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オミクロン株「BA.2」が市中でも 「BA.1」と比べ症状や感染状況は

  • 2022年2月24日

オミクロン株の一種で、感染力がさらに高いとされる「BA.2」と呼ばれるウイルスは、国内でも、検疫だけでなく市中で報告され始めていますが、その症状を引き起こす力は、どう考えられているのでしょうか。国内の感染状況や、「BA.2」について東京大学などのグループが行った培養細胞などを使った実験など、現時点の情報をまとめました。

「BA.2」感染の報告 東京や神奈川でも

世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」は、ウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが、オミクロン株の一種「BA.2」と呼ばれるウイルスでは、この欠けている部分がないことが分かっています。
「BA.2」は、感染力がさらに高いと指摘されていて、国内でも、検疫だけでなく市中で報告され始めています。

このうち、東京都は17日、都の研究機関などでゲノム解析を行った結果、これまでに都内で7人がこのウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
このうち、1月確認された2人は海外への渡航歴がなく、渡航歴がある人との接触も見つかっていないため、都は、都内で初めて「BA.2」の市中感染が起きたとみられるとしています。

また、神奈川県は22日、「BA.2」に感染した事例が県内で初めて確認されたと発表しました。感染が確認された3人は同居している家族で、いずれも軽症または無症状だということです。

「BA.2」感染研に94件の報告

国立感染症研究所などが行っている新型コロナウイルスの遺伝子解析による調査によりますと2月16日時点の発表でオミクロン株の「BA.2」のウイルスは年末から1月30日までに全国であわせて94件、報告されているということです。
一方、現在、流行の主流になっている「BA.1」のウイルスは同じ期間に1万6000件あまりが検出されていて、オミクロン株全体に占める「BA.2」の割合はおよそ0.6%だということです。

ただ、遺伝子解析の報告に時間がかかることがあるため、暫定的な結果だとしていて、割合についても地域ごとに異なる可能性があるとしています。国立感染症研究所では、引き続き遺伝子の調査を通じて「BA.2」の動向を監視していくということです。

東京医科大学 濱田篤郎特任教授
「調査結果をみる限りは、今の時点では『BA.1』が主流で、国内で『BA.2』が広がっている状況ではないと考えられます。
海外からは『BA.2』によって、重症者が増えたり、ワクチンが『BA.1』よりも効かなくなったりしたという報告はなく、予防対策は変わらないと思います。
ただ、『BA.2』が広がる国とそうなっていない国に分かれています。どうして違うのか、詳しい理由は今の段階ではわかっていません。国内でも広がると流行が長引くなどの可能性が否定できないため、今後、十分に監視を強めていく必要があります」

“さらに研究必要だが 強い症状を引き起こす可能性”

「BA.2」と呼ばれるウイルスについて東京大学などのグループが培養細胞などを使って実験したところ、現在、主流となっている「BA.1」に比べて症状を引き起こす力が強くなっている可能性があることが分かりました。
東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授らのグループは、第三者のチェックを受ける前の「査読前論文」としてインターネット上で公表しました。

グループでは、「BA.2」のスパイクたんぱく質の特徴を再現したウイルスを人工的に作製し、培養細胞に感染させて反応を調べました。

その結果、「BA.2」を再現したウイルスでは、感染した際に周辺にある細胞を壊す力が、デルタ株よりは弱いものの「BA.1」と比べて1.5倍に高まっていたということです。
さらにハムスターに感染させる実験では、「BA.1」では肺からはウイルスが検出されず、体重は減りませんでしたが、「BA.2」を再現したウイルスでは肺からもウイルスが確認され、体重が減少する傾向がみられました。

グループでは、人工的に作製したウイルスでの実験のため、実際の症状がどうなるかについては、さらに研究が必要だとした上で、「BA.2」は、「BA.1」よりも強い症状を引き起こす可能性があるとしています。

佐藤准教授
「実験からは『BA.2』は特性が違うことが示唆される。この2つのウイルスは別のウイルスとしてそれぞれ対処する必要があるのではないか」

海外の研究では  “「BA.1」「BA.2」入院リスクに差なし”

デンマークなど海外の研究では、「BA.2」は「BA.1」と比べて入院のリスクなどに差がみられないことが報告されています。

佐藤佳准教授によりますと、海外からの入院のリスクなどについての報告はワクチンの3回目の接種が一定程度進んでいる中でのデータであり、ワクチンによって重症化を防ぐことができている可能性があるということです。

今回の研究結果は人工的に再現したウイルスを使った培養細胞や動物での実験のため実際のヒトでどのような症状がでるかについては慎重に判断する必要があるものの、ウイルス自体の特性としては「BA.1」よりも「BA.2」の方が重症化につながる症状を引き起こしやすいおそれがあり、注意が必要だということです。

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