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物価高騰で学校給食 23区の対応は?値上げ分の公費負担など広がる

  • 2022年9月22日

食料品や燃料費など物価の高騰で、「学びの場の食事」、学校給食や大学の食堂も対応に追われています。このうち給食について東京23区では、4月の時点で値上げや公費による対応をとっていたのは4つの区でしたが、この半年で、すべての区に広がっていました。物価高騰にどう対応しようとしているのかをまとめました。

学生支援 学食のカツカレー 440円 → 308円

東京・国分寺市にある東京経済大学では、大学内の食堂のすべてのメニューを30%引きで提供することにしました。
食堂のディスプレーには、もとの価格から割り引きされた価格が表示され、かき揚げそばは352円から247円に、カツカレーは440円から308円などとなっていました。

大学がこの夏に学生に食生活に関するアンケートをしたところ、コロナ禍でアルバイト収入が減って食事がとれないとか、仕送りを受けられないといった切実な声が寄せられたほか、最近では長引く価格高騰で食事を1日1食に切り詰める学生もいるということです。

東京経済大学 橋本博一総務課長
「学生たちがコロナで経済的に困窮しているところに、物価高が追い打ちをかけている状況がある。大学として経費はかかるが、それ以上に、経済的支援を直接、素早く実行したいと思っている」

物価高騰の影響は給食にも 公費負担で支援も

東京・港区はことし6月から給食費の10%程度にあたる米代を区が負担しています。港区では公立の小中学校に通う児童や生徒の保護者から、1食分の給食費として236円から324円を徴収していますが、食料品の価格高騰で例えば先月も油18リットルが、8500円から1万5000円になるなど、多くの食材で値上げが相次いでいるということです。

取材した区内の御成門中学校では、値上がりしている油の使用量が少ない料理にメニューを変更したり、食材を工夫したりして、少しでも食費を抑える取り組みも続けているということです。

値上がりが続いていることから、港区では、10月からは1食あたり10.7円を公費で負担する追加の支援も始めることにしています。

港区教育委員会管理栄養士 前口愛子さん
「急激に大きな幅でどんどんと上げられるのは、なかなか経験したことがない。私たちも先が見えずどうしていったらいいのかなと」

値上げ、公費負担…東京23区 給食費への対応が広がる

NHKが、東京23区の教育委員会に、食料品の価格の高騰に伴う公立の小中学校の給食費への影響を聞いたところ、4月の時点で値上げや公費による対応を取っていたのは4つの区でした。
しかし、従来の給食費だけでは維持できないとして、10月から年内の開始も含めると、この半年ですべての区に対応が広がっていました。

オレンジ色は、給食費を値上げした上で値上げ分の全額もしくは一部を公費で負担したり、価格高騰分を公費で補助したりする対応を、すでに取っている、もしくは今後、予定している区で、あわせて16あります(港区を含む)。薄いオレンジ色の墨田区は、値上げ分の一部を保護者に負担してもらっています。

そして青色は、牛乳や米、油や小麦といった項目を決めて、その費用を負担している区で、8つあります(港区を含む)。

公費負担による対応は、多くの区が国の臨時交付金を活用していて、各区からは、さらなる物価高騰や長期化を懸念する声が聞かれました。

小中学校の給食費をめぐっては、物価高騰により保護者の負担が増すことがないよう、文部科学省が9月12日に各自治体などに対し、臨時交付金を活用して支援策を進めるよう改めて求めています。

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