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ウクライナの障害者に届ける詩 平和への祈り 戦時下でも尊厳を

  • 2022年3月25日

戦争は、障害者を邪魔ものにする 戦争は、障害者を置き去りにする
軍事侵攻を受けるウクライナの障害者ために作られた詩の冒頭です。障害者団体の代表で、自身も全盲の男性は、戦時下では障害者の尊厳がないがしろにされるとして、「とにかく生き延びてほしい」と、平和への祈りを込めた詩を届けています。

言葉を届けたい ウクライナの障害者への詩

戦争は、障害者を邪魔ものにする
戦争は、障害者を置き去りにする
戦争は、優生思想をかきたてる
大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争

「連帯と祈り」と題された詩の書き出しです。「日本障害者協議会」のホームページに掲載されています。詩を作ったのは、NPO法人「日本障害者協議会」の代表で、自身も全盲の藤井克徳さん(72)です。

日本障害者協議会 藤井克徳さん
「ロシア軍が侵攻してきたという報道に接してですね、最初に考えたのは障害者どうしてるのかなということで、過去の戦争で障害者は非常に苦しみにあうこともわかっていたわけで、大きな空襲とかね砲弾も飛んでくるわけですから、障害者の苦しんでいることはもう容易に想像がつく。こういてもたってもいられないって感じになったわけだけれども。できることはですね、言葉をですね、届けたい。ウクライナの障害を持った人になんとか届かないかなと」

とにかく生き延びてほしい

ウクライナの障害者のために、詩に平和への祈りを込めた藤井さんは、「とにかく生き延びてほしい」と呼びかけています。

殺し合いでなく話し合いを
侵攻でなく停戦を
停戦でなく平和を
青い空と黄色の豊作に似合うのは平和

私たちは祈ります
西北西の方角をじっとみつめながら
心の中から希望が切り離されないように
とにかく生き延びてほしい

藤井克徳さん
「とにかく生き延びてほしい。逃げにくいとか、厳しい状況は想像がつくんだけれど、とにかく生き延びてほしい。その一念で作ったことになると思います」

ウクライナ語にも翻訳して公開

詩は、ウクライナ語、ロシア語、英語にも翻訳してホームページに公開し、ウクライナの障害者団体にも伝えられたということです。
ウクライナの団体からは「日本の人たちが私たちとともにいることは非常に重要なことで、心遣いに感謝します」というメッセージが寄せられたということです。

藤井克徳さん
「戦争っていうのは、大量の障害者を作り出す、最大の悪であると言われています。何もいいことないわけですよね。罪のないロシアの障害者もですね。これからきっと、この経済制裁の中で苦労してくんじゃないかなと。
戦時下にあってもね、障害者のことに、みんなが、政治に携わっている人、あるいは、前線で戦っている兵隊にしても、障害者に少し思いをはせれば、戦争って、やむはずなんですね。やめられるはずなんです。
ですから、私はやはり障害がある人のことを考える、考えてもらうこと。そういうことを本当に一瞬でもね。為政者も、軍人もそうあってほしい。そう考えて本当に1日も早い平和を心から願いたいと思います」

連帯と祈り
ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ

 

戦争は、障害者を邪魔ものにする
戦争は、障害者を置き去りにする
戦争は、優生思想をかきたてる
大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争

朝一番のニュースを恐る恐る
キエフの包囲網がまた狭まった
教会も文化財も悲鳴を上げて崩れ落ちる
禁じ手が反古(ほご)にされ原子力発電所から火の手

殺し合いでなく話し合いを
侵攻でなく停戦を
停戦でなく平和を
青い空と黄色の豊作に似合うのは平和

私たちは祈ります
西北西の方角をじっとみつめながら
心の中から希望が切り離されないように
とにかく生き延びてほしい

戦争は、障害をたちどころに重くする
戦争は、障害者の尊厳を軽々と奪い去る
戦争は、障害者の明日を真っ黒に塗りたくる
早いうちに、否、この瞬間に終わらせなければ

もう一度くり返す
とにかく生き延びてほしい
たとえ、食べ物を盗んでも
たとえ、敵兵に救いを乞うてでも

遠い遠い、でも魂はすぐ傍(そば)の日本より

ふじいかつのり(NPO法人日本障害者協議会)

※日本障害者協議会のホームページより

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