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コロナ感染者の全数把握 医師会「すでに破綻」国も見直し検討

  • 2022年8月17日

新型コロナウイルスは、感染症法に基づいて、医療機関は診断したすべての感染者の情報を保健所に提出する必要があります。これを「全数把握」といいますが、これについて厚生労働省は、医療機関などの負担を軽減するため、見直しの検討を始めることになりました。
今後、医療現場や自治体などの意見も聞きながら国に報告を求める患者の対象の扱いなどの調整を進める方針です。

コロナ感染者の全数把握とは

新型コロナの場合、感染症法に基づいて、医療機関は診断したすべての感染者の情報を保健所に提出する必要があります。保健所は、これを基に感染者数を把握し、入院の措置や健康観察を実施することになります。

これを「全数把握」と言いますが、医療機関や自治体からは、負担が大きいとして、政府に対し、見直しを求める声も上がっています。

東京都医師会「全数把握はすでに破綻」

新型コロナの感染者の全数把握について、東京都医師会の尾崎治夫会長は医療機関などの負担になっているとしたうえで、次のように述べました。

東京都医師会 尾崎治夫会長
「感染者数が高い水準にある現状で、全数把握ができているとはとても思えずすでに破綻していると思う。今後、一部の医療機関による定点の観測に変更することもひとつではないか。
やはり60歳以上や基礎疾患のある人については全例をしっかりと診断する。そして、早期治療に結びつけることを徹底してやるべきだ。そういう形に変えていってもいいのではないか」

このほか、高齢者や基礎疾患のある人の重症化を防ぐために東京都医師会と自治体などが連携して、地域ごとに発熱外来を設置することを検討していることを明らかにしました。

東京都医師会 尾崎治夫会長
「医療機関の実情を聞きつつ余力のあるところには協力して頂き、主に重症化リスクの高い人をしっかりみていく振り分けが必要だ」

全国知事会も見直し要請

新型コロナの全数把握をめぐっては、「HER-SYS」と呼ばれる国のシステムに、患者の情報を登録する作業などが現場の負担になっているといった指摘から、政府が、重症化リスクの低い患者については、入力を最小限にする方針を示しています。

こうした中、加藤厚生労働大臣は16日、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井知事らとオンラインで意見交換しました。

全国知事会の会長 平井知事
「(全数把握について)必要性は理解しているが、現場は夜遅くまで入力作業をしなければならない。緩和してもらったが、さらに踏み込んでほしい。第7波が終わってからではなくすぐに取り組んでほしい」

これに対し加藤大臣は、全国知事会などと協議しながら、見直しの検討を始める考えを伝えました。

加藤厚労相
「対象の見直しも含めた検討はありうる。何を見直すことができるのか考えたい」

厚労省 見直し検討へ

専門家などの間では、具体的な見直しの方法として、次のような方法が挙がっています。

・国に報告を求める患者を重症化リスクなどによって限定
・季節性インフルエンザと同様に定点となる医療機関を指定して定期的に報告を求めるなど

一方で、見直しを行った場合に適切な感染防止対策を取るために、都道府県別の感染傾向などを十分に把握できる仕組みがつくれるかどうかが課題となっています。
また、見直しに伴って、すべての患者に求めている外出自粛の要請のほか、検査や治療の費用を全額公費で負担していることについても検討が必要だといった指摘も出ています。

このため、厚生労働省は、今後、日本医師会や全国知事会などの意見も聞きながら、調整を進める方針です。

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