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BA.5対応ワクチン モデルナも “第8波の規模は接種率や対策次第”

  • 2022年11月8日

新型コロナウイルスのオミクロン株のうち「BA.5」に対応するモデルナのワクチンについて厚生労働省は公的接種に位置付け、順次、接種を開始する方針です。感染の第8波の入り口という指摘もあるなか、専門家は「第8波の規模は、今後のワクチンの接種率や感染対策の状況によって左右される」と話しています。感染状況やワクチンの動向、専門家の見方をまとめました。

東京都内 高まる陽性率 第8波は?

厚生労働省で発表された新型コロナウイルスの感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較すると、全国では11月7日までの1週間は1.42倍とすべての都道府県で増加し、特に東日本を中心に増加のペースが上がっています。
首都圏の1都3県では、東京都は前週の1.53倍、埼玉県は1.48倍、千葉県は1.35倍、神奈川県は1.54倍となっています。

東邦大学 舘田一博教授
「新規感染者数が前の週の1.5倍を超える地域が東日本を中心に見られ、第8波が近づいている兆候が強まっている。大きな感染拡大の波の前には検査の陽性率が高まる状況がみられてきたが、陽性率はいま、東京で30%近くに高まってきている。また、検査せずに陽性になっている人たちも増えてきていると考えなければならない。今後1週間から2週間は、感染状況の変化に特に注意を払う必要がある」

モデルナのBA.5対応ワクチンも公的接種に

オミクロン株のうち「BA.5」に対応するモデルナのワクチンについて、厚生労働省は変異株に対する予防効果が期待されるなどとして国内での使用を承認し、11月7日、専門家の意見をとりまとめた上で、無料で受けられる公的接種に位置づける方針を決めました。

オミクロン株対応ワクチンの接種
  BA.1対応 BA.5対応
ファイザー 9月開始 10月開始
モデルナ 9月開始 11月28日の週から配送
順次 接種を開始

オミクロン株に対応したワクチンの接種は、従来のワクチンで2回目までを終えた12歳以上の人を対象に、2022年9月からファイザーとモデルナの「BA.1」対応のワクチン、10月からはファイザーの「BA.5」対応のワクチンの接種が始まっています。

「BA.5」に対応するモデルナのワクチンは、11月28日の週から12月下旬にかけて、およそ300万回分を自治体に配送し、順次、接種を開始する方針です。

オミクロン株対応ワクチン 年内配送は1億回分超

厚生労働省は年内に希望する人への接種を行うとしていて、年内にオミクロン株対応のワクチンおよそ1億200万回分が自治体に配送される計画です。

一方、政府が11月7日に公表した最新の状況によりますと、これまでに国内でオミクロン株に対応したワクチンの接種を受けた人は858万2671人で、全人口に対する接種率は6.8%となっています。

 

厚生労働省はこのほかアメリカの製薬会社ノババックスが開発したワクチンについて、オミクロン株対応ワクチンと同様に、追加接種を行う方針を決めました。

“第8波の規模はワクチン接種率や感染対策次第”

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、今の新型コロナの感染状況について、「東京など関東地方でも感染者数が増加に転じていて、第8波の入り口にさしかかっている」と指摘しています。新たな変異ウイルスや今後の感染動向について聞きました。

〇新たな変異ウイルス
水際対策の緩和で人の往来が活発になり、これまで以上のスピードで新たな変異ウイルスの感染が国内で広がるおそれがある。これまで主流だった『BA.5』に代わって、新たな流行の主体になる可能性は十分ある。ただ、新たな変異ウイルスもオミクロン株の一種なので、オミクロン株対応のワクチンが一定程度の有効性が期待できる。

〇第8波の規模
冬の時期は一定程度の流行があることは、これまで繰り返してきているので、当然この冬も流行十分あり得る。その規模がどれぐらいになるかは、ワクチン接種率や、感染対策を徹底できるかに左右されることになり、いずれも低調だと、第7波と同じ規模の感染者数が出てもおかしくない。

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