新型コロナウイルスの感染急拡大による医療のひっ迫で、自治体では重症化リスクが低い人などに抗原検査キットを配布する取り組みが進められています。なかにはドライブスルー方式での配布や、バイクで宅配してオンライン診療につなげていこうとする自治体もあります。医療をどう届けようとしているのか取材しました。
神奈川県は、発熱などの症状や濃厚接触の可能性がある県民のうち、重症化リスクが低く自宅療養ができる人に抗原検査キットを無料で配布しています。
キットは薬局などに加え、市役所など公共施設では接触をなるべく避けられるドライブスルー方式での配布も行っています。
県によりますと、ドライブスルー方式は現在、6か所で実施していますが12日から2か所増やし、あわせて8か所で行うということです。
検査キットは専用のウェブサイトで申し込む仕組みで、当初は申し込みが殺到し、受け付けが10分ほどで終わっていたということですが、現在は1日あたりおよそ3万人の受け付けが可能になっているということです。
県医療危機対策本部室 村岡広代技幹
「お盆期間も配布は行うので、重症化リスクが低い人は検査キットを使い、陽性になった場合はできるだけ自宅で療養してほしい」
また、東京・世田谷区は、重症化リスクの低い新型コロナの感染者がオンラインで医師の診療を受けられる取り組みを10日から始めました。対象は、重症化リスクは低いものの、発熱やのどの痛みといった症状のある区民で専用のウェブサイトから申し込みができます。
検査キットがない人には、バイクによる宅配便で送られ、医師のオンライン診療の結果、必要と判断された人には薬も処方され、翌日までには届くようになっているということです。
医師によるオンライン診療は10月いっぱいまでの実施を予定していて、9月16日までは1日あたり最大で330件を受け付けるということです。
オンライン診療は土日と祝日は休みですが、8月11日の祝日は実施するということです。
世田谷保健所健康企画課 大谷周平課長
「この取り組みで重症化リスクの高い人が対面で受診できるように医療資源を注力できる。新型コロナや、疑いがある症状に対し区民の不安がなくなる環境作りを地域の医療機関と連携し取り組んでいきたい」