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更年期障害の症状 医療機関の受診状況は?更年期原因で離職も

  • 2022年6月20日

更年期はおおむね45歳から55歳のころをさし、様々な症状が現れます。めまいやほてりなど身体的なものだけでなく、イライラなど精神的な症状も。
こうした更年期症状について、厚生労働省は初めて調査を行いました。その結果、更年期にあたる40代から50代の男女のうち症状があっても医療機関を受診していないと回答した人がおよそ8割に上りました。

更年期とは

更年期は女性の閉経前後の10年間、40代後半から50代前半をいい、個人差はありますが女性ホルモンがおおきく揺らぎながら急激に減少することによってほてりや不眠、けん怠感、気持ちの落ち込みなどさまざまな心身の不調を引き起こします。

また男性もメカニズムは違いますが、ストレスなどによって男性ホルモンが減少することで多くは40代から60代にかけて不調が起こると考えられています。
ただストレスや環境の変化によって70代になって症状が出ることもあります。

厚労省が初の調査

厚生労働省の調査はことし3月、インターネット上で行われ、全国の20歳から64歳の男女5000人が回答しました。

この中では、気分の落ち込みや体の痛み、不眠など、45歳から55歳ごろの女性に特有の更年期症状について知っているかを聞きました。

その結果、女性のうち「知らない」とか「聞いたことはあるが内容を詳しく知らない」と答えたのが、40代で62%、50代で51%でした。

また、40代以降の男性にも更年期にまつわる同様の不調が起きますが、男性の40代の90%、50代の84%が「知らない」「内容を詳しく知らない」と答えました。

さらに、更年期症状を具体的に示した上で該当する症状があるか尋ねたところ、1つでもあると回答したのは男女合わせて3700人あまりに上っていて、このうち医療機関を受診した人がどれだけいたかを調べました。

その結果、症状があっても受診していないと答えたのは次の通りです。

女性
40代:82%
50代:79%

男性
40代:87%
50代:86%

また、家事や買い物、子育てなど、日常生活に影響があると回答したのは3500人あまりで、このうち「とてもある」「かなりある」と答えたのは、女性では40代で12%、50代で7%、男性は40代で11%、50代で8%でした。

厚生労働省は医療機関にも協力を求めたうえで、今後3年間かけて更年期症状の具体的な特徴や治療の状況などを年代別に詳しく調査する方針で、結果を踏まえて対策を検討したいとしています。

女性の2割近く有給休暇で対応

働く女性の「生理痛」や「更年期障害」に関する労働団体の調査で、40代以上の7割余りが更年期障害と思われる症状を感じ、2割近くが有給休暇を取って対応したことがわかりました。

労働団体の「連合東京」は、女性が働き続けられる環境を整えようと、ことし3月から4月に生理痛や更年期障害に関するアンケート調査を行い、働く女性1319人から回答を得ました。
その結果、生理痛が「ある・あった」という回答は90%で、症状が重いときの対処法としては、「通院・薬の服薬」が62%と最も多く、「有給休暇」が14%だった一方で、「生理休暇」は半分以下の6%にとどまりました。

また、40代以上の713人に、更年期障害と思われる症状があるか聞いたところ、「疲れやすい」とか「肩こり・頭痛」、それに「イライラする」などの何らかの症状を答えた人は74%で、対処法としては「通院・薬の服用」は39%、「有給休暇」が17%と続きました。

連合東京
「生理休暇は男性上司などに知られたくない思いから取りにくいという声があり、更年期障害には専用の休暇もなく、我慢しながら働く人や仕事を辞める人もいると聞く。更年期障害でも休みやすい制度の議論が必要だ」

「更年期離職」57万人と推計

気分の落ち込みや体の痛みなど更年期症状が原因で仕事を辞めざるを得なくなる、いわゆる「更年期離職」を経験した人は、今の40代と50代で57万人に上るとみられ、それに伴う経済損失は年間でおよそ6300億円に達するという推計を専門家がまとめました。

これは、労働経済学が専門の日本女子大学の周燕飛教授が、NHKと専門機関が共同で行ったアンケートを元に算出しました。

アンケートは去年インターネットで行いました。(NHK「更年期と仕事に関する調査2021」)
40代と50代で更年期の不調があるとみられる男女およそ5300人のうち症状が原因で仕事を辞めた人は女性が9%、男性が7%で、これを元に「更年期離職」を経験した人の数を推計すると、今の40代、50代で女性がおよそ46万人、男性がおよそ11万人にのぼるという結果になっています。

さらに今回、「更年期離職」によって仮に仕事を失った状態が1年間続いた場合、社会全体でどのくらいの経済損失がもたらされるか推計したところ、女性でおよそ4200億円、男性でおよそ2100億円の合わせて6300億円に達するとみられることが新たに明らかになりました。(日本女子大学周燕飛教授による推計)

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