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なぜ減少傾向コロナ感染者 その理由は?世界では検査数減の指摘も

  • 2022年6月2日

新型コロナウイルスの感染者数は世界中で減少傾向が見られていて、日本国内についても厚生労働省の専門家会合は1日、去年夏のピークよりも感染者数が多い状況が続いているものの、全国の感染者数は減少傾向が続いているとしました。なぜ減少傾向となっているのか。その要因について、専門家やWHO=世界保健機関の見方などをまとめました。

新規感染者 山梨県を除き全国で減少

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、5月31日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.73倍と減少傾向が続いています。

〇関東地方
埼玉県 0.81倍 
東京都・神奈川県・千葉県 0.76倍
茨城県・群馬県 0.69倍
栃木県 0.54倍

46都道府県で減少していて、前の週より新規感染者数が多くなったのは、1.13倍だった山梨県のみとなっています。

減少要因  “ワクチン接種や感染で免疫獲得が大きい”

厚生労働省の専門家会合は1日、現在の感染状況について、全国の感染者数は減少傾向が続いている一方、いまだに去年夏のピークよりも感染者数が多い状況が続いているとしました。
ただ、学校や高齢者福祉施設で感染する割合も高止まりになっているとして引き続き基本的な感染対策などを徹底するよう呼びかけました。

専門家会合のあとに開かれた記者会見で脇田隆字座長は、現在の感染状況について、次のように述べました。

〇減少要因は
今、感染者数が減少している要因は、ワクチンの接種や感染したことによる免疫の獲得などが大きいと思う。ただ、ワクチンは3回目接種から時間がたつと発症予防効果は下がる。4回目の接種は、高齢者を中心に重症化の予防が主な目的なので、流行を防ぐ効果は限定的だと考えられる。

〇今後の見通しは
例年、6月は人流がそれほど多い月ではないので、しばらく減少傾向が続くと予測しているが、梅雨明け以降、ワクチンの効果が下がり、夏休みで人流が増えると感染者数が再上昇する可能性があるという議論があった。

〇水際対策緩和への対応
陽性者がすり抜けることは増えるとみられるが、現在、全国で2万人いる感染者数の規模に影響するのかモニタリングする必要がある。また、新たな変異ウイルスが海外から流入していないかどうか、ゲノム解析を行って調査していく必要がある。

世界でも減少傾向 “免疫獲得や季節的要因”

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、オミクロン株以前では最も多かった去年4月や去年8月頃でも世界全体での1日あたりの感染者数は70万人から90万人ほどでしたが、ことし1月中旬には400万人を超えました。

しかし、その後、感染者数はおおむね減少傾向が続き、5月以降は多い日でも70万人台で、少ない日にはおよそ27万人とピーク時の15分の1ほどにとどまることもあります。

減少の要因として東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、先進国を中心にワクチンの接種率が上がったことや、人口の多くが感染し免疫を持つ人が多くなっていること、それに季節的な要因があるなどとしています。

〇減少要因(東京医科大 濱田篤郎特任教授)
・先進国中心にワクチン接種率の上昇
・感染拡大で免疫を持つ人の増加
・季節的要因など

各国のワクチン接種率の状況は

イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「Our World in Data」によりますと、ワクチンの追加接種を受けた人の割合は5月31日の時点で、ドイツで65.1%、イギリスで58.2%、フランスで56.9%、EU全体で52.7%などと高くなっています。

低所得国では1回でもワクチンを受けた人が20%に満たないほか、アメリカでも追加接種を受けた人の割合は31.1%にとどまっていますが、CDC=疾病対策センターはことし4月、全米の血液検査で検出された新型コロナの抗体の分析から、これまでに人口の60%近くが感染したと推定されると報告しています。

WHO “検査数減で報告の感染者数減 慎重にみるべき”

WHO=世界保健機関は5月22日に出した週報で感染者数の減少傾向はみられるとしながら「検査の戦略を変更した国もあり、検査数が減って報告される感染者数も減少しているため、慎重にみるべきだ」と指摘しました。

東京医科大 濱田篤郎特任教授
「ワクチンや感染による免疫の効果、季節的な要因などで現在、世界的に感染者数が減っているというのは傾向としては言える。
ただ、各国で検査戦略が見直されるなか、もはや感染者の絶対数を把握しようとしていない国もある。
国別で感染者数を比較することの意味は無くなりつつあり、各国の感染者数は増加や減少などのトレンドを国ごとに把握するという意味で見るべきだ」

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