プラスチックごみの削減を目指す動きがさまざまな分野で広がっています。
こうした中、オフィスで排出されるペットボトルや紙コップのごみを減らそうと、異業種5社が連携して職場でのマイボトルの利用を促す実験を始めました。
実験は、オフィスビルを運営する不動産会社や電機メーカー、それに飲料メーカーなど業種が異なる5社が参加して18日から始めました。
会場となる不動産会社本社の7階のフロアでは、中心にコーヒーマシンを設置し、このフロアで働くおよそ300人の従業員にステンレス製のボトルを配ります。
マイボトルの普及の課題とされている、洗う手間を減らそうと、電機メーカーが提供したマイボトル専用の洗浄機も設置しています。
実験が始まると、従業員たちはさっそくマシンに自分のボトルを置いて、好みの飲み物を入れていました。
不動産会社によりますと、このフロアでは、ごみとなるペットボトルは推計で年間およそ1万8000本、紙コップは年間およそ3万8000個にのぼるということです。
およそ1か月間の実験でどの程度、マイボトルが使われ、ごみの削減につながるかを検証することにしています。
東京建物 阿部里紗子主任
「まずは社員の環境に対する意識がどう変わるか注目し、今後は自社のオフィスビルに入居している企業にも提案することで、ごみの削減につなげたい」
脱プラスチックのニーズが高まるなか、家電量販店ではマイボトル用の商品の取り扱いを増やしています。
このうち都内にある大手家電量販店の店舗では、マイボトル用として使えるステンレス製ボトルの売り場を広げています。取り扱っている商品はおよそ100点で、去年と比べて3割ほど増やしているということです。
さらに、ことしに入ってからは、複数のメーカーから、炭酸飲料を持ち運ぶことができるボトルが発売されるなど、最近は商品の幅も広がっているということです。
また、ボトル以外にも、これまでペットボトルで買うことが多かった炭酸水を自宅で作ることができる機器も売れていて、売り上げは2年前に比べて6割増えているということです。
ビックカメラ池袋本店 地引颯さん
「脱プラスチックや節約を理由にマイボトルを持ち歩く人が増えている。いろいろなメーカーから特色のある商品が出ており、これから夏に向けて品ぞろえを充実させたい」
3月、「スターバックス コーヒー ジャパン」は4月18日から東京や福岡などの100店舗あまりで、店内で飲む冷たい飲み物については、プラスチック製のふたをつけずに提供すると発表しました。
この会社では、おととしから冷たい飲み物のカップをプラスチック製から紙製に変えていましたが、ふたはプラスチック製のままでした。
ことしの夏以降は、全国の店舗でもふたをなくす予定です。
普川玲チームマネージャー
「お客さまとコミュニケーションを取りながら、さらなる削減に向けて理解を深めていきたい」
コーヒーチェーンの間では、「エクセルシオール カフェ」が、冷たい飲み物の持ち帰りのカップをプラスチック製から紙製に順次変えたほか、「タリーズコーヒー」も同様の取り組みを行う予定で、脱プラスチックの動きが加速しています。