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外国人観光客 受け入れ再開で観光地は 感染拡大防止ための注意点

  • 2022年6月13日

新型コロナウイルスの影響で停止していた外国人観光客の受け入れが再開されました。ツアー客が本格的に訪れるのは今後となりますが、首都圏各地でも期待が高まっています。一方で海外からの受け入れについて専門家はどうみているのでしょうか。変異ウイルスの問題のほか、国内の感染防止策への協力依頼など、注意点を聞きました。

減少傾向の新規感染者数 1都3県の状況は

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。全国では、大型連休が空けた5月12日までの1週間では前の週に比べて1.41倍と増加しましたが、その後は4週連続で前の週を下回り、緩やかな減少傾向となっています。

首都圏の1都3県をみますと、東京都は、5月26日までの1週間は前の週の0.89倍、9日まででは0.78倍と減少しています。
神奈川県は、26日までの1週間は前の週の0.91倍、9日までは0.72倍となっています。
埼玉県は、26日までの1週間は前の週の0.80倍、9日までは0.70倍となっています。
千葉県は、26日までの1週間は前の週の0.90倍、9日までは0.70倍となっています。

専門家 “減少傾向を引き継いでいる”

東邦大学 舘田一博教授
ゴールデンウィークが終わって1カ月、爆発的な感染者数の増加は見られず、減少傾向をしっかりと続いている状況だと思います。追加のワクチン接種率が60%を超えたこと、一人ひとりの基本的な感染対策が維持できていることなどで、少しずつ落ち着く方向に向かう状況が見えてきました。
全国で1日あたり1万6000人を超える感染者数が出ていることも考えると、市中にはウイルスが潜んでいます。減少傾向をもうしばらく続けていくことが大事です。

外国人旅行者受け入れ 高まる期待

感染者数が減少傾向となる中で、外国人観光客の受け入れが10日再開されました。日本を訪れた外国人旅行者は2019年には3188万人と過去最高を記録しました。しかしインバウンドブームは2020年に一転します。4月に外国人の観光目的での訪日が全面的に禁止され旅行者は激減し、翌年の2021年も25万人と大きく落ち込みました。
受け入れ再開でツアー客が本格的に訪れるのは今後となりますが、首都圏の観光地などでも期待が高まっています。

 

待ちに待ったといいますか、外国の方にもたくさんいらしていただきたい。
(茨城・笠間市 グランピング施設)

 

観光協会では10年ぶりにこちらの英語版のパンフレットを作成しました。
(埼玉・長瀞町 観光協会)

 

2年半は長かった。お客さんが帰ってきたらサービスや対応でお返ししたい。
(東京・江東区 屋形船運営)

 

外国の方が何不自由なくラグジュアリーな時間を感じられるよう準備していきたい。
(横浜市 ホテル)

受け入れのリスクや課題 専門家は

一部の外国人観光客の受け入れが再開されたことについて、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「感染力の強い株が持ち込まれるリスクもあり、マスクの着用など国内のルールをどうやって多くの人に守ってもらうかが課題だ」と指摘しました。

〇受け入れのリスク
「BA.1」から「BA.2」に置き換わって、「BA.4」「BA.5」「BA.2.12.1」のような感染力が高そうな変異株が外国でもいくつか広がっています。感染力の強い変異株が国内に持ち込まれるリスクも考えておいた方が良いと思います。経済を再生するきっかけとしては重要ですが、感染が世界的にも落ち着いていない中で、どこまでルールを緩和して受け入れても大丈夫かは不安です。

〇課題は国内ルール
海外と日本ではコロナの受け止め方が違って感染対策が緩い国もあります。ある程度、感染が広がっていてももうマスクもしない、それなりにリスクがあったとしても、厳しいことをやらず、普通の生活に戻っている人たちも多くいるわけです。日本国内のルールを守ってもらうことを前提で、日本に入ってもらうことになりますが、皆さんにルールを守ってもらえるかどうか。対策は、店や宿泊施設が命令するわけではなく、あくまでお願いベースです。抵抗感を示す人もいるだろうし、トラブルが起こるかもしれない。どう接するべきか、私たちも考えておくことが必要です。

〇今後の見通し
これから人が行き来して、それにともない感染がどうなっていくか、正直なところ読めません。受け入れを再開して時間が経過しても大きな問題が起こらなければ、外国の人が入っても感染拡大につながらないと証明できますが、無理ならば、厳しくしようというところまで戻ってしまう可能性もあります。その意味では、これから2、3か月の間、感染者数が増えずに現状を維持できれば、それはとてもいいことだろうと思います。

ツアー客の訪日 早くても1か月程度かかる見込み

外国人観光客の受け入れは、1日あたりの入国者数の上限2万人の範囲内で、入国の対象は感染のリスクが最も低いとされるアメリカや韓国、中国など98の国と地域です。感染拡大を防ぐため当面は、添乗員付きのツアー客に限定することにしています。
大手旅行会社によりますと、ツアーの参加者の募集やビザの発給手続きに時間がかかるため、実際にツアー客が日本を訪れるには早くても1か月程度かかる見込みだということです。

外国人観光客の受け入れ再開は地域経済の回復につながることも期待されますが、訪日外国人が年間3000万人を超えていたコロナ前の水準には到底及ばず、今後、感染対策を徹底しながら制限を緩和していけるかどうかが課題となります。

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