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コロナ入院給付金 自宅療養など「みなし入院」見直しへ 保険各社

  • 2022年9月2日

新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人は、8月24日の時点で156万人を超え、過去最多になりました。
保険各社は、医療保険の加入者が新型コロナに感染した場合に支払っている入院給付金について支払い対象を見直します。
見直しでどう変わるのか、気になる保険の給付金についてまとめました。

自宅療養は過去最多

新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人は、8月24日の時点では156万1288人だったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
前の週から13万7857人増え、これまでで最も多くなりました。

自宅療養などでも入院給付金

医療保険の加入者が新型コロナに感染した場合、保険各社は、自宅やホテルなどで療養するいわゆる「みなし入院」の場合でも、保健所や医療機関が発行する療養を証明する書類などがあれば、原則として入院給付金の支払いに応じてきました。

「みなし入院」給付金 急増

「みなし入院」の患者に対する保険各社の支払いは、このところ急増しています。

生命保険協会によりますと、協会に加盟している42社がコロナ禍でことし7月末までに入院給付金を支払った件数は合わせて351万5966件で、このうち93%の329万2091件が「みなし入院」の契約者でした。

これにともなって、保険会社が支払う保険金の額も急増し、コロナ禍でことし7月末までに支払った「みなし入院」の契約者への支払いは、3046億6853万円に上りました。

支給額は去年までは多い月でも100億円程度でしたが、ことし3月には380億円に増加。4月は492億円、5月は577億円、6月には620億円と増え続けました。7月は395億円となっています。

保険各社はことしの春以降、給付金の支払い業務にあたる職員の数を大幅に増やして対応していますが、想定を上回る件数となったことで、ふだんよりも支払い手続きに時間がかかるケースが相次いでいるということです。

不適切疑われるケースも

支払いが増加した要因は、感染者数の増加ですが、保険各社によりますと中には入院給付金の受け取りを目当てにした不適切な契約が疑われるケースも見られるということです。

例えば、発熱などの症状があったり、同居する家族などの感染がわかったりしたあとに、高額な保障が受けられる保険に加入し、PCR検査で陰性が確認されるとすぐに解約するといったケースなどが見られるということです。

保険各社では短期間に高額な医療保険の加入や解約を繰り返すなど、本来の保険の主旨とはそぐわない契約が疑われる場合には、本人への確認作業を強化するなど、対応をとっています。

「みなし入院」の給付 見直しへ

これについて1日、金融庁から業界団体に対して新型コロナ感染者の全数把握などの見直しに伴い、「みなし入院」による入院給付金の取り扱いについて、支払い対象も含めてできるだけ早く検討してほしいと要請がありました。

これを受けて保険各社は入院給付金の支払いの対象を見直すことにしています。

支払いを限定
・65歳以上の高齢者
・入院が必要な患者
・妊婦
・新型コロナの治療薬や酸素の投与が必要な患者など重症化リスクが高い人など

具体的な運用については保険会社によって異なる場合がありますが、早ければ9月下旬から対象が見直される見通しです。 

専門家「保険会社は丁寧な説明を」

保険業界に詳しい福岡大学の植村信保教授は次のように指摘しています。

福岡大 植村信保教授
「保険会社が『みなし入院』でも入院給付金を払うと決めたときは、まだコロナがどんな病気で、どれくらい深刻なのかが分からなかったため、社会にとって役立つと考えていたのだと思う。しかし、今は症状が重くなくても、陽性と判定されたらそれだけで給付金がもらえてしまう状況で、給付金をもらうためにあえて保険に加入する人も出てきてしまっている。

そもそも入院給付金の原資は加入者が払う保険料で保険料を払っている人と給付金を受け取っている人のバランスが崩れており不公平な状況だ。今回の見直しは妥当で、正常な状態に戻すという話だと捉えるべきだ」

今後について
「『みなし入院』ということで給付金を支払うのもイレギュラーなことだが、それをやめるというのもやはりイレギュラーなことだ。従って、どうしてこういう対応になるのか知ってもらわなければ加入者は納得できない。また、見直しの移行期に関しては混乱をきたす可能性があり、保険会社はあらかじめ支払いの条件を明らかにしておくなど、丁寧な説明が求められる。

保険の加入者は、どういった対応が必要なのか自分が加入している保険会社と連絡をとったり発表される内容を確認するなど情報を入手することが重要だ」

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