフルエンザの感染が広がりませんでしたが、11月13日までの1週間では31の都道府県で患者が報告されていて、あわせて407人となっています。
コロナ前の同じ時期と比べると低い水準が続いていますが、1医療機関あたりの患者数は大阪府が0.48人、京都府が0.34人、東京都が0.21人と徐々に増えてきています。

新型コロナの感染 都内は4週間連続で前週比増

東京都内での新型コロナの感染状況と医療提供体制について、都は11月24日、専門家によるモニタリング項目の分析結果を公表しました。
それによりますと、新規感染者数の7日間平均は、22日の時点で8966人と、4週連続で前週比が100%を上回りました。医療提供体制については、「インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されるなか、患者数の急増に対応できるよう外来を含めてさらに拡充する必要がある」と指摘しています。

ページトップに戻る