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物価上昇の状況は?消費者物価指数発表 今後の見通し 対策は

  • 2022年6月24日

物価の上昇が止まりません。家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる先月・5月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月を2.1%上回りました。上昇は、9か月連続となっています。
今後の見通しはどうなのか?東京都や横浜市など、自治体の対策は?今の状況をまとめました。

2%超は2か月連続

総務省が発表した5月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が2020年を100として、101.6となり、去年の同じ月を2.1%上回って、9か月連続で上昇しました。

上昇率は4月と同じで、消費税率引き上げの影響を除けば13年7か月ぶりに2%を超えた4月に続き、2か月連続で2%を超えました。

原油価格の高止まりが主な要因で、去年の同じ月と比べて、電気代は18.6%、ガソリン代は13.1%それぞれ上昇し、「エネルギー」全体で17.1%の大幅な上昇となりました。
また、輸入原材料を多く使う食用油が36.2%上昇するなど、「生鮮食品を除く食料」は2.7%の上昇となりました。

政府・日銀は2%の物価上昇を目標としてきましたが、日銀はいまの物価上昇は賃金の上昇や需要の増加といった経済の好循環を伴ったものではないとしています。

総務省
「食品など生活必需品の値上がりが目立つ構図は変わっていない。食品メーカーの中には企業努力で吸収しきれず、さきざき値上げを計画しているところもあるため、今後の動向を注意深く見ていきたい」

食品大きく値上がり

生鮮食品を除く食料では、世界的な需要拡大と急速に進む円安の影響で、輸入原材料を多く使う食品が大きく値上がりしました。

食品の値上がり
食用油 36.2%
ハンバーグ 9.5%
ポテトチップス(食用油値上がり) 9%
からあげ(食用油値上がり) 5.4%
たまねぎ(産地の不作) 125.4%
まぐろ(輸送燃料の高騰) 16.6%
キウイ(肥料の高騰) 10.9%

生鮮食品を含む「食料」全体では去年の同じ月と比べて4.1%の上昇となり、消費税率引き上げの影響を除くと1998年11月以来、23年6か月ぶりの記録的な上昇となりました。

また、「エネルギー」も、原油価格の高止まりを背景に上昇しました。

エネルギー
都市ガス代 22.3%
電気代 18.6%
ガソリン代 13.1%

ガソリンへの政府の補助金の効果もあり、エネルギー価格の上昇率はことし3月をピークに徐々に縮小してはいるものの、引き続き消費者物価指数を押し上げる最大の要因となっています。

このほか、食品とエネルギー以外でも、ウッドショックと呼ばれる世界的な木材価格の高騰で「住居の修繕材料」が11.1%、中国のロックダウンや半導体不足の影響を受けた「ルームエアコン」が11%上昇しています。

自治体の対策は

原材料価格の高騰をうけた事業者への支援策を盛り込んだ東京都の補正予算案が都議会で可決・成立。

補正予算には、原材料価格や物価の高騰に苦しむ事業者への支援策として723億円が計上され、都は、中小企業の資金繰りの支援や販路拡大に向けた相談体制を拡充するとしています。

物価の高騰を受けて、横浜市は市民が市内の店で食品などを買った場合、利用額の20%を還元する支援策を行うことを決めました。

横浜市の「レシ活VALUE」は、横浜市民が市内の店で食料品などを買った際、アプリなどを活用してレシートを送ると20%分のポイントが還元されるものです。

期間はことし8月下旬からで、食料品などのほか、ガソリンも対象になります。
還元される金額の上限は1人あたり3万円です。

今後の見通しは?

消費者物価指数は2%を超える高い伸びが続いていますが、企業がコストの上昇分を商品の価格に転嫁する動きが進めば、さらなる物価上昇も予想されます。

下のグラフは、企業どうしで取り引きされる原材料などのモノの価格を示す「企業物価指数」と、私たちが買うモノやサービスの値動きを示す「消費者物価指数」の伸び率の推移です。

先月・5月の企業物価指数の速報値は、原材料費の高騰や急速な円安による輸入コストの上昇などを背景に去年の同じ月を9.1%上回りました。

仕入れコストの高騰を受けて企業の間で商品を値上げする動きが相次ぎ、企業物価を追いかける形で消費者物価も上がり始めていますが、上昇率が2%台の消費者物価指数とは依然、大きな開きがあります。

「帝国データバンク」が国内の主な食品や飲料のメーカー105社を対象に行った調査によりますと、6月から10月にかけて値上げが予定されている食品や飲料の商品はあわせて6000品目以上に上っていますが、企業物価と消費者物価の開きは、企業側が消費者離れを懸念して仕入れコストの上昇分を身近な商品の価格に転嫁し切れていないことを示しています。

このため企業がコストの上昇に耐えきれず、商品の価格に転嫁する動きが進めば、さらなる物価上昇も予想されます。

物価の上昇率が2か月連続で2%を上回ったことについて、専門家は。

大和総研 瀬戸佑基研究員
「食品など頻繁に購入する品目の価格が上がっていて、2%の上昇率という数値以上に家計が値上げを実感しやすくなっている。

 ただ、企業物価に比べて消費者物価は大幅に低い伸び率になっているので、今後、企業の価格転嫁が進み食品やエネルギーの値上げは年内いっぱい続くだろう。

 物価の上昇に賃金が追いついておらず、今後、節約志向が高まっていくのではないかと見ていて、消費マインドの悪化に注意が必要だ。賃金が上がって物価も上がる好循環を作り出すためには、政府の物価高対策や企業の賃上げが必要だが、物価高対策の恩恵が本当に必要な人たちに行き渡っているのかという観点から政策を見極めることが大事だと思う」

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