1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 埼玉 立てこもり医師殺害 「鈴木純一さんの志を引き継ぎたい」

埼玉 立てこもり医師殺害 「鈴木純一さんの志を引き継ぎたい」

  • 2022年2月4日

埼玉県ふじみ野市で起きた医師が殺害された立てこもり事件。今回の事件で犠牲になった鈴木純一医師は、コロナ禍で患者が急増する中、献身的に訪問診療などを行い、地域医療を支える医師として知られていました。
関係者からは、その死を悼むとともに志を引き継ぎたいという声が聞かれました。

志を引き継ぎたい

去年、NHKが取材した鈴木純一医師。新型コロナの第5波のとき連日、深夜まで自宅療養者などの診療にあたっていました。

地元の医師会によりますと、地域で訪問看護を必要とする300人ほどの人を担当し地域医療に貢献してきました。

鈴木医師に地域の人たちへの訪問診療を依頼し、同行したこともあるという人たちからは、この先に対する不安の声も上がっています。

富士見市社会福祉協議会で介護支援専門員として働く野木桂子さんと、地元の地域包括支援センターで管理者を務める市川知里さんの2人は、自宅で介護を受ける人に訪問診療を行う医師を紹介するなどしています。

鈴木医師には10年ほど前から訪問診療を依頼していて、診療に同行することもあったということです。
2人によりますと、10年ほど前には訪問診療をしてくれる医師が少なかったため鈴木医師を頼ることが多かったといいますが、依頼を断ることはなく対応してくれたということです。

野木桂子さん
「先生が来てくれるのを楽しみにしていた人は多かったですし、私たちも元気をもらっていたので、残念でなりません。どんなことばを使っても表現できないくらいいい先生でした」

地元の医師会によりますと、鈴木医師はおよそ300人の訪問診療を担当していて、野木さんによりますと訪問診療を受けていた人からは事件のあと「この先も診療を受けられるだろうか」などという不安の声が複数、寄せられているということです。

野木桂子さん
「少しでも安心できるように、今の利用者たちが生活に困らない、これまで通りの暮らしに戻せるような形にしていきたい。鈴木先生からいただいた寄り添う気持ちや同じ目線に立つといったことを引き継いで、地域の人たちを支えていきたい」

市川知里さん
「相談に来る人に心を開いてもらえるように鈴木先生のように相手を信じ、明るく元気にきちんと真摯に向き合っていきたい」

地域医療の課題

今回の事件で殺害された鈴木純一医師の訪問診療を受けていた人たちをどのように支援していくか、今後の地域医療の課題を指摘する医師もいます。

埼玉県志木市のクリニックの関谷徳泰院長は、外来患者の診療にあたるとともに志木市や富士見市などで訪問診療にあたっています。
関谷院長のクリニックでは150人ほどの訪問診療を担当していて、一日に平均で10人から15人ほど往診を行うということです。
関谷院長は、地域の訪問診療を支えていた鈴木医師を失った影響の大きさを指摘するとともに、対策の難しさを指摘します。

関谷徳泰院長
○今後の地域医療
「鈴木医師が昼夜を問わず、担当していた300人ほどの訪問診療を行うには、複数の医師が必要とみられる。しかし、医師不足の埼玉県では人繰りが難しく、結局、一部に過剰な負担が偏ってしまう恐れがある。訪問診療を受けている人にとって医師が代わることのストレスも大きい」
○クリニックで取れる対策
「日常の訪問診療で、暴力的になってしまう方など危ないというケースに遭遇することはある。その際は必ずケアマネージャーや市の職員などと相談することは行っている。しかし、大きい病院と比べて防犯の専門の方を雇用したりすることなどは町のクリニックでは現実的に難しい」

ページトップに戻る