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千葉 八街 通学路事故で懲役14年の判決「運転に臨む態度最悪」

裁判の記録6
  • 2022年3月26日

「運転に臨む態度は最悪で強い非難に値する」
「被害者や家族の生活は一変し悲しみや苦しみは癒えることがない」

千葉県八街市で下校中の児童5人が飲酒運転のトラックにはねられて死傷した事故の裁判で、千葉地方裁判所は危険運転致死傷の罪に問われた元トラック運転手の梅澤洋被告(61)に対し、懲役14年の判決を言い渡しました。

25日の裁判

千葉地裁で去年10月から続いている裁判の判決が言い渡されました。
被告は黒っぽいスーツ姿で証言台に座りました。

被告は去年6月、酒を飲んでトラックを運転し、八街市内で居眠りをして下校中の小学生の列に突っ込み、小学3年の谷井勇斗さん(8)と小学2年の川染凱仁さん(7)を死亡、3人に大けがをさせたとして危険運転致死傷の罪に問われました。

「運転の危険性は非常に高い」

千葉地方裁判所の金子大作裁判長は判決の理由を次のように述べました。

「運転していたのは重量6.4トンの大型トラックで、歩行者などにぶつかれば大きな被害が生じる危険性が高い。
事故のあと1時間39分を経過した時点で呼気1リットルあたり0.15ミリグラムを超えるアルコールが検出され、事故の時にはそれよりも高い濃度のアルコールを体に保有していたと推定される。
また、現場の少し手前から居眠りをしてハンドルを操作できないようになり、道路の左端に寄りながら時速およそ56キロで走行して道路脇の電柱にぶつかり、歩いていた児童を次々とはねた。
被告の運転行為の危険性は非常に高いものだった」

「両親の厳しい処罰感情は当然」

「児童は道路の右端を1列になって歩いていたところに突然、大きなトラックが迫ってきて、逃げることもできなかった。児童の恐怖は計り知れず、肉体的、精神的苦痛は大きい。2人は命が奪われ、3人は重傷を負い、このうち1人は頭に重篤なけがをして先の見えない治療を続けていて、結果は非常に重大である。
そして、児童や家族の生活は一変し、悲しみや苦しみは癒えることはない。
児童の両親は厳しい処罰感情を述べているがそれは当然だ」

「運転に臨む態度は最悪」

「大型トラックの職業運転手として安全運転を心がけるべき立場でありながら、飲酒運転ではないにせよ過去に複数の交通違反をし、より慎重な運転を心がけることが求められていた。それにも関わらず、仕事上にストレスから勤務中に飲酒をして、配送先から勤務先に戻ったり、帰宅する際に飲酒した上で運転するようになった。
また、取引先から酒臭さを指摘されたり、上司から注意を受けたりしたこともあったのに、『自分は事故を起こさないから大丈夫』と安易に考え、飲酒運転を続けていた。
当日も小学校の下校時間に通学路を通ることがわかっていながら、酒を飲んで運転している。飲酒運転の危険性を顧みず運転に臨む態度は最悪で強い非難に値する」

「くむべき事情は小さい」懲役14年の判決

「公判で罪を認め、児童やその家族に対して謝罪のことばを述べ、反省文を作成している。謝罪や反省として不十分と受け取られても致し方ないものに終わっているが、反省の態度はうかがえる。勤務先が加入していた保険による損害賠償が見込まれる事情もある。
しかし、悪質さの程度に照らせば、くむべき事情は小さい」

法定刑の上限となる懲役15年の求刑に対して、懲役14年の判決が言い渡されました。被告はうつむいた様子で聞いていました。

被害者家族「受け入れられない」

判決について、遺族や被害者の家族はコメントを発表しました。

「被告に懲役14年の判決が下されました。私たちは法律の上限の懲役15年を求めていましたがそれでも被告が犯した行為や結果に対して十分な刑ではないと思っていました。
この裁判に参加し、被告の言い分を聞いても被告の刑を軽くするまでの理由など私たちには見当たりませんでした。なぜ、15年を下回る判決になってしまったのか理解できませんし、受け入れることはできません。今は、ただ残念という思いしかありません」

検察「判決内容を検討」

千葉地方検察庁の眞田寿彦次席検事は「判決内容を多角的に検討した上で、適切に対応したい」とコメントしています。

被告代理人「受け止める意向」

被告の代理人の弁護士は「本人はいかなる判決であっても受け止めるという意向で弁護人としても控訴は考えていない」と述べました。

 
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