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コロナ飲み薬 塩野義製薬「ゾコーバ」有効性や副作用 承認の可否は

  • 2022年7月21日

塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」について、厚生労働省の審議会では7月20日、現時点で承認の判断を行わず、継続審議とすることを決めました。ことし11月以降に示される新たな治験の結果などを踏まえて改めて審査が行われる見通しです。有効性や副作用など、これまでに発表された治験の結果とあわせてまとめました。

緊急承認制度で承認申請

継続審議となったのは、塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」で、国内の製薬会社が開発した軽症の段階で使える初めての飲み薬です。5月に創設された緊急承認の制度を使って申請されました。

飲み薬の効果は? 継続審議に

新型コロナウイルスは感染すると細胞内に侵入し、ウイルスそのもののRNAをコピーして増えていきますが、新たな薬ではコピーの準備段階で働く酵素を機能しなくすることでウイルスの増殖を抑えます。アメリカの製薬大手、ファイザーが開発した飲み薬「パキロビッドパック」と同様の仕組みです。

厚生労働省の審議会は7月20日、有効性や安全性について審査し、委員からは「ウイルス量を減少させ、重症化予防の効果は推定できる」という意見が出ました。

その一方で「胎児に影響が出るおそれがあり妊娠の可能性のある女性や慢性疾患のある高齢者は服用できない」といった意見や「オミクロン株の症状に本当に効果があるのか」などと効果を疑問視する指摘が相次ぎました。
 
この結果、「有効性が推定されるという判断はできない」などとして、現時点で承認するかどうか判断せず、継続審議とすることが決まりました。

効果や副作用 偽薬服用と比較した治験結果

新型コロナ患者 軽症から中等症
428人の治験結果
症状改善 ※偽薬服用グループと比較
 せき 喉の痛み 鼻水・鼻づまり
 息切れ 熱っぽさ
ウイルス ※偽薬服用グループと比較
 感染性あるウイルス検出 90%減
 陰性になるまで1日~2日間短縮
副作用 ※偽薬服用グループと比較
 明確な差は出ず副作用は軽度

 

ことし4月に感染症の国際学会で発表された治験の結果です。オミクロン株の感染が拡大したことし1月から2月までに、12歳から70歳未満の軽症から中等症の新型コロナ患者428人を対象に調べたということです。

薬の投与を1日1回、3回受けたあとでは、せき、喉の痛み、鼻水・鼻づまり、息切れ、熱っぽさがあることの5つの症状が偽の薬を服用したグループと比べ改善したとしています。

また、感染性のあるウイルスが検出された人の割合は偽の薬を服用したグループと比べて90%減少し、ウイルスが陰性になるまでの時間は1日から2日間、短くなったということです。

一方で、当初の評価項目としていた下痢や吐き気などを加えた12の症状を合わせて比較すると、偽の薬グループと比べて明確な差は出なかったとして、副作用は軽度だったとしています。

安全性について重大な有害事象はなかったとしていて、会社では最終段階の治験も並行して進めています。

11月に新たな治験結果 判断は次回以降の審議会で

新型コロナの飲み薬は海外の2つの薬がすでに使用されていますが、この薬が承認されれば国内の製薬会社が開発した薬としては初めてとなります。
この飲み薬は、ことし11月以降に示される新たな治験の結果などを踏まえて改めて審査が行われる見通しで、承認の判断は次回以降の審議会に持ち越されることになりました。

学会からは早期承認を求める提言も

一方、日本感染症学会と日本化学療法学会は9月2日、新型コロナウイルスによる医療のひっ迫を防ぐために、重症化リスクが低い患者も服用できる飲み薬が必要だとして、塩野義製薬が開発した新型コロナの飲み薬の早期の承認を求める提言を厚生労働省に提出しました。
リスクの低い患者にも使うことを目指して塩野義製薬が開発した飲み薬、「ゾコーバ」について「治験では呼吸器症状の改善が示され、ウイルス量の減少も示されている」として、国は迅速に承認を検討すべきだとしています。

日本化学療法学会 松本哲哉理事長
「新たなデータが出れば、一日も早く、審議を開始し、早期に承認して欲しい」

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