小麦粉やマヨネーズなど家庭用の食品が2021年に続いてことしも相次いで値上げされます。世界的な原材料価格の上昇などが主な要因だということですが、家計への負担がいっそう大きくなりそうです。各社の対応の詳細についてまとめました。
暮らしに身近な食品の値上げにメーカー各社が相次いで踏み切るなか、東京都内のスーパーで取材したところ、消費者からは家計の負担が増すことを懸念する声が聞かれました。
朝食のパンの値段が上がっていると感じる。
油もそんなに使わないようにしている。何でも値上がりして大変。
値段がじわじわと上がってきていると感じる。値段を据え置いて容量を減らしている場合もある。
2021年に続く相次ぐ値上げについて、メーカー各社は、原材料価格や輸送コストの上昇を企業努力だけでは吸収できないとしています。各社の対応の詳細です。
家庭用の小麦粉は、製粉大手の日清製粉ウェルナ、ニップン、それに昭和産業の3社が、1月4日の納品分から値上げします。値上げ幅は企業によりおよそ1.5%から最大9%となります。
値上げの要因
国際的な取引価格や輸送費の上昇などを受け、政府から売り渡される輸入小麦の価格が2021年10月に引き上げられたこと。
また、小麦粉を原料に使うパンでは、山崎製パン、フジパン、敷島製パンの3社が、食パンや菓子パンなど一部の製品を今月1日から値上げしました。対象商品の値上げ幅は、山崎製パンが平均7.3%、フジパンが平均8%、敷島製パンがおよそ4%から14%としています。
食用油は、J-オイルミルズが2月1日の納品分から菜種を使った製品を1キロあたり40円以上値上げします。
値上げの理由
菜種の産地の北米で天候不良から生産量が減少し、さらなる価格の上昇が見込まれること。
食用油の値上がりを受けて、これらを原料に使うマヨネーズやマヨネーズタイプの製品について、キユーピーが製品全体の7割をおよそ4%から9%、味の素がほとんどの製品の価格をおよそ3%から9%、それぞれことし3月から引き上げます。
冷凍食品では、味の素冷凍食品、日本水産、それにテーブルマークが2月以降、ハンバーグやから揚げなどの一部の商品を値上げします。
値上げ幅は、味の素冷凍食品と日本水産がおよそ4%から13%、テーブルマークがおよそ5%から10%としています。
値上げの理由
原材料価格や輸送コストの上昇による。
さらに、しょうゆでは、キッコーマンが大半のしょうゆ製品の価格を2月からおよそ4%から6%引き上げます。値上げはおよそ14年ぶりです。
このほか、コーヒーでも、ネスレ日本が一部の製品を1月1日の出荷分よりおよそ10%から20%値上げしています。
東京都内のスーパーでは、食品などの仕入れ価格が上昇するなかでも、消費者の間に根強い節約志向に対応しようと、販売価格への転嫁を極力抑えようとしています。
ただ、収益を確保できるよう、これまで週1回程度行っていた食用油やマヨネーズなどの特売の日を減らすことにしました。
その一方で、値引きをしなくても一定の販売が見込める、こだわりの原料を使ったオリーブオイルやしょうゆなどの品ぞろえを、さらに増やしているということです。
ベニースーパー 赤津友弥本部長
「この先も、ほぼすべての商品の仕入れ価格が上がっていくのではないかと懸念している。新しい商品を提案するなど、客の懐をいためにくい工夫をして乗り切りたい」