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小田急は下北沢 線路街 不動産・運賃値上げ収益確保急ぐ鉄道各社

  • 2022年5月31日

シモキタの愛称で知られる東京・下北沢で、地下に移設した線路跡地の開発が完了し、ミニシアターや広場などが立ち並ぶエリアが誕生しました。幅広い年齢層の人たちに電車で訪れてもらい収益を上げる戦略です。
運輸事業の業績が悪化する中、鉄道各社は、収益の確保に向けた取り組みを急いでいます。不動産業や運賃の値上げなど各社の動きをまとめました。

シモキタ 地下に移設した線路跡地を開発

東京・世田谷区の下北沢では、地下に移設した線路跡地に、個人商店を集めた商業施設やミニシアター、それに温泉旅館など、13の施設が立ち並ぶエリアができました。

 

駅のまわりがきれいになり、子どもと通いやすいですね。

 

ちょっとした街並みでも、歩いていて楽しい。

私鉄大手の小田急電鉄は、線路を地下に移した東北沢駅から世田谷代田駅にまたがるおよそ1.7キロの区間で開発事業を進めてきました。

幅広い年齢層が電車で訪れる街で収益を

線路の跡地をめぐっては、2013年に線路が地下に移ったあと、なかなか開発計画が決まりませんでしたが、住民のニーズを聞き取る説明会などを重ねながら、まちづくりが進められ、このほど開発事業が完了しました。
幅広い年齢層の人たちに電車で訪れてもらい、収益を上げる戦略です。

鉄道各社 収益確保の取り組み

運輸事業の業績が悪化する中、鉄道各社は、収益の確保に向けた取り組みを急いでいます。
私鉄大手では、東急や京王電鉄などが沿線でのマンション販売に力を入れています。また、京王電鉄は下北沢の高架の線路下のスペースで飲食店や書店などが集まる施設をことし3月にオープンしています。

JR東日本は、所有している不動産を売却し、調達した資金を再開発プロジェクトなどの成長分野に投資する計画です。

NHKのまとめによりますと、東京証券取引所に上場する全国25の鉄道会社の2021年度の決算は、鉄道を中心とする「運輸事業」が9割近くにあたる22社で赤字だったことが分かりました。
その一方で、25社の昨年度の最終損益は、19社が黒字を確保していて、運輸事業の業績悪化を不動産などの別の事業の収益で補っていることがうかがえます。

運賃を値上げする動き

また運賃を値上げする動きも出ています。東急電鉄が、2023年3月から、普通運賃を平均13%程度値上げします。さらに、京王電鉄は早ければ2023年度の後半に、京浜急行電鉄は2023年度中に、それぞれ運賃を値上げする方向で検討しています。

運賃の値上げの理由は、収入の減少だけではありません。鉄道各社は、安全面への継続的な投資に加えて、災害が相次ぐ中での防災対策、それに利用客の転落防止のために駅のホームに設置するドアなどのバリアフリー対策も進めていて、必要な資金を確保したい狙いもあるとみられます。

“鉄道の強みをほかに波及させることが大事”

鉄道各社の経営動向に詳しい野村証券の広兼賢治アナリストはコロナ禍で人々の行動が変化したことで、鉄道の利用客数が感染拡大前の水準に戻るのは難しいと予想しています。その上で、収益力の回復に向けて次のように話しています。

野村証券 広兼賢治アナリスト
「鉄道の強みをほかに波及させていくことが一番大事だ。利用客が『ここに行きたい』という街を提供したり、作っていったりすることができれば、鉄道をより使ってもらえるようになる。こういう魅力があるからぜひ電車を利用してくださいという発信やコンテンツ作りをする必要がある」

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