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オミクロン株 “未知の変異も” 感染者と同じ空間にいた人は検査を

  • 2021年12月17日

“既知の変異”と“未知の変異”が合わさった変異株と専門家が指摘した新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」。厚生労働省の専門家会合は、感染が国内で発生した場合、感染者と同じ空間にいた人は幅広く検査を行うことが推奨されるとしました。現状の対策の課題や必要な対応などについてまとめました。

“既知の変異”と“未知の変異”が合わさったオミクロン株

オミクロン株は、ウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなる部分、「スパイクたんぱく質」に30ほどの変異があり、細胞により結びつきやすく、感染しやすくなっていると考えられています。

ウイルス学が専門で、新型コロナウイルスのゲノム解析を進める、東京医科歯科大学の武内寛明准教授は、オミクロン株の特徴について「アルファ株の特徴的な変異だった『N501Y』や、デルタ株の変異、免疫から逃れる『E484K』の変異が入っているうえ、これまでにはなかった“未知の変異”がいくつも見つかっている。“既知の変異”と“未知の変異”が合わさった変異株だ」と分析しています。

この、“未知の変異”のうち、注視しているのが『G446S』という変異です。この変異は、コンピューターのシミュレーションでは、感染力が高まるのではと推測されていましたが、実際に確認されたのは、オミクロン株が初めてでした。

東京医科歯科大学 ウイルス制御学分野 武内寛明 准教授
「南アフリカでは、デルタ株の感染が抑えられている中でオミクロン株の感染が増えた。まだ検証の余地はあるが、感染が伝播する能力を有する変異株であり、注意すべきだ」

感染者と同じ空間にいた人は幅広く検査を

「オミクロン株」について、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は16日、感染力の強さや再感染のリスク、ワクチンや治療薬の効果への影響が懸念されているとしました。
その上で、感染した場合の重症度については十分な知見が得られておらず、水際でオミクロン株の対策を重点的に行うことなどが必要だとしました。
そして、国内でオミクロン株の感染が発生した場合、感染者と同じ空間にいた人はマスクをつけていたかどうかや接触時間に関わらず、幅広く検査を行うことが推奨されるとしています。

脇田隆字 座長

〇オミクロン株への対策について
まだ国内で市中感染は確認されていないという認識だが、検疫以外でも陽性が確認された症例がある。今後、国内での拡大も想定して医療提供体制、保健所の体制の整備を進めるなど現在の水際対策から切り替えていくことも考えておく必要があるという議論があった。いまは検疫で水際対策を重点的に行っている段階だが、この期間を活用して、国内での感染拡大に備える時期だと考えている。

〇オミクロン株の症状の重さについて
重症化については確かなデータがまだ出ていない状況だ。軽症者が多いという報告や報道もあるが、軽症者が多いと自宅などで療養する人が多くなり、入院するべき人の入院対応などが遅れて重症化につながるというおそれもある。どの程度、医療に負荷が生じるか、想定を行った上で準備をしておく必要がある。

オミクロン株 対策の課題は

感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉教授に、現状の対策の課題や、オミクロン株の感染拡大の防止策などについて聞きました。

〇水際対策の課題は
世界的に感染者が出ていて、ある程度、海外から国内に人が入ってくるような状況では、どこまでとめられるかということになると思います。 
海外からは基本的に国内で一定期間待機せざるを得ないわけですが、国によって期間が異なり、残りは自宅待機となっていて、どこまで管理できるのかということが課題だと思います。 

〇「すり抜け」が起きた場合には
いまの状況からすると、年末年始は人の移動が激しくなってくるのではないかと思います。管理できる状態を保つことが難しくなってくるでしょうし、どこかで「すり抜け」が起こると思います。起きたとしても、早く見つけて広がりを抑えることができたら良いわけですが、キャパシティーを超え、感染経路を追えない市中感染の例が出てしまうと、感染がさらに国内で広がっていくと思います。

〇オミクロン株の感染拡大はどうなる
オミクロン株が入ってきたとしても、例えば、東京の感染者数が1日あたり20人、30人ぐらいのレベルならば、いきなり200人、300人と桁が違うような増え方は、そう簡単にはできません。ただ、年末年始のように接触頻度が高まる状況になれば、そのタイミングでオミクロン株が入ってくると、いろいろなところでクラスターが起こってきて、抑えることが難しくなります。とにかく国内になるべく入れないことが大事だと思います。

〇3回目のワクチンで備えを
諸外国の状況を見ると、日本のように安定した状況が続いている国はほとんどありません。寒い時期を迎えている国は明らかに感染者数が再上昇していて、 国内で引き続き感染者数が低い状態を維持することは難しいと思います。ワクチンを打っていても、ある程度、免疫が下がった人たちはレベルを上げておかないと対応できません。次の感染拡大に備えて、3回目のワクチンを多くの人たちに接種していただきたいと思います。 

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