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オミクロン株 “市中感染を前提に対策を” ロンドンでは感染の4割

  • 2021年12月15日

新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」は、イギリスのロンドンでは感染者の4割を占めるまで感染が広がっているといいます。一方、日本国内の状況について専門家は、国内での感染が見つかっても不思議ではなく、市中感染が起きることを前提に対策を検討しておく必要があると指摘しました。専門家の見解に加え、イギリスの状況やWHOの見方をまとめました。

オミクロン株の感染 イギリスでは5000人超

イギリスでは、新型コロナウイルスの1日あたりの新たな感染者が5万9000人を超え、2021年1月上旬以降で最も多くなりました。ジャビド保健相は、ロンドンでは感染者の4割あまりをオミクロン株が占め、まもなく半数を超えるという見方を示していて、イギリス政府は、ワクチンの追加接種など対応を急いでいます。

ロンドン市内のワクチン接種センターには12月14日、少しでも早く追加接種を受けようとおよそ150人が沿道に長い列を作っていました。

 

30分前から並んでいます。クリスマスを前に、年配の親戚と一緒に過ごす機会などがたくさんあると思うので、いいタイミングだと思って来ました。

 

移動の電車の中で少しでも安心できるよう追加接種を受けに来ました。

イギリスでは、これまでにオミクロン株への感染が確認された人は5000人を超えていますが、政府は、オミクロン株の感染力は強く、実際の感染者はこれをはるかに上回るとみています。

国内で市中感染を前提とした対策の検討を

厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授に、オミクロン株の今後の感染の広がりや、国内で必要な備えなどについて聞きました。

〇国内への流入はどうなる
過去の変異ウイルスを見ると検疫で初めて確認されてから1か月くらいで国内での市中感染例が見つかっている。オミクロン株についても、例えば、きょう国内での感染が見つかってもまったく不思議ではない。ワクチンの接種が進む中、これほどの規模で世界的に感染が確認されていることから考えると、水際対策を強化したとしても、完全に国内への流入を防ぐことは困難だ。世界的に主流になるのであれば、国内においても主流になることを避けることはできない。 オミクロン株が国内に広がった場合にはどうするかということをいまのうちにしっかりとやっていくことが求められる。

〇市中感染を前提とした対策を
国内で市中感染が起きることを前提に感染者が見つかった場合、濃厚接触者の調査をどの範囲まで広げるのか、現在の厳しい水際対策をどうするのかなど対策を切り替える方法を検討しておく必要がある。 
また、これまで最初の感染例では、感染した人の個人情報がさらされたり、誹謗中傷が寄せられたりという事態になってしまったので、どのように情報を伝え、どう受け止めてもらうのか整理をしておくことも重要だ。

〇感染が広がるスピードは
過去の変異ウイルスではアルファ株もデルタ株も最初に検疫で見つかってから4か月ほどで国内はほぼ完全に置き換わった。
オミクロン株は感染力が高いとされる一方で、今回は早い段階で強い水際対策をとったことで国内での流行を遅らせる効果がうまく現れる可能性もある。過去の変異ウイルスと同じようなスピードで広がるかどうかは分からない。
ただ、年末年始にかけて忘年会などで人との接触が増えたり、帰省などで人の移動が増えたりすると見込まれていて、こうした中でオミクロン株が入ってくると急激な拡大につながるおそれもあると考えている。

〇重症化は?イギリスでは死亡例も
(イギリスでオミクロン株に感染し少なくとも1人が死亡したことについて)情報が不十分で、この報告だけでオミクロン株の重症化について言えることはないと思う。ただ、オミクロン株は軽症化しているのではという見立ては現時点では少し楽観的すぎる。
南アフリカでも入院患者が増加していて、現在、感染の中心は若い方や海外渡航ができるような方々だが、今後、高齢者も含め感染が広がった場合どうなるのか。また、ワクチンをされた方、されていない方も含めてどうなるのか。ワクチンの効果でどの程度、重症化を予防できるのか、もう少し慎重に丁寧に見ていく必要がある。

ほとんどの国に拡大か 過小評価を懸念

オミクロン株について、WHOのテドロス事務局長は14日の記者会見で「これまでに77か国が感染者を確認した」とした上で「実際、検出されていなくてもすでにほとんどの国に広がっているだろう」と述べました。
また、テドロス事務局長はオミクロン株について、人々の間で危険性を過小評価する動きが広がっていると懸念を示した上で「たとえ症状が軽かったとしても、多くの感染者が出れば医療制度が再び成り立たなくなる」と述べ、引き続きワクチンの接種や、マスクの着用などの感染対策を怠らないよう呼びかけました。

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