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コロナワクチン4回目接種の対象者拡大 効果や副反応は 希望者も増

  • 2022年7月15日

新型コロナウイルスの感染が急拡大。
現在、60歳以上の人などに行っている4回目のワクチン接種。政府は対象範囲を、医療従事者と高齢者施設のスタッフなどにも拡大する方針です。
また、千葉市のクリニックでは発熱外来を受診する患者とともに、4回目のワクチン接種を希望する人も急増していて対応に追われています。
4回目の接種をめぐる動きをまとめました。

感染が急速に拡大

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、すべての都道府県で増え、人口の多い首都圏や関西など32の都府県で前の週の2倍を超えています。

4回目の接種 対象拡大

岸田総理大臣は14日、現在60歳以上の人や18歳以上で基礎疾患がある人に行っている4回目のワクチン接種について、厚生労働省の審議会に諮った上で、すべての医療従事者と高齢者施設のスタッフなどおよそ800万人にも対象範囲を拡大し、来週以降、接種を進めることを表明しました。

後藤厚生労働大臣(閣議後の会見)
「7月22日に開催予定の厚生科学審議会で議論し、了承されれば、速やかに必要な手続きを行い、新たな対象者に対する4回目接種を進めたい。
4回目接種に必要なワクチンは十分確保できている。まずは各自治体で確保しているワクチンを活用して接種をしてもらうことで、十分対応可能だ」

さらに後藤大臣は、調査の結果、およそ9割の高齢者施設が、3回目接種から6か月以内に4回目接種を済ませる予定だと回答したことを明らかにしました。

後藤厚生労働大臣(閣議後の会見)
「入所者全体が3回目接種の完了から5か月経過するのを待つのではなく、複数回に分けてでも、できるだけ早期に実施することなど、早期の接種を求めていく」

保健所 ワクチン接種呼びかけ

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東京都内の保健所では、重症化しやすい高齢者への対応を強化していて、高齢者施設への医師の派遣や4回目のワクチン接種の呼びかけなどを進めています。

東京・北区の保健所では、6月下旬に比べて感染者の届け出がおよそ2倍に増え、自宅療養者の健康観察などの業務に追われていて、来週から外部人材も活用してスタッフを20人ほど増やすことにしています。

特に、高齢者の入院患者が増えているとして警戒を強めていて、今後、重症者が増えないよう施設で感染者が出たり施設から要請があったりした場合に、医師会や都と連携して医師や看護師を派遣するなど対応を強化しています。

また、ワクチンの4回目の接種も呼びかけています。

北区保健所 前田秀雄所長
「感染者のボリュームが増し、業務が急増していることは否めず、急ピッチで体制の強化に取り組んでいる。いま最も注意しなければいけないのは高齢者や基礎疾患のある人の重症化の防止で、打てる時期になったらワクチンの4回目接種を受けてもらいたい。第6波を超える大きな波になることも予見されるので、メリハリをつけた対策をとる必要がある」

クリニックも希望者急増

新型コロナの感染の急拡大を受けて千葉市のクリニックでは発熱外来を受診する患者とともに、4回目のワクチン接種を希望する人も急増していて対応に追われています。

千葉市稲毛区のクリニックでは6月は新型コロナの感染確認が1日に2人から3人程度でしたが7月に入ってから急増しています。
15日は午前中、発熱外来を訪れた50人のうち、4割を超える22人の感染が確認されました。クリニックによりますと比較的症状が軽い患者が多かった第6波と比べて、高熱や強いけん怠感を訴える患者が多くなっているということです。

また、4回目のワクチンの接種を希望する人も急増し、多い日には1日100人分の予約枠を設けていますが、すでに7月24日まで埋まっていて、新たな予約を受けにくくなっているということです。

「稲毛サティクリニック」河内文雄医師
「逃げ出したいくらいの忙しさになっている。行動制限がない状況なので、マスクや手洗いなど改めて感染対策を徹底してほしい」

感染急増 ワクチン接種 専門家は

厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田隆字座長は全国的に感染が急速に拡大していることについて、「ワクチンや感染による免疫の感染予防効果が低下していることや、感染力が強いとされる『BA.5』への置き換わりが進んでいること、気温が上がって換気がしにくいことなどの要因が影響している。今後については、短期的には急速な増加がしばらく続くという議論があった」と話していました。

専門家会合 脇田隆字座長
「現在の状況からは、基本的な対策を徹底することが求められる。マスクの着用や手洗い、それに、これまで感染リスクの高い場面を学んできているので、そういったところを避けることが必要だ。また、高齢者や重症化リスクの高い人は4回目のワクチンを打てる時期がくればしっかりと接種してもらうことが重症化を防ぐために非常に重要だ。また、専門家からは、今の時点で、行動制限が必要という意見はなかったが、医療への負荷をしっかりと見ていくことが重要だ」

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