6月下旬に気象庁が相次いで梅雨明けを発表したあと、真夏のような暑さが続いた6月。記録的な猛暑となりました。
熱中症で病院に運ばれた人は全国で1万5657人、死者は17人で、6月としては統計を取り始めた2010年以降最も多くなりました。7月も全国的に気温が平年よりも高くなると予想されていて、引き続き熱中症への対策が必要です。
異例の早さでの梅雨明けのあと記録的な猛暑となった6月。
6月下旬に気象庁が相次いで梅雨明けを発表したあと、日本付近は太平洋高気圧が張り出して、真夏のような暑さが続きました。
6月25日には、群馬県伊勢崎市で40.2度の最高気温を観測し、6月として観測史上、初めて40度を超えたほか、東京の都心では7月3日にかけて、過去最も長い9日連続で猛暑日となるなど、全国で記録的な暑さとなりました。
総務省消防庁によりますと、6月27日から7月3日までの1週間で、熱中症で病院に運ばれた人は1万4353人で、前の週から9802人増加し、27人が死亡しました。症状別の程度をみますと、入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて5695人「軽症」が8480人でした。
搬送された人を年齢別に見ると、65歳以上の高齢者が8179人と半数以上を占めています。
18歳以上65歳未満が4815人、7歳以上18歳未満が1248人、0歳から7歳未満が110人となっています。
熱中症の発生場所では、「住居」が6343人と最も多く、次いで、歩道を含む「道路」が2566人、工事現場などの「仕事場」が1488人などとなっています。
また、6月の1か月間で見ますと、熱中症で病院に運ばれた人は全国で1万5657人、死亡した人は17人で、いずれも6月として統計を取り始めた2010年以降最も多くなりました。
異例の早い梅雨明けで全国的に厳しい暑さが続く中、暑さ対策や節電につながる商品が売り上げを伸ばしています。
「ロフト」では、暑さをしのぐための対策グッズの売り上げが、6月は去年の同じ月の1.7倍に急増しました。
冷たい泡が出てくるスプレータイプの日焼け止めのほか、特殊な素材で首を冷やす商品などが好調で中には品薄となる商品も出始めているということです。
日本救急医学会は、ためらわずに冷房を使用するなど予防を徹底するよう呼びかけています。
救急の専門医などで作る日本救急医学会は、6月28日オンラインで会見を開きました。
ことしは例年以上に梅雨明けの時期が早く、暑さに体が慣れていない人が多いことなどから熱中症の患者が災害レベルで発生するおそれがあるということです。
また、去年までの5年間に熱中症で救急搬送された人のおよそ半数が65歳以上だったということです。
高齢者の熱中症リスク
・体を動かす機会が少なく、暑さに慣れていない
・高血圧や糖尿病の薬などを服用している場合、脱水を招きやすい
・経済的な問題などでエアコンを使わない人がいる
学会では、不要不急の外出を控えることや、エアコンをためらわずに使用することなど予防策を徹底するよう呼びかけました。
日本医科大学付属病院 横堀將司高度救命救急センター長
「節電の要請が出ているが、エアコンの節電は後回しにして、こまめに室温の調節をしてほしい。また、高齢者で1人暮らしの人や寝たきりの人が身近にいれば気にかけてほしい」
気象庁によりますと、7月も全国的に平年よりも気温が高い状態が続くと予想されています。
例年、7月と8月は、6月よりも熱中症で運ばれる人が増える傾向にあります。こまめな水分補給や、夜間も含めて我慢せずにエアコンを使用するなど、対策を続けてください。