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「惨事ストレス」の対処法 東京都墨田区コロナ対応の保健師は

  • 2021年12月22日

災害や事故の凄惨な現場などで支援にあたることで受けるストレスを「惨事ストレス」と言います。新型コロナに対応する自治体職員もこうしたストレスに直面しています。新たな変異ウイルス「オミクロン株」の対応に追われるなか、心や体の調子を崩さずに第6波に備える。東京・墨田区の取り組みと対処方法の詳細です。

「惨事ストレス」災害・事故 そしてコロナ対応も

「惨事ストレス」とは、大規模な災害や事故の凄惨な現場などで支援にあたることで受ける強いストレスのことです。東京・墨田区が開いた講習会には、新型コロナの対応にあたってきた保健師など、区の職員およそ30人が参加しました。

「惨事ストレス」
災害・事故の凄惨な現場で受ける強いストレス
⇒ “新型コロナの感染拡大でも同じようなストレス”

講師を務めた精神科の医師は、新型コロナの感染拡大の状況でも災害時と同じようなストレスがもたらされていて、不眠や集中力の低下などといった症状が出やすいことを指摘しました。

「コロナ禍というのは災害に等しいようなストレスフルな状況を支援者にもたらしている。『惨事ストレス』にほかならないと考えられる」

その上で、休養や趣味などの時間を意識的に確保することや、感じているストレスについて職場で共有する時間を設けることなどが防止につながると呼びかけました。

保健師が感じたコロナ現場のストレス

講習会に参加した墨田区保健計画課の谷口達也さんは、保健師としてふだんは区民の健康診断などの業務にあたっています。新型コロナの感染拡大で、去年の12月以降、感染者に聞き取りを行う「積極的疫学調査」や健康観察にあたるようになりました。

感染者が急増した際には連日、帰宅が深夜になるなど長時間労働が続いたといいます。さらに、医療がひっ迫した状況で自分が担当した患者がなかなか入院できないなど、患者の命に関わる業務を経験する中、先行きが見えない状況への不安を感じたといいます。

墨田区保健計画課 谷口達也さん
「“命を守って当然”というところがあるので、できないなと感じる場面があった時にはなかなか心の整理がしにくかった。業務に奔走しているときは、緊張状態で、自分の体や心を顧みることはなかったが、第5波が落ち着いた時に、疲労感や集中力の低下などに気づいた。眠れないとか不安に思うことは、ストレスを受けた時の自然な反応だということで、すごく安心した」 

講習会で、「新型コロナの感染拡大は、支援者にもストレスをもたらしている」ことを知った谷口さんは、第6波に備えて、長期的に患者と向き合っていくためには、「自分自身のケア」も欠かせないと感じたと話していました。

墨田区保健所 西塚至 所長
「保健師も患者さんとともに傷つき、それを乗り越えてこれまでやってきている。 第6波に向けて入院病床を増やすなど体制を強化しているが、職員の心のケアや疲労をとっていくことも必要だ。まず自分の健康を確認して、健康を取り戻した上で区民と向き合う。次の波が来てもストレスをなるべく抱え込まないよう対応していきたい」

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