1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 使い捨てプラ12品目で削減義務化 柄くりぬく軽量化 包装の薄型化も

使い捨てプラ12品目で削減義務化 柄くりぬく軽量化 包装の薄型化も

  • 2022年3月30日

「プラスチック資源循環法」で、使い捨てのスプーン、歯ブラシ、ハンガーなどプラスチック製品12品目を大量に使う、外食、ホテル、クリーニング業界などに削減の取り組みが義務づけられます。削減をめぐっては、柄をくりぬいたり、まとめて包装したりするなど、さまざまな対応が広がっていて、身近なところで変化を感じられるかもしれません。法律の内容や取り組みについてまとめました。

削減を求められる12品目とは

4月1日からスタートする「プラスチック資源循環法」で、削減の対象となるのは、無料で提供される使い捨てのプラスチック製品12品目です。

〇削減対象の12品目
スプーン・ストロー・フォーク・
ナイフ・マドラー・
歯ブラシ・かみそり・ヘアブラシ・
くし・シャワー用キャップ・
ハンガー・衣類用カバー

対象の品目には、コンビニなどで渡されるスプーンやストロー、ホテルや旅館で用意される歯ブラシやかみそり、クリーニング店で使われるハンガーなどが含まれています。

こうした品目を年間5トン以上、提供している小売店や宿泊施設、飲食店などには削減に向けた取り組みが義務化されます。取り組みが不十分な場合は、勧告や社名の公表などの措置が行われます。

企業などは、プラスチック製品の提供廃止のほか、代替素材の使用、それに軽量化や薄型化などで使用量を削減する取り組みを進めています。それぞれの対応について、業種別にみてみます。

【ホテル】有料化や必要分のみ提供などで削減

〇提供は「バイキング形式」
東京・品川区の第一ホテル東京シーフォートではフロントの近くにアメニティーを並べたコーナーを設け、宿泊客が必要な分だけ持って行く「バイキング形式」に切り替えます。
並べるアメニティーも古米やサトウキビなどの代替素材を配合したり、柄の部分をくりぬいて軽量化したりします。

運営会社 鳥井由佳さん
「アメニティーは中身が使われていなくても袋が開いていたり汚れていたりすると捨てないといけないので、必要な分だけ取る方式によって削減につながると期待している。環境問題への取り組みがホテル選びの1つの基準になるとも思うので中長期的な視点で取り組んでいきたい」

〇無料提供は見直し
大津市の琵琶湖ホテルは無料での提供を見直し、アメニティーを客室に置くことをやめます。あらかじめ宿泊客に歯ブラシなどを持参するよう、電話やメールで伝え、それでも希望する場合は木や竹でできた歯ブラシなどを100円から200円で販売します。

前田義和総支配人
「使い慣れた歯ブラシなどを持参してもらう新たなスタイルを提唱したい。お客様に周知しきれるかが、課題だと思っている」

【クリーニング】集合包装や薄型化で対応

クリーニング業界では、ハンガーはすでにリサイクルが進んでおり、課題となるのは、衣類カバーです。国の指針で洗濯物はカバーをかけるなど衛生的な扱いが求められているため、簡単にはなくせません。

〇包装はまとめて
名古屋市中区のクリーニング店ではこれまで1着ずつ包装していた衣類カバーを最大5着までまとめて包装する取り組みを始めました。「集合包装」と呼ばれ、1枚ごとの包装と比べてプラスチックの量を3分の1から5分の1程度にまで減らせるということです。

クリーニング店を運営する「清心社」小橋一慶社長
「衣類カバーは家に着いたらごみとなるので、1枚ずつの包装はもったいないと思っていた。集合包装が多くの企業で導入されればいいが、コストの増加は大きな痛手となるので、ためらうところも多いと思う」

〇より薄いカバーで
東京・大田区のクリーニング店ではより薄いカバーを使うことにしました。厚さ14マイクロメートルのカバーを厚さ10マイクロメートルのカバーに変えプラスチックの使用量は28%程度減るということです。

クリーナーズ洗屋 小宮山圭造社長
「コロナ禍で在宅勤務が増え、ワイシャツやスーツなどの取り扱いが減るなど、大きな影響を受けている中なので、コストの負担が増えないようにできるところから取り組んでいきたい」

【外食】代替素材や薄型化でプラスチック削減

〇植物由来の代替素材を活用
長崎ちゃんぽんの専門店などを展開する「リンガーハット」は、持ち帰り用のスプーンについて、植物由来の素材を25%混ぜたものに切り替えます。新たな対策を通じ、さらに年間1トン以上のプラスチックを削減できると見込んでいます。

〇形状を見直しでより薄く
宅配のすしチェーン「銀のさら」の運営会社は、プラスチック製のすしおけの形状を見直しました。厚さを従来よりも0.05ミリ薄くし、強度を維持した量の削減につなげたとしています。すしおけは12品目には含まれませんが、法律施行にあわせた削減の動きです。

【コンビニ】減量・代替素材・提供取りやめも

大手コンビニでも対応を進めています。
ローソンは、持ち手に穴をあけ、長さを短くしたスプーンとフォークや、木製スプーンを導入します。

また、セブン‐イレブン・ジャパンは植物由来の素材を30%混ぜたスプーンやフォークを導入するとしています。

さらに、ファミリーマートは、使い捨てのフォークと、先割れスプーンの提供を取りやめるということです。代わりに竹製の割り箸などを提供するということで、都内の一部で試験的に始め、反応や売り上げへの影響などを分析したうえで、全国に拡大するとしています。


プラスチックごみは世界で年間におよそ800万トンが海に流れ出しているとされ、深刻な環境汚染を引き起こしています。
企業などでは、ごみとなるプラスチックを減らす取り組みが進められていますが、コストの問題に加え、利用者の受け止め方を懸念する声もあがっています。企業などの取り組みと同時に、消費者に理解が広がるかも注目されます。

ページトップに戻る