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ひぼう中傷対策 群馬県はSNSの注意点をゲームで学ぶ教材制作

  • 2022年6月14日

SNS上での「ひぼう中傷」の対策が強化されることになりました。国会で改正刑法が成立し、侮辱罪に懲役刑を導入し、法定刑の上限を引き上げるなどとしています。群馬県はSNSを使う際の注意点などを、ゲームを通して学べる独自の教材を制作しました。返事の遅れや炎上などのリスクを再現した教材の詳細と狙いなどをまとめました。

深刻なSNS上のひぼう中傷 侮辱罪が厳罰化

SNS上のひぼう中傷対策を強化するため、改正刑法では公然と人を侮辱した行為に適用される侮辱罪が厳罰化されます。「30日未満の拘留」か「1万円未満の科料」と最も軽かった刑が、懲役刑を導入し上限は「1年以下の懲役・禁錮」と「30万円以下の罰金」に引き上げられます。

一方、衆議院での審議で、施行から3年後に表現の自由を不当に制約していないかなどを検証し、必要な措置を講じることなどを付則に盛り込む修正が行われました。

改正刑法の背景には、SNS上のひぼう中傷をめぐって被害者がみずから命を絶つ事件が起きるなど、問題が深刻化している現状があります。こうした被害者や加害者を生まないために、群馬県では条例を設けて対策に乗り出しています。

群馬県 SNSの注意点を学ぶ教材制作

群馬県はおととし、全国で初めてネット上のひぼう中傷に関する条例を定めました。表現の自由に配慮しつつ、インターネットリテラシーの向上や被害者の相談体制の整備などに取り組むとしています。

条例には学校教育との連携も盛り込まれ、県教育委員会は、SNSを使う際の注意点などを、ゲームを通して学べる独自の教材を制作し、5月から県内の学校に配布しています。

ゲームでリスクを体感 グループトークでは

ゲームの舞台となるのは学校です。プレーヤーは友だちとやりとりをしたり、通信アプリを使ったりする場面でどう対応するか選択を迫られます。その選択によってストーリーの展開が左右される構成になっています。

この中には、友人のひとりがグループトークで返信をしなかったという場面も設定されています。選択によっては人間関係が悪化してしまうリスクを体感できるようになっています。

「炎上」も再現 ひぼう中傷や実名特定

さらにインターネット上に多くの書き込みが殺到する「炎上」も再現しています。実名で呼び合っている場面がある友だちと撮影したダンスの動画を投稿するかどうか選択を求められます。

投稿するを選択したところ、動画は注目を集めますが、過去の動画も注目された結果、SNSには廃線となった線路に立ち入ったことをとがめたり、ひぼう中傷したりする書き込みが相次ぎ、学校や生徒の実名も特定されてしまいました。

県教育委員会 井熊一穂指導主事
「インターネットにはたくさんの人に情報発信できる良い面もあれば、危険なこともあるということをこのゲームでわかってもらえたらと思います。正しい知識とともに、相手のことを考える想像力や判断力、発信には責任が伴うことを学んでほしい。『罰則があるからルールを守る』のではなく、よりよい人間関係を築くためのスキルや、モラルを身につけてもらいたいです」

SNSでのひぼう中傷に関する専門相談窓口も

また群馬県では、条例に基づきインターネットやSNSでのひぼう中傷に関する専門の相談窓口も設置しています。おととしの開設から5月末までに617件の相談が寄せられ、内容に応じて弁護士や、心理的ケアを行う臨床心理士につなぐなどして解決をはかるということです。
対応にあたる被害者支援センターの高橋添事務局長は「ネット上で拡散された情報は消すのが難しく、被害者の苦しみは長く続きます。厳罰化が抑止力となりひぼう中傷が少なくなれば良いと思います」と話しています。

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