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コロナ第8波 医療の備えは?入院患者増 発熱外来ひっ迫 解熱鎮痛剤

  • 2022年11月18日

新型コロナウイルスの新たな感染者数が、東京都内でおよそ2か月前の9月14日以来、1万人を超えるなど感染の拡大を受け、都のモニタリング会議は感染状況の警戒レベルを引き上げました。医療の現場などでは入院患者の増加や解熱鎮痛剤の需要が高まるなど感染拡大の影響が出てきています。医療現場の状況や、発熱外来のひっ迫対策など自治体の対応についてまとめました。

第8波 東京都内の感染状況の警戒レベル引き上げ

東京都内の新型コロナの新たな感染者は11月15日、2022年9月14日以来、1万人を超えて1万1196人となりました。

また、厚生労働省の11月15日の発表によりますと、国内の新型コロナの新たな感染者は、空港の検疫などを含め10万2829人で、10万人を上回るのは、2022年9月14日以来で、北海道では過去最多となりました。

日本医師会 釜萢常任理事(11月16日)
「新たな波が始まったととらえざるをえないのではないか。医療提供体制をできるだけ急いで整えなければならないという危機感を持っている」

感染が拡大する中、17日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は「第8波の入り口にさしかかっている」として、4段階ある感染状況の警戒レベルを1段引き上げ、上から2番目の「感染が拡大している」としました。

コロナ入院患者増加 循環器疾患対応への影響を懸念

医療現場の状況です。東京・品川区の昭和大学病院では、新型コロナの軽症や中等症の患者が11月に入り再び増え始め、17日の時点で28人が入院しています。
病院ではもともと確保していた17床の新型コロナの病床では足りず、2倍近い32床まで増やし対応にあたっています。

病院では、新型コロナの患者がさらに増えた場合に備え、一般病床を振り分けて最大で50床ほどまで病床を確保する体制を整えていますが、一般病床を減らすと冬の時期に増える循環器に疾患のある患者などの対応に影響が出るおそれがあるとして、今後の感染拡大に警戒を強めています。

“一部で予約枠埋まる” “解熱鎮痛剤の需要高まる”

東京・練馬区では、16日夜、地域の保健所や医師会、それに薬剤師会など関係機関が緊急の対策会議を開きました。会議では感染が拡大している影響について報告されました。

〇医師会
医師会からは、新型コロナの検査の申し込みが増え、予約枠が埋まる状況が一部でみられることが報告されたほか、今後、検査キットが不足することを懸念する意見も出されました。

〇薬剤師会
薬剤師会からは医療機関で処方される解熱鎮痛薬などの需要が高まり、地域によっては入荷が難しくなりつつあると報告されました。

練馬区保健所 石原浩所長
「自宅療養者への適切な支援が重要で、特に高齢者や基礎疾患がある人は重症化しやすいのでより丁寧に対応したい。若者も不安がないよう相談窓口を紹介するなど必要な対応をしたい」

第8波に備え自治体も対策

感染が拡大しつつある中、「第8波」に備えた自治体の対策や対応です。

〇東京都(発熱外来ひっ迫防止)
東京都は、新型コロナとインフルエンザの同時流行で患者数は最多で9万3000人になることを想定し、発熱外来のひっ迫を防ぐため、陽性者登録センターの1日の受け付けを8千人からおよそ4万人に増やすことや、年末年始の診療や小児科の発熱診療を対象に協力金を支給すること、また、臨時のオンライン発熱診療センターを設置する方針を明らかにしました。

〇神奈川県(確保病床を増加)
感染者数が24日連続で前の週の同じ曜日以上になっている神奈川県は、15日、対策本部会議を開きました。この中で、中等症や軽症の入院患者が増加傾向にあることから、確保する病床の数を1000床から1640床に増やすことを決めました。

〇千葉県(経済と高齢者対策の両立)
感染者数や病床使用率が増加傾向にある千葉県の熊谷知事は17日、オミクロン株と同じ程度の感染力と病原性のウイルスによる感染拡大であれば、高齢者などを守ることに重点を置いた対策をとりつつ、社会経済活動を維持することが必要だという考えを示しました。

厚労省 “都道府県は最大限の感染者数想定の計画を”

厚生労働省は、都道府県に対し、最大限の感染者数を想定した具体的な計画を策定するよう求めていて、発熱外来の確保など医療提供体制の強化を図る方針です。
また、政府は、医療のひっ迫を避けるため、外来診療に患者が殺到し、重症化リスクの高い人がすぐに受診できない場合には、都道府県が「対策強化宣言」を出して症状がある人に外出の自粛など慎重な行動を要請できるようにしています。

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