1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. コロナ療養期間短縮 症状ありは7日間 感染後のウイルス検出推移は

コロナ療養期間短縮 症状ありは7日間 感染後のウイルス検出推移は

  • 2022年9月8日

新型コロナ感染者の自宅などでの療養期間について、岸田総理大臣は6日、短縮する方針を明らかにしました。症状がある人は7日間に、無症状の人は、検査で陰性が確認されることを条件に5日間に短縮するということです。感染後のウイルス検出の推移に関するデータのほか、新たな療養対応の注意点について専門家の見方をまとめました。

BA.1に感染 ウイルスはいつまで検出?

オミクロン株の「BA.1」に感染した患者でウイルスが何日間検出されるか、国立感染症研究所などが分析した結果では、症状があった人では今後、短縮される方針の療養期間が終わる8日目の時点では9%の人からウイルスが検出されたということです。

〇症状がある人は
8月開かれた厚生労働省の専門家会合に出された資料によりますと、症状がある人でウイルスが検出されたのは発症した日を「0日」として、7日目には17%、8日目には9%、9日目には4%となっていて、10日目には2%でほとんど検出されませんでした。

〇無症状の人は
一方、無症状の人でウイルスが検出されたのは検査で確認された日を「0日」として、5日目には18%、6日目には10%、7日目には6%、8日目には3%となっていて、9日目と10日目には1%でほとんど検出されませんでした。

療養期間 症状ありは7日間 無症状は5日間に

新型コロナ対応をめぐり、岸田総理大臣は、6日夕方、総理大臣官邸で、記者団の取材に応じました。
この中で、岸田総理大臣は、感染者の自宅などでの療養期間について、症状がある人は、今の原則10日間から7日間に、無症状の人は、検査で陰性が確認されることを条件に、7日間から5日間に短縮する方針を明らかにしました。

療養期間の見直しについて、厚生労働省は7日夜、具体的な考え方を都道府県に通知しました。その内容です。

〇症状がある人
発症の翌日から7日が経過し、かつ、症状が軽くなってから24時間経過した場合に、8日目から解除できるとしています。
ただし、10日が経過するまでは感染リスクが残るため、高齢者などとの接触や会食を避けるなど、感染予防の徹底をお願いするとしています。

〇無症状の人
5日目に検査キットで陰性を確認した場合、6日目から解除できるとしたうえで、7日が経過するまでは感染リスクが残るため、感染予防の徹底をお願いするとしています。

〇入院・高齢者施設の入所者
これまでと同じで、発症の翌日から10日が経過し、かつ、症状が軽くなってから72時間以上が経過した場合に11日目から解除できます。

〇療養期間中の外出自粛の見直し
症状が軽くなってから24時間経過した人や無症状の人は、短時間で公共交通機関を使わずマスクを着用することなどを前提に、食料品の買い出しなど必要最小限の外出を認めるとしています。

専門家 “療養期間が終わっても10日目までは注意”

厚生労働省の専門家会合のメンバーで東北大学の小坂健教授は、専門家からは療養期間を短縮することに慎重な意見もあったとしたうえで次のように述べています。

東北大学 小坂健教授
「国内のオミクロン株でのデータでは、症状が出た場合、7日目以降でも1割から2割くらいの患者はウイルスを排出することが分かっている。時間がたつと、ウイルスの排出量は減るかもしれないが、2次感染を起こすリスクはゼロではない。
ただ、ゼロリスクを目指すことは難しく、感染が相次いで医療機関や介護施設がひっ迫する中、療養期間の短縮は人をやりくりする上でも非常に重要なポイントで、個人としては、短縮はやむを得ないと考える」

その上で小坂教授は、療養期間を短縮した場合には、抗原検査キットをさらに流通させて療養期間が終わる前になるべく陰性を確認してもらうことや、短縮された療養期間が終わっても発症から少なくとも10日目までは、マスクをしっかり着用し混雑した場所や会食を避けるなどほかの人に感染させるリスクを下げる行動を取ることが重要だと指摘しました。

新型コロナ対策 今後の政府の方針

感染の第7波の対応をめぐり、政府は、若い世代は感染しても多くの人が軽症にとどまる一方、高齢者は、引き続き、重症化するリスクが高いことや、感染の中心が飲食の場から、高齢者施設や学校、家庭へと変わってきたとしています。
こうした現状をふまえて、政府は、新型コロナ対策を高齢者など重症化リスクのある人に重点化しながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針で、「ウィズコロナ」に向けた新しい段階に移行していきたい考えです。

ページトップに戻る