新型コロナウイルスのワクチン接種の効果について、国立感染症研究所などが新たな研究結果を明らかにしました。オミクロン株の「BA.5」が感染の主流となっている時期にワクチンの効果を分析したところ、3回目の接種を終えてから3か月以内の人では発症を防ぐ効果は65%だったことがわかりました。
「BA.5」に対してもワクチンの3回接種によって発症を防ぐ効果が高まる可能性が示されたとしています。最新の研究結果についてまとめました。
政府が、22日公表した最新の状況によりますと、国内で新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を受けた人は8101万3693人で全人口の64%となりました。
1都3県の人数と割合です。
実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。
東京都
3回目を受けた人 868万3650人(62.73%)
神奈川県
3回目を受けた人 590万9155人(64.09%)
埼玉県
3回目を受けた人 478万6854人(64.74%)
千葉県
3回目を受けた人 416万9170人(65.94%)
国立感染症研究所などは、7月、関東地方の医療機関で新型コロナウイルスの検査を受けた1547人のデータをもとにワクチンが発症を防ぐ効果を分析しました。
ワクチンを接種していない人と比べた場合の発症を防ぐ効果は、ワクチンを2回接種してから5か月以上たっている人では35%でした。
一方、3回目を接種してから2週間から3か月たった人では65%、3か月以降の人でも54%と高くなっていました。
この時期にはオミクロン株の「BA.5」が感染の主流となっていたことから研究グループは、「BA.5」に対しても3回目の接種によって発症を防ぐ効果がある程度高まる可能性が示されたとしています。
厚生労働省 専門家会合 脇田隆字座長
「データが少ないものの、ワクチンのBA.5に対する発症予防効果が示されたことは重要だ。接種できるワクチンの種類も増えており、新たなワクチンも選択肢に入れてもらいながら3回目の接種を進めていくべきだ」