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オミクロン株の水際対策緩和へ 上限引き上げ観光以外の入国容認

  • 2022年2月17日

政府は、オミクロン株の水際対策について、3月から段階的に緩和する方針です。一定の条件を満たせば観光目的以外の外国人の新規入国を認め、外国人も含めた1日あたりの入国者の上限を、いまの3500人から5000人に引き上げる方針です。水際対策の現状についてまとめました。

オミクロン株の水際対策3月から緩和へ

オミクロン株の水際対策で、政府は、2月末を期限として、外国人の新規入国を原則、停止するとともに、日本人の帰国者らに、入国後7日間、自宅での待機を求める措置などをとっています。

これについて、政府は、オミクロン株への知見が蓄積され、3回目のワクチン接種もさらに進むと見込まれることなどを踏まえ、一連の水際対策を、3月から段階的に緩和する方針です。

具体的には、感染対策が適切に講じられるなどの一定の条件を満たせば、観光目的以外の外国人の新規入国を認め、外国人も含めた1日あたりの入国者の上限を、いまの3500人から5000人に引き上げる方針です。

また、入国後7日間の自宅や宿泊施設での待機は、3日目に検査で陰性が確認されれば、その後は不要とし、滞在先の感染状況に応じて10日間から3日間、検疫所指定の宿泊施設などにとどまってもらう措置の期間は一律3日間とする方針です。

さらに3回目のワクチン接種を終え、オミクロン株の広がりが見られない地域からの入国者は入国後の待機措置を免除する方向です。

岸田首相(17日の会見)
「『検査』や『行動把握』など基本的な条件を守ることで、引き続きG7で最も厳しい水準は維持しつつ、水際対策の骨格を段階的に緩和していく」

水際対策緩和 経済界の反応は

経済同友会の櫻田代表幹事は16日の定例会見で、緩和の判断は遅かったと思わざるをえないと指摘したうえで、政府や経済界は、いわゆる“ウィズコロナ”を前提に企業活動や経済政策の在り方を検討すべきだと強調しました。

経済同友会 櫻田代表幹事
「新規感染者の多くがオミクロン株だということが分かった時点で、大きな判断をすべきだった。海外の動向も踏まえて判断すべきで、遅かったというふうに思わざるをえない。
医療体制の崩壊は避けなければいけないのは間違いないが、海外から人が入ってくるのと医療体制のひっ迫はリンクしないと思う。 
“ウィズコロナ”の中で企業は何をしないといけないのか考えないといけないし、政府もコロナ対策で多額の財政支出をしたが、その回収をどうするかという議論もそろそろ始めないといけない」

また、大手商社などで作る日本貿易会の小林健会長は、政府のオミクロン株の水際対策を段階的に緩和する方針について「もう1つ踏み込んでやっていただきたい」と述べ、新型コロナと共生しながら社会経済活動を本格的に再開させるため、入国者数の規模の拡大など政府にさらなる対応を求めました。

日本貿易会 小林会長
「各国が水際対策を緩和するなか日本だけがかたい状況が続いていて人の交流や往来が極度に制限されている。緩和の方向は評価したい。諸外国の状況なども踏まえるともう1つ踏み込んでやっていただきたい」

野球やサッカー選手 3月以降入国検討

オミクロン株の水際対策をめぐって、岸田総理大臣は、プロ野球やJリーグの幹部から入国できていない外国人選手や家族らへの配慮を要請されたのに対し、3月以降入国できるよう検討する考えを伝えました。

岸田総理大臣は16日、総理大臣官邸で、プロ野球の斉藤惇コミッショナーとJリーグの村井満チェアマンと面会しました。

この中で、斉藤氏と村井氏は、シーズンの開幕が近づく中、オミクロン株の水際対策によって入国できていない外国人選手や家族らがいることから配慮してほしいと要請しました。

これに対し岸田総理大臣は、3月以降入国できるよう検討する考えを伝えました。

プロ野球 斉藤惇コミッショナー
「国の方針として今月いっぱい対策をやるとのことなので、われわれもそこは無理できないが、『その後、すぐに』ということをお願いした」

Jリーグ 村井満チェアマン
「選手や家族などの緩和を要請したが、具体的な日時は示していない。極めて切実な問題なのは事実で大きなテーマだということはお伝えし、総理にも理解いただいた」

待機の留学生は最大14万人超

新型コロナウイルスの水際対策による影響は2年近く続いていて、外国人留学生の新規入国は大幅に減少しています。

新型コロナの感染拡大に伴う入国制限は2020年4月から始まり、その後、緩和や全面的な入国禁止を経て去年5月から国費留学生など一部の受け入れが再開され、11月には私費留学生も含め入国制限の緩和が決まりました。

しかし、オミクロン株の影響でこの措置は3週間で見直され、原則、外国人の新規入国が停止されました。

出入国在留管理庁によりますと、外国人留学生の新規入国は感染拡大前の2019年は12万人を超えていましたが、感染が広がった2020年には4万9000人余りと半数以下に減少し、去年はさらに減って1月から11月までの11か月で1万1000人ほどにとどまっています。

文部科学省によりますと来日できずに待機している留学生は、最大で14万7000人に上るとみられるということです。

文部科学省高等教育国際戦略プロジェクトチームリーダー 岸本織江さん
「多くの留学生が海外で待機し心配の声が上がっていることは重く受け止めている。留学志願者数が減少している実例も聞いており大学のグローバル化の停滞や教育研究の多様性の喪失、交換プログラムの停止により日本の学生が海外に行くことが難しくなる可能性など、中長期的な影響を懸念している。防疫対策と国際交流政策を両立させ、円滑に入国していただけるよう調整に全力を尽くしたい」

外国人旅行者は記録的低水準

オミクロン株の水際対策の影響で1月、日本を訪れた外国人旅行者は1万7000人余りと、依然として記録的な低水準が続いています。

日本政府観光局の発表によりますと1月、日本を訪れた外国人旅行者は、推計で1万7800人と新型コロナウイルスの感染拡大前の3年前・2019年の同じ月と比べて99.3%減りました。

インド:2100人
アメリカ:1800人
中国:1500人
韓国:1300人など

水際対策について、政府は3月から段階的に緩和する方針で、一定の条件を満たせば観光目的以外の外国人の新規入国を認め、1日あたりの入国者の上限を、いまの3500人から5000人に引き上げる方向で調整を進めています。
ただ当面は外国人旅行者がどの程度増えるのか不透明な情勢が続きそうです。

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