外食需要の喚起策「Go Toイート」のプレミアム付き食事券について、東京都内では、10日、紙の「アナログ券」の申し込みの受け付けが始まりました。プレミアム付き食事券は、都内では、おととし11月に販売が始まりました。しかし、新型コロナの感染拡大ですぐに中断されましたが、ことし10月からスマートフォンで示す「デジタル券」の販売が再開されています。
申し込み方法や利用期間などをまとめました。
10日から申し込みの受け付けが始まったのは、外食需要の喚起策「Go Toイート」のプレミアム付き食事券の「アナログ券」です。
プレミアム付き食事券は、「デジタル券」と「アナログ券」の2種類があります。
○デジタル券
10月26日から販売が再開。
1セット8000円で購入すると1万円分使えます。
○アナログ券
11月10日から申し込み受け付け開始。
1セット1万円で購入すると1万2500円分使えます。
申し込み期間は12月25日まで、利用できる期間は来年1月25日までになっていますが、売り切れしだい終了するということです。
「アナログ券」での申し込みは、スマートフォンか、はがきで行い、いずれの場合もまず引換券を入手します。
このうち、スマートフォンは、10日午後2時から受け付けが始まりました。
1日ごとに先着順になっていますが、発行数は公表されていません。
はがきの場合は、期間中に委託業者の事務局あてに送り、2週間から3週間ほどで当選した人にのみ引換券が発送されます。引換券は、委託業者に登録された都内の小売店などで提示すると食事券を購入することができます。
申し込み用はがきは、都内のおよそ350か所に置かれています。
このうち、江戸川区役所の窓口には近くに住む人などが次々と訪れ、はがきを受け取っていました。区によりますと、10日朝から20数人が受け取りに来ているということです。
50歳の会社員 男性
「前回はコロナがどうなるかわからない時期だったので申し込みはしなかった。感染するのは嫌だという面もあるが、家族で外食に行きたいので意識は高めるようにしたい」
「Go Toイート」の「アナログ」券はスマートフォンからも申し込みができます。
「はがき」からの申し込みが抽せんなのに対し、スマートフォンからの申し込みは先着順であることから10日は開始当初からアクセスが相次ぎ、つながりにくくなりました。
スマートフォンからの申し込みが始まった午後2時すぎ、スマートフォンの画面には「大変申し訳ございません、ただ今つながりにくくなっております。今しばらくお待ち頂き、再度アクセスしてください」という画面が表示されました。
SNS上でも「全くつながらない」とか「1時間半更新し続けているけどつながらない」などという書き込みが相次いでいました。また、情報を入力できても、途中でエラー画面が表示され、手続きが終えられない、という状況も起きていました。
販売を委託されている事業者によりますとアクセスの集中によるもので、システムのトラブルなどは起きていないということです。午後5時ごろには「本日の受付上限に達しました。11日の14時より再開いたします」という画面が表示されました。
スマートフォンで申し込みができると「電子引換券」が発行されます。
1セット1万円で、引換券1枚につき、2セット購入できます。
この電子引換券を指定の販売所で見せると、食事券を購入できます。
一方、午後2時から始まったスマートフォンからの申し込みでは、申し込みを何度しようとしてもつながりません。結局30分以上続けても申し込むことはできませんでした。
新型コロナの感染者が増加傾向にある中で受け付けが再開された都内の「Go Toイート」。
使用できる飲食店からは物価高の中で外食需要の回復につなげたいという期待の一方、感染が拡大する中、先行きを不安視する声も聞かれました。
都内をはじめ、全国でおよそ80店舗を展開するカレーチェーンの東京・渋谷区にあるフランチャイズ店は、10月から販売が再開された「デジタル券」に加え、10日から申し込みが始まった紙の「アナログ券」の対象店舗です。
定額の食べ放題サービスを去年から始めるなどの工夫を重ねてきましたが、売り上げはコロナ前の8割にとどまっています。戻ってきた客足が物価高によって遠のく心配があるほか、電気料金の値上がりや食材の価格高騰が経営状態の悪化につながると心配しています。
そのため「Go Toイート」の食事券で外食需要の回復につながると期待を寄せています。
「日乃屋カレー初台店」 宮川哲 オーナー
「新しいサービスを考えて売り上げアップの努力しているが、電気代が例年の倍になり、資材の価格が上がって支払いが厳しい状況にあるためキャンペーンにかなり期待している」
その一方、気がかりなのは新型コロナの感染者数の増加です。
専門家は「感染拡大の第8波に入りつつある」という認識を示しています。
この店では消毒や換気、それにアクリル板などの感染防止対策を改めて徹底するほか客にも対策への協力を呼びかけることにしています。
宮川 オーナー
「キャンペーンに乗って売り上げが増えればと思っていたが、“第8波”のニュースで見通しが立たないというのが正直な気持ちだ。安心して食事をできるようコロナ対策を今後もきちんと行ってお客さんの来店を待ちたい」