1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. ノババックス社のコロナワクチン接種開始 特徴や副反応 効果は

ノババックス社のコロナワクチン接種開始 特徴や副反応 効果は

  • 2022年6月2日

国内で4種類目の新型コロナウイルスのワクチンで、ファイザーやモデルナとは仕組みが異なるアメリカの製薬会社ノババックスが開発したワクチンの接種が始まり、東京都では大規模接種会場で開始しています。これまでアレルギー反応が出た人も接種できると想定しているなど、これまでのワクチンとの違い、効果や副反応などについてまとめました。
(6月2日更新)

国内で4種類目 ノババックスのワクチン

アメリカの製薬会社ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は4月、18歳以上を対象に使用することを正式に承認しました。

接種の期間は、1回目から3週間空けて2回目を接種、さらに6か月以上たてば3回目の接種をできるようにする予定だということです。

承認は、国内では4種類目で、国内生産のワクチンとしては、アストラゼネカに続いて2種類目となります。国内では武田薬品工業が山口県の工場で製造し、流通を担うということです。

ノババックスのワクチン 接種始まる

ノババックスが開発したワクチンは5月25日に公的な予防接種に追加され、東京・文京区の順天堂大学医学部付属順天堂医院では27日、副反応や有効性を分析するための調査の一環として接種が始まりました。

この医療機関では今後500人に接種を行い、体温や接種部位の変化などを4週間記録してもらって分析することにしています。

東京都は大規模接種会場で開始

ノババックスのワクチンの接種は各地の自治体でも始まっていて、このうち東京都は、2か所の大規模接種会場での接種を5月30日から開始しています。都庁の展望室に設けられた会場には、事前に予約した人が訪れ、接種を受けていました。

都によりますと、都庁の会場では、1回目と2回目の接種向けに1日40人分の予約枠を設けていて、5日の日曜日まではすべて埋まっている一方で、3回目向けの予約枠は160人分のうち半分程度に空きがあるということです。
(5月30日時点)

自治体には、7月末にかけては500万回分が配送される予定です。

これまでのワクチンとの違い

ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンは、「組換えたんぱくワクチン」という種類です。人工的に作ったスパイクたんぱく質そのものを投与することで、免疫の反応を引き起こします。
この技術を使ったワクチンはすでに「帯状ほう疹」や「B型肝炎」などのワクチンで実用化されていて、広く接種が行われています。

一方、これまで日本国内で使われているファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」と、アストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」では、遺伝情報を伝達する物質や遺伝子を投与して体内で新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質ができるようにして抗体を作るようにしていました。

アレルギー反応でた人などの接種を想定

厚生労働省はこれまでのワクチンの成分にアレルギー反応が出た人などが接種することを想定していて、希望する人が接種できるよう都道府県に対して接種会場を少なくとも1か所は設置するよう求めることにしています。

保管や輸送を行う際の温度は2度から8度で有効期間は9か月間です。通常の冷蔵庫で対応できるため、医療機関や自治体の接種会場での保管がしやすいとしています。

発症予防や重症化など防ぐ効果 臨床試験の結果

2021年12月15日にノババックスやアメリカの大学などのグループが医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表したデータです。

それによりますと。アメリカとメキシコで2020年12月から2021年2月までに18歳以上のおよそ3万人を対象に行われた臨床試験で、3週間あけて2回接種を受けたあとでは、発症を予防する効果が90.4%、中等症や重症を防ぐ効果は100%だったということです。

当時は、変異ウイルスのアルファ株やベータ株などが多くみられましたが、こうした変異ウイルスに対する発症予防効果は92.6%だったとしています。

副反応 “ほかのワクチンの報告よりも低頻度”

副反応について、痛みなど接種した部位になんらかの症状が出た人は、1回目の接種後に58.0%、2回目の接種後には78.9%、接種した部位以外に何らかの症状が出た人は1回目の接種後に47.7%、2回目の接種後に69.5%となっています。

けん怠感
1回目接種後 25.6%
2回目接種後 49.5%

頭痛
1回目接種後 24.9%
2回目接種後 44.5%

筋肉痛
1回目接種後 22.7%
2回目接種後 48.1%

発熱
1回目接種後 0.4%
2回目接種後 5.7%

いずれも1日から2日程度でおさまることが多く、ほかの新型コロナのワクチンで報告される副反応よりも頻度は低く、心筋炎や血栓症の増加は確認されなかったとしています。

専門家 “選択肢が増えるのは意義があること”

ノババックスが開発したワクチンについて北里大学の中山哲夫特任教授に聞きました。

北里大学 中山哲夫特任教授
〇ワクチンの副反応は
「新型コロナウイルスの流行前から使われていたワクチンと同じ方法で作られているので、安心感があると思う。このタイプのワクチンは、免疫反応を強めるため『アジュバント』という物質を加えているが、ノババックスのワクチンで使われている『アジュバント』は、帯状ほう疹のワクチンで使われているものと近く、どのような副反応が出るのかある程度、予測がつく。発熱など全身の副反応はmRNAワクチンよりは若干軽いと思ってよいのではないか」

〇ワクチン接種進む効果も
「mRNAワクチン以外にも選択肢が増えるのは意義があることだ。mRNAワクチンは発熱などの副反応の問題もあり接種をためらう人がいて、3回目の追加接種が進まない原因にもなっている。このワクチンはそれよりも少し副反応の程度が少ないと思われるので、3回目の接種が早く進む効果もあるのではないか。
ただ多くの人が接種しないと実際の効果や副反応は分からず、接種後の副反応の調査は慎重に行うべきだ」

ページトップに戻る