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オミクロン株対応ワクチン接種いつから 効果や副反応の情報は?

  • 2022年9月15日

新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンについて、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを国内でも使用することが特例で認められました。厚生労働省は、無料で受けられる公的接種に位置づけたうえで来週から開始し、希望する人が年内に接種を終えることを目指すとしています。接種対象、開始時期、効果や副反応の情報などをまとめました。(9月15日更新)

無料の公的接種に位置づけ接種開始へ

オミクロン株対応の新型コロナウイルスのワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株のひとつ、「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、現在、流行している「BA.5」に対しても、効果が見込まれています。

これについて、厚生労働省の専門家による部会で12日、アメリカの製薬会社、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを国内でも使用することが特例で認められ、さらに14日、両社のワクチンを使用して無料の公的接種を開始する方針を決めました。

対象 12歳以上すべて 前回接種から5か月以上

使用できるのはファイザー製が12歳以上、モデルナ製が18歳以上で、従来のワクチンで2回目までを終えた人への追加接種として使用されます。

厚生労働省は前回の接種から少なくとも5か月以上経過している12歳以上のすべての人を対象にする予定で、10月までに対象となる人はおよそ6850万人と想定しています。

ただ、12日に開かれた厚生労働省の専門家による部会では、前回の接種からの間隔を5か月から短縮すべきだとする意見が出されました。厚生労働省は、今後、5か月としている前回の接種からの間隔を短縮する方針です。

スケジュール 10月半ばまでには全員接種可能に

接種は9月20日に4回目をまだ接種していない高齢者や医療従事者などから開始されます。4回目の接種を行っていない60歳以上の高齢者、およそ1400万人や、18歳以上の基礎疾患のある人、そして医療従事者などから、9月半ば以降に受けられます。

それ以外の対象者およそ5350万人も順次、オミクロン株対応のワクチンに切り替えられ、10月半ばまでには、全員が新しいワクチンの接種ができるようになる見通しです。

また、4回目の接種を受けた人では最も早い人でことし5月に接種したおよそ1万人が、10月25日以降から5回目が打てるようになる見込みです。

3回目までを終えた多くの人にとって4回目としてオミクロン株に対応したワクチンが接種できるようになるほか、すでに4回目を接種した人の5回目や、2回目まで接種した人の3回目として使用されます。

厚生労働省は年末年始に懸念される感染拡大に備え、希望する人が年内に接種を終えることを目指すとしています。

両社の臨床試験の結果は BA.1への効果

〇ファイザー社 臨床試験
ファイザー社が示した臨床試験の結果によりますと、オミクロン株に対応したワクチンはこれまでのワクチンと比べ4回目では「BA.1」のウイルスの働きを抑える中和抗体の値が平均で1.56倍、上昇したということです。

〇モデルナ社 臨床試験
モデルナ社の臨床試験では4回目の接種では「BA.1」に対する中和抗体の値が平均で1.75倍上昇したということです。

〇効果や副反応 厚労省は
効果について厚生労働省はオミクロン株に対し、従来のワクチンを上回る重症予防効果や、持続期間が短い可能性はあるものの、感染予防効果や発症予防効果が期待されるとしています。
また臨床試験の結果から厚生労働省は安全性に重大な懸念は認められていないとしたほか、主な副反応は疲労や頭痛があげられるものの、軽度から中程度だったとしています。

“従来のワクチン接種予定の人は切り替えをおすすめ”

新型コロナのオミクロン株に対応したワクチンについて、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、基礎疾患のある人や高齢者の早めの接種を呼びかけているほか、近く、従来のワクチンを接種する予定がある人については「基本的にはオミクロン株対応のワクチンに切り替えて接種することをおすすめしたい」としています。

〇オミクロン株対応ワクチン
接種後の抗体価の上がり方は従来のワクチンと比べ、1.5倍から2倍まで上がるというデータが出ている。重症化を予防することが重要なので基礎疾患のある人や高齢者は早めに接種をしてほしい。また、若い人は後遺症リスクが高いので自分事として接種をしてもらいたい。

〇どのワクチンを接種するか
感染者数は秋・冬の時期には再び増える可能性がある。多くの人がワクチンを打って免疫を持った状態で次の流行に備えるのが大事だ。従来のワクチンを来週、接種できるが、1か月後ならオミクロン株に対応するワクチンを接種できるということであれば、基本的には、オミクロン株対応のワクチンに切り替えて接種することをおすすめしたい。ただ、感染リスクが高いなど早めに接種したい場合は従来のワクチンでも重症化の予防効果はある。

〇ワクチン接種 今後の見通し
ずっと接種し続けるかというと状況は変わると思う。ウイルスの変異がどう出るかにもよるが、順調にいけば年に1回接種すればよいという効果の高いワクチンが出てくると思う。接種の間隔が長くなり、インフルエンザと同じような対応になることが望ましい。

BA.5対応ワクチン ファイザーが国内承認申請

オミクロン株のうち、感染の主流となっている「BA.5」に対応する成分が含まれるワクチンについてファイザーは、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。

ファイザーの発表によりますと、厚生労働省に13日、承認申請したのは、「BA.4」や「BA.5」、それに従来の新型コロナウイルスに対応する成分が含まれるワクチンで、「2価ワクチン」というタイプです。

ファイザーは人に投与する前の実験のデータでは、このワクチンを追加接種することで、「BA.5」や従来のウイルスなどに対する強い中和抗体の反応が得られることが示されたとしています。

アメリカでは、このワクチンの12歳以上の追加接種について8月31日にFDA=食品医薬品局が緊急使用の許可を出し、9月1日にはCDC=疾病対策センターが正式に推奨すると発表しています。

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