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大学生の就職活動本格スタート コロナ後見据え採用増やす動きも

  • 2022年3月1日

来年春に卒業する大学生などの就職活動1日から本格的にスタートし、横浜市では、100社以上の企業が集まった合同説明会が開かれました。経済活動の正常化などを見据えて、企業の間では採用人数を増やす動きが広がっています。

就職活動1日から本格開始

来年春に卒業する大学生などへの企業による説明会は政府が定めたルールに沿って、1日から始まりました。

横浜市内で開かれた就職情報サイトが主催する合同企業説明会にはおよそ150社が集まり、事前に予約をしていた学生1800人あまりが会場を訪れました。

このうち大手牛丼チェーンの運営会社のブースでは、担当者がコロナ禍の厳しい経営環境の中でも、宅配などの新たな事業に乗り出していることを説明し、集まった学生たちが真剣な表情で話を聞いたり担当者に質問したりしていました。

会社では人手不足の解消や今後の業績の回復を見据え、来年春の新卒採用は積極的に行いたいとしています。

「松屋フーズホールディングス」広報担当 青木葉子さん
「外食業界は勤務などの待遇がよくないというイメージを持たれがちだが、それ以上にやりがいを持って働ける環境だということを伝えたい。今後の出店計画もあるので、一緒に働ける仲間を積極的に採用したい」

大学3年の男子学生
「積極的に就職活動に取り組む学生がたくさんいると感じた。新型コロナの影響でオンラインの催しも増えているが、自分に合った会社を見つけたい」

採用増やす動き広がる

就職情報サイトの「マイナビ」が全国の企業を対象に2月に行った調査によりますと、来年春に卒業する大学生の採用人数は、「前年並み」と答えた企業が全体の6割近くとなった一方、「増やす」と答えた企業が、文系はおよそ19%、理系はおよそ23%に上り、いずれも前の年を5ポイント余り上回って、採用を増やす動きが広がっています。

業種別でも、採用を「増やす」と答えた企業の割合は幅広い業種で増加し、このうち、新型コロナで打撃を受けた外食や交通などの「サービス・インフラ」では、文系でおよそ22%と前の年より6ポイント余り増加しました。

また、採用活動に先立って行われるインターンシップの実施率は、コロナ禍でオンライン形式の活用が進んだことなどから、去年6月以降、ほとんどの月で前の年を上回っているということです。

マイナビキャリアリサーチラボ 東郷こずえ主任研究員
「多くの企業がコロナ後の業績の回復を見据えていて、採用意欲は高い」

大手航空会社も3年ぶり採用再開

新型コロナウイルスの影響を受けている航空大手が、3年ぶりに採用を再開しました。

このうち、日本航空は客室乗務員や地上で勤務する総合職など、合わせて270人程度を来年春に採用する計画で、1日東京・江東区で開かれた合同企業説明会に参加しました。

会社では、新型コロナの感染拡大後、パイロットなど一部を除いて採用を見送ってきたため、すべての職種での採用再開は3年ぶりとなります。

会場に設けられたブースでは、就職を希望する学生たちが職種ごとの仕事について説明を受けたあと、先輩社員たちに仕事のやりがいや働きやすさなどを質問していました。

客室乗務員を目指している女子大学生
「新型コロナの影響でことしも採用は無理だと思っていたので、採用の再開はとてもうれしい」

日本航空人事部採用グループ 國友俊輔さん
「オミクロン株など感染拡大の影響は残っているが今後の会社の成長のため採用の再開が必要と判断した」

航空大手では全日空も3年ぶりに地上で勤務する総合職などの採用を再開していて、感染収束後の航空需要の回復を見据えた動きが採用面でも出ています。

オンライン就活 学生は

コロナ禍をきっかけに定着したオンライン形式の採用活動について、これから就職活動に臨む学生からは、場所に縛られずに参加できる一方で、企業側とうまくコミュニケーションが取れないという不安の声も聞かれました。

埼玉県の大学に通う3年生の谷勇征さんは、去年の夏ごろから就職活動をはじめ、対面での会社訪問の中止が相次ぐ中、オンラインのインターンシップに積極的に参加してきました。

自宅や学校から全国の企業の採用活動に参加できる利便性もあり、就職を希望している映画関係のほか、電機メーカーや金融機関など短期間のものも含めると、およそ30社のインターンシップに加わったということです。

幅広い業種の企業の社員から話を聞くことができて、進路選びに役立ったとする一方で、オンラインだと社員やほかの学生などとのコミュニケーションがうまく取れないなどの難しさも感じたといいます。

谷さん
「面接もオンラインだと自分の良さを伝えられないのではと不安も感じているので、そこは対面が良いです。ただ、コロナというのはみんな条件は一緒なので、やるしかないという気持ちが一番です」

インターンもオンラインで

企業の採用意欲に高まりが見られる中、就職活動が本格化しますが、大手企業の間では、コロナ禍で対面での活動に制約がある中、オンラインでのインターンシップを通じて、優秀な学生を集めようという動きが活発になっています。

大手ビールメーカーの「サッポロビール」は、来年春に卒業する学生向けのインターンシップを去年12月からオンライン形式で開催し、全国からおよそ40人の学生が参加しました。

学生たちは会社の事業について学ぶだけでなく、みずから市場を分析して、ビールや発泡酒などの新商品の提案も行って、実際に現場の最前線で商品開発を担う社員から、提案の実現可能性や商品化への課題など、具体的なアドバイスを受けていました。
 

この会社では、来年春に卒業する学生の採用人数について、この春とほぼ同じ40人程度を計画していますが、企業の採用意欲の高まりで人材の獲得競争が激しくなるとみて、インターンシップを重視したということです。

新型コロナの感染拡大後、インターンシップはオンラインが中心となりましたが、回数を重ねる中で、対面のように実践的な内容も盛り込めるようになり、学生の志望動機を高め、企業側も学生の人となりを知る機会につながっているとしています。

サッポロビール人事部 傳田法子さん
「学生はインターンシップに参加した企業の中から就職先を絞る傾向にあるので、企業としても強化する必要があると考えている。自分自身で目標を決めて挑戦できる人材を獲得したい」

就職情報サイトの「マイナビ」が全国の企業を対象に2月行った調査では、回答した企業の55%がインターンシップを実施し、このうちオンラインを取り入れていると回答した割合は、上場企業で89.4%、非上場企業でも67.8%に上り、前の年よりいずれも増えていて、企業の間で取り組みが広がっています。

就活開始 専門家「コロナ後見据え採用」

来年春に卒業を予定する大学生などを対象にした企業の採用活動について、合同企業説明会を主催した「マイナビ」の高橋誠人編集長は、次のように話しています。

「マイナビ」 高橋誠人編集長
「いわゆる就活サイトへの企業の掲載社数は、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に近づいている。これまで採用を控えていたサービス業を中心とする非製造業を含め、企業の新卒採用への意欲は強いと感じている。ことしはオンラインも活用しながら、コロナ後を見据えた積極的な採用活動を行う企業が増えるのではないか」

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