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通園バス園児死亡 “置き去り”防ぐ ブザー使った安全装置を

  • 2022年9月16日

静岡県の認定こども園で3歳の女の子が通園バスの車内に取り残され熱中症で死亡した事件。
どうすれば防げるのか、ブザーを使って置き去りを防ぐ安全装置の実験が行われました。
保育の関係者らは、通園バスに安全装置を義務化するよう要望しています。
再発防止のために何ができるのか、国の動きを含めてまとめました。

子どもが防犯ブザー使って知らせる

相模原市では、バスに取り残された子どもが「防犯ブザー」を使って周囲に知らせることができるか、検証する実験が行われました。

事件を受け、相模原市では通園バスを運行する市内のすべての幼稚園などに防犯ブザーを設置して、子どもがバスに取り残された場合に、周囲に知らせることができないか検討を進めてきました。

15日は市内の幼稚園で市の職員や園の関係者が参加して、バスの中で鳴らした「防犯ブザー」の音がどの程度聞こえるのか検証する実験が行われました。
その結果、バスのドアや窓を閉め切った状態では音がこもり、バスのそばでなければ音が聞こえないことが分かりました。

このあと複数の防犯ブザーを鳴らしたり窓を開けた状態で鳴らしたりと条件を変えて実験した結果、運転席の窓が10センチほど開いていれば、バスの外にも音が届くことが確認できたということです。

結果を踏まえ、市は今後、通園バスを運行する市内すべての幼稚園や保育園など94の施設に対し、通園バスの中に防犯ブザーを設置するよう推奨することを決めたということです。

相模原市は、まずは大人がさまざまな再発防止策を取ることが必要としたうえで、次のように話しています。

相模原市保育課 遠山芳雄課長
「万一に備えバスを運行する施設に対し、防犯ブザーの活用を呼びかけたい」

ブザーを使った安全装置

東京都内では、新たな仕組みの安全装置の実験も行われました。
この安全装置は都内のメーカーが実用化に向けて開発を進めているもので、エンジンを切るとブザーが鳴り、後部座席に設置されたボタンを押すまで音が止まらない仕組みで、子どもを確認する機会を増やすことにつながります。

実験は、東京・世田谷区にある6歳から10歳の子どもたち18人が通う施設で実際の送迎バスを使って行われました。

15日は運転手や職員、それに子どもたちも参加し、エンジンを切るとブザーが鳴り子どもが全員降りたのを確認してブザーを止めるまでの一連の流れを確認していました。

オクト産業 安達良平社長
「子どもたちが乗り降りするのにかかる時間や行動パターンなども参考になった。今後、運転手などとも打ち合わせをして、さらに改良していきたい」

ヒロック初等部 蓑手章吾校長
「同じように子どもの命を預かる立場としてひと事ではない。使い方は簡単で有効だとは思うが、機械の誤作動もありえるので、テクノロジーが進歩しても人によるチェックは必要だ」

“置き去り防ぐ装置義務化を”

今回の事件を受け、子どもの置き去りを防ぐ装置の義務化を求める署名活動も進められています。

ネット上での署名活動を始めたのは、保育園の運営や子育て支援を行う都内のNPO法人「フローレンス」です。

要望
・通園バスを運営する保育園や幼稚園などに子どもの置き去りを防ぐ装置の設置義務づけ
・導入のための補助金をつくることなど 国に求める。

このNPO法人によりますと、韓国では、バスでエンジンを切ったあと、3分以内に車内の後部に設置されたボタンを押さないと警報音が鳴る装置などの導入が、進んでいるということです。

国は今回の事故を受けて、再発防止策を10月中に取りまとめる方針で、NPO法人は集まった署名をなるべく早期に提出したいとしています。

NPO法人「フローレンス」駒崎弘樹会長
「人間なら誰でもミスをするということを前提に対策を講じることが重要だ。こうした事故を二度と起こさないためにも、政府には法改正も視野に対策の検討を進めてもらいたい」

少子化相 10月中に再発防止策

今回の事件を受けて、小倉少子化担当大臣は15日、保育所や認定こども園などの団体の関係者らと意見交換を行いました。

全国小規模保育協議会 駒崎弘樹理事
「現場は懸命に子どもの安全を守っているが、ヒューマンエラーはどうしても起きてしまうので、置き去り防止装置の設置の義務化をしてほしい」

小倉少子化担当大臣は、10月中に再発防止策をまとめ、対策を急ぐ考えを強調しました。 

小倉少子化担当大臣
「どこに子どもがいようが、送迎バスの安全は確保しなければならない。保護者の不安も解消しなければならない。責任感を持って日々仕事に臨んでいるほぼすべての園の職員の、今回の事故を受けた精神的なストレスも一刻も早く解消しなければならない。
ヒューマンエラーをどう防いでいくかも含め、10月に再発防止策をとりまとめ、万全の体制を敷いていきたい」

寄せられた声

今回の事件、首都圏ネットワークで、皆さんに意見を募ったところ、さまざまなご意見をお寄せいただきました。

50代男性

本当に胸が痛みます。通園バスの運行などは園とは別の団体に委託してはどうか

50代女性

防犯ブザーを使う案はいいですが、体調が良くない子や、居眠りしている子には不向き。いくつかの対策を組み合わせるのが最善策では。

30代女性

防犯ブザーとかで、『子どもがこうするべき』でなく見回り専門の人を配置するなど、施設側が対策すべきでは。

60代男性

こどもが通園する施設で働いていました。バスの運転や、こどもたちへの付き添いも人間がやることです。システムや機器だけに依存してしまうのは心配。

60代女性

今回の悲劇は、保育現場にプロフェッショナルが不足していることにあるのでは。必要なところに、適切な人材を配置できる仕組みが必要なのでは。

70代女性

17年間、幼稚園教諭として、バスにも乗務したが、同じ職務に携わったものとして、何とかならなかったかと残念。教育に関わる以上、命を預かる意識を肝に銘じるべき

NHKでは、引き続きこの問題、皆さんの声をもとに、取材していきます。
こちらの投稿フォームより、ご意見・情報をお寄せください。


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