21日、山梨県笛吹市の畑で収穫前の桃、およそ5000個が持ち去られているのがみつかりました。山梨県内では6月に入り、畑から農作物が盗まれる被害が相次いでいて、犯人検挙につなげようと地元の警察署が情報提供を求める専用フォームをホームページに開設しました。
21日午後3時ごろ、笛吹市八代町北の畑で、農家の男性が栽培している桃が大量になくなっていることに気づき、警察に通報しました。
警察によりますと、盗まれたのは収穫を目前に控えた「みさか白鳳」という品種の桃およそ5000個で、被害額はおよそ150万円に上ります。
その後の調べで、桃の木の下に敷かれた日光を反射させて実の色づきをよくするための白いシートに車のタイヤの跡が残されていたことが捜査関係者などへの取材で分かりました。
タイヤの跡が見つかった場所は畑の入り口付近で、桃は本来、実だけを丁寧に収穫しますが、周りの木の枝の一部は実がついたまま折られ、葉も散らかっていました。
警察は、畑の中に車で乗り入れたうえ、枝ごと折るなど荒っぽい手口で短時間に持ち去ったとみて捜査しています。
山梨県内では6月に入り、畑から農作物が盗まれる被害が相次いでいます。
6月21日までに、桃およそ1万5000個、とうもろこしおよそ1250本、さくらんぼ100キロあまりが盗まれました。
被害額はあわせておよそ500万円に上り、特に6月中旬からは、日本一の桃の収穫量を誇る笛吹市などの峡東地域で、収穫前の桃を狙った事件が相次いでいます。
JAや警察、自治体などによりますと、パトロール中を知らせるプレートを6000枚作り、車のダッシュボードに置いたり、農地の見回りを例年より早めるなどしています。
また被害にあった笛吹市によりますと、行政側の動きとしては、防災無線で、情報提供や被害の未然防止を呼び掛けたり、さらには、防犯カメラの設置台数を増やせないかなどの検討を始めています。
こうした中、笛吹警察署と隣接する日下部警察署は、犯人検挙につなげようと情報を受け付ける専用フォームを22日ホームページに開設しました。
求めているのは不審に感じた車の目撃や、果物の大量の売買を持ちかけられたといった情報で、匿名でも送信することができ、2つの警察署によりますと開設から2日あまりであわせて60件の情報が寄せられたということです。
警察はささいな内容でも積極的に提供してほしいと呼びかけています。
投稿フォームの記載例