これからの時期、水泳の授業が始まるという学校も多いと思いますが、学校の授業などで使うスクール水着に新たな動きです。
性的マイノリティーの生徒も着やすいよう、男女のデザインが同じ「ジェンダーレス水着」を東京・墨田区のメーカーが開発し販売を始めました。
「ジェンダーレス水着」は男女とも同じデザインで上下が分かれています。
上は長袖の前にファスナーがあるタイプ、下はハーフパンツとなっています。
メーカーによりますと、体の露出を減らすデザインとしたほか、体の成長による違いがあらわれる胸やお尻などの部分はゆったりとしたシルエットになるよう工夫したということです。
メーカーがこのような水着を開発した背景には、「ジェンダーレス制服」を導入する学校が出てくるなど学校現場でも性的マイノリティーの生徒に配慮した動きが進んでいることがあります。
こうした中、メーカーには“性的マイノリティーの生徒も着用しやすい水着はないか”とか“水着を着ることで体形が見えたり肌を露出したりするのが恥ずかしい”などの声が寄せられていたということです。
この水着が発表されるとSNS上では話題になっています。
スクール水着の形は時代とともに肌の露出の少ない方向に変化してきています。
画像提供:フットマーク
1970年代ごろからは、男子は「競泳型」、女子は「ワンピース型」と呼ばれ、太ももなどが露出するようなタイプが主流でした。
2000年代ごろからは男子は「トランクス型」、女子は「オールインワン型」と太ももを隠せるタイプが登場し、最近は紫外線対策として長袖の上着を着用する生徒も増えていました。
メーカーによりますと、最近は学校指定の水着をやめて紺色であれば指定はないという学校も増えて、生徒にとって選択肢が増えているということです。
取材に訪れた近藤アナウンサーも着てみました。
近藤泰郎アナウンサー
「私の時代は競泳型の水着だったので、ここまで覆われているだけで安心感、恥ずかしさがないなと思う。腕もちゃんと伸びますし、脇とかも窮屈さがない」
開発された「ジェンダーレス水着」は今年度、東京と兵庫県の合わせて3つの学校で導入され、来年には一般に販売される予定です。
水泳用品メーカー「フットマーク」学校教育事業部 佐野玲子さん
「多くの反響をいただきうれしく思っています。LGBTQの生徒さんだけではなく体形や体毛、アトピーなどさまざまな事情で肌を露出したくないという人が多くいたことに改めて気づきました。ジェンダーレス水着がスクール水着のひとつの選択肢になることで、人目を気にせずに水泳の授業を楽しんでもらえたらと思っています」