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“市場介入に警戒感” 日銀「レートチェック」とは 円相場どうなる

  • 2022年9月15日

9月13日夜から14日にかけて円相場が大きく動きました。一時、2円以上値下がりして1ドル=144円台後半まで進みましたが、日銀が「レートチェック」を実施したと伝わると、一転して円を買い戻す動きが広がりました。市場介入を視野に入れた準備の動きとしてとらえられる「レートチェック」の内容や市場の受け止めなどについてまとめました。

日銀のレートチェックとは

関係者によりますと日銀は14日、銀行の為替ディーラーなどにドルに対する円の取り引き水準などを尋ねる「レートチェック」を実施したということです。
この「レートチェック」とは、日銀が銀行の為替ディーラーなどにドルに対する円の取り引き水準などを尋ねることをいいます。

円安に歯止めをかけるために市場介入を行う際には外貨準備として持っているドルを売って円を買うことになります。
市場では「レートチェック」は、市場介入を視野に入れた準備の動きとしてとらえられ、政府・日銀が急激な為替レートの変動に対し市場をけん制するねらいがあると受けとめられています。
14日、円安が急速に進んだことを受けて、政府・日銀が警戒感を一段と高めているという見方が広がっています。

レートチェックで市場の反応は

レートチェックで市場の反応は14日の東京外国為替市場は、アメリカで大幅な利上げが続くという見方が広がり、円相場は一時、2円以上値下がりして、一時、1ドル=144円台後半まで円安ドル高が加速しました。

しかし、14日午後になって日銀が「レートチェック」を実施したと伝わると、政府・日銀が円安を食い止めるために円を買ってドルを売る市場介入を行うのではないかとの警戒感が強まり、一転して円を買い戻す動きが広がりました。

“伝家の宝刀” 市場には大きなけん制

これまで政府・日銀は、いわゆる口先介入を行って市場の動きをけん制してきましたが、伝家の宝刀とも言われる市場介入の前に行うとされている「レートチェック」にまで踏み込んだことで市場には大きなけん制となりました。
14日のレートチェックを受け、市場関係者の間では、市場介入に向けて一歩進んだのではという見方も出ています。

ただ、実際に市場介入ができるかというと今回は極めて難しいという指摘もあります。

〇“米がドル安を簡単に容認するのか” 
記録的なインフレに見舞われるアメリカがさらなる物価高につながりかねないドル安を簡単に容認するとは考えにくいからです。

〇“単独介入の効果は限定的” 
今回の円安ドル高の背景には、アメリカの金融引き締めが続くという市場の観測があり、仮に日本が単独で介入しても円安に歯止めをかける効果は限定的だという指摘もあります。

今後、円安がさらに進んだ場合に政府・日銀がどう対応するのか注目されています。

“市場に対してあらゆる手段を排除せず”

円安が加速していることについて鈴木財務大臣は14日夕方、財務省内で記者団に対し、「こういった状況が続くようであれば、市場に対してあらゆる手段を排除せず、やるべきことをやる」と述べ、市場の動きを強くけん制しました。

あらゆる手段に市場介入も含まれるかどうか問われたのに対して鈴木大臣は、「あらゆる手段を排除しないということだから、その理解でよい」と述べ、為替介入に踏みきる選択肢もあるという認識を示しました。

さらに、14日に為替介入を行ったかと問われたのに対して、「為替介入があったかどうかについては、予告的にやるものでもなく、コメントしない。しかし、やるときには間髪入れずに瞬時にやる」と述べました。

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