9月7日から新型コロナウイルスの水際対策が緩和されます。
1日あたりの入国者数の上限を5万人に引き上げた上で、外国人観光客の入国について、添乗員を伴わないツアーも認めることにしています。
水際対策の緩和に観光地の期待も高まっていますが、効果はあるのでしょうか?
政府は9月7日から水際対策を緩和し、外国人観光客の入国については、すべての国を対象に、添乗員を伴わないツアーも認めることにしています。
これを受けて、観光庁は外国人観光客を受け入れる際のガイドラインを見直しました。
それによりますと、個人旅行は引き続き認められず、旅行会社が航空チケットや宿泊先を手配したツアーに限定されます。
ただ、これまでは、訪問先もあらかじめ決まっていましたが、今後は、日中の観光や食事などについて、ツアー客が自由にスケジュールを組むことが認められます。
また、旅行会社がツアーの責任者となり、ツアー客が入国した時点で、電話やメールなど日本に滞在する間の連絡手段を確保し、マスクの着用など基本的な感染対策を徹底するよう説明する必要があるとしています。
観光庁によりますと、ことし6月の外国人観光客の受け入れ再開以降、ツアー客の感染は報告されていませんが、今後も感染対策を徹底しながら、徐々に訪日客の受け入れを増やしていきたいとしています。
制限が緩和されることを受けて、東京・原宿にある外国人向け観光案内所では、魅力を体験する新たなプランを検討するなどの対応を始めています。
東京・原宿の観光案内所は、いわゆる「カワイイ」系など個性的な店が集まる原宿の魅力を外国人観光客に直接伝えようと、2015年に開設されました。
年間8万人ほどの外国人が訪れていましたが、新型コロナの感染拡大で去年は100人ほどにまで落ち込んだということで、国内在住の外国人に向けて、全国の観光地のお土産などを販売しています。
案内所は、海外からの観光客が戻ることを期待しています。集客に弾みをつけようと案内所では、日本人形作りやちょうちんの絵付けのほか、原宿の「カワイイ」系の衣装を着て竹下通りを歩くといった新たな体験プランを検討しているということです。
原宿ツーリストインフォメーションセンター 轟木雅幸さん
「原宿ならではの、かわいい場所を楽しんでもらえるよう考えています。竹下通りの店舗と連携をして、楽しんでもらえるサービスを届けていきたいです」
経団連の十倉会長は5日の定例会見で、観光庁のガイドラインでは引き続き個人旅行が認められていないことから、経済に及ぼす効果は限定的だという認識を示しました。
経団連 十倉会長
「緩和の方向に動きだしたことは率直に評価したいが、これで十分だとは思っていない。新型コロナの感染拡大前は、日本を訪れる外国人観光客の8割が個人旅行だったが、ここの部分には今回の対策は効かない。新型コロナの感染はピークアウトしていないという意見もあるものの、1週間前に比べると7割に減っている。迅速に次の緩和に向けた対応を講じてほしい」
また、日本商工会議所の三村会頭は6日の記者会見で次のように述べました。
日本商工会議所 三村会頭
「観光に携わる企業などは客が来ないうえ、予約のキャンセルも多くて非常にまいっている。入国者数の上限の5万人への引き上げは大きな希望を与えることになる」
(全入国者にビザの取得義務づけについて)
「諸外国では全くないことだ。ビジネスでもひとつの障害になってくる」