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オミクロン株 感染力は?WHO「デルタ株上回るペースで拡大か」

  • 2021年12月14日

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスのオミクロン株について「市中感染が起きている地域では、デルタ株を上回るペースで感染が拡大するとみられる」という見通しを示しました。
ことし春と夏、日本国内でも広がったデルタ株やアルファ株は、どのくらいのスピードで広がったのかまとめました。

オミクロン株 感染確認相次ぐ

12月6日から9日にかけてアメリカなどから日本に入国した男女4人が新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。国内でオミクロン株への感染が確認されたのは17人となりました。

WHO「デルタ株上回る感染ペース」

オミクロン株について、WHOは12日、公表した資料で「デルタ株の感染が拡大している例えばイギリスで、オミクロン株はデルタ株よりも速く、感染が拡大しているようだ」という見解を示しました。

その上で「デルタ株の市中感染が起きている地域で、オミクロン株の感染拡大のペースは、デルタ株を上回るとみられる」と分析し、今後、デルタ株がオミクロン株に置き換わる可能性を指摘しました。

一方、オミクロン株の重症化リスクについては、「ヨーロッパで報告された範囲では軽症か無症状だ」と指摘し、デルタ株よりも低い可能性があるとしたものの、判断には追加のデータが必要だと慎重な姿勢を示しています。

過去の変異株 アルファ株の広がりは?

日本国内ではこれまで、イギリスで最初に見つかった変異ウイルス「アルファ株」、そしてインドで見つかった「デルタ株」が検疫で確認された後、どれくらいのスピードで感染が広がったのでしょうか。

「アルファ株」が日本の空港検疫で初めて確認されたことが明らかになったのは、去年12月25日。数日前にイギリスから入国していた男女5人の感染が判明したケースでした。
それからおよそ1か月たったことし1月18日に渡航歴のない静岡県の男女3人が「アルファ株」に感染していることが明らかになり、国内で初めて市中感染を確認したケースとされました。

国立感染症研究所が国内のPCR検査の結果などをもとにした推計では、アルファ株はまず関西で広がり、関西ではことし2月下旬には25%が置き換わり、3月中旬には50%が、そして初めて検疫で確認されてから4か月あまりたった5月上旬にはほぼ完全に置き換わっていたと見られています。

アルファ株は、それまでのウイルスより感染力が強く、大阪府などで感染者が急増し、医療が危機的な状況になった感染の第4波を引き起こしました。また首都圏の1都3県でも、ことし4月上旬には25%が置き換わり、4月中旬には50%が、そして関西から1か月ほど遅れて、6月上旬にはほぼ完全に置き換わったとされています。

デルタ株の広がりは?

「デルタ株」が空港検疫で初めて確認されたのは、ことし3月28日にインドから入国した男性のケースでした。
国立感染症研究所は、およそ3週間余りたった4月20日には、国内の患者から初めて「デルタ株」が検出されたとしています。
さらに1か月後の5月24日には、東京都が都内で初めてとみられる「デルタ株」によるクラスターの発生が確認されたと発表しました。

デルタ株はアルファ株よりも感染力が強く、国立感染症研究所の推計では、首都圏の1都3県では、ことし7月上旬には25%が置き換わり、7月中旬には50%、その後も急速な拡大が続き、初めて検疫で確認されてから4か月余りたった8月上旬にはほぼ完全に置き換わっていたと見られています。
また関西でも7月下旬には50%が置き換わり、8月下旬にはほぼ完全に置き換わったとされています。

デルタ株が中心のことし夏の感染の「第5波」では感染者が急激に増加し、首都圏を中心に各地で医療が危機的な状況になりました。

イギリス1人死亡 “感染スピード速いこと認識を”

イギリスでは変異ウイルスのオミクロン株の感染が拡大していて、13日までに累計で4713人の感染が確認されています。

ジョンソン首相は13日、地元メディアに対し、国内でオミクロン株に感染して少なくとも1人が死亡したことを明らかにしたうえで「感染拡大のペースが速いことを認識すべきだ」と述べ、追加接種の重要性を強調しました。

さらにロンドンでは、感染者のおよそ40%をオミクロン株が占め、まもなく半数を超えるという見方を示しました。
保健当局によりますと、人口の大半を占めるイングランドでは、重症化して入院している人が10人に上り、多くは2回のワクチン接種を済ませていたということです。

イギリス 12月末までに全対象者に3回目接種

入院する人の数がさらに増えることが予想される中、政府は、オミクロン株には、2回の接種では不十分で、追加接種が必要だとしていて、12月末までに18歳以上のすべての対象者に対し接種を行う方針です。

政府は、屋内の多くの施設でのマスク着用の義務化など規制も強めていて、こうした対策によって感染拡大のスピードを遅らせたい考えです。

オミクロン株 3回目接種の意義

3回目の接種でも従来の新型コロナウイルスに対応して作られたワクチンを接種することについて、政府の基本的対処方針分科会のメンバーで、国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、オミクロン株にも一定の効果はあると考えられ、3回目の接種を行う意義は大きいとしています。

国立病院機構三重病院 谷口清州院長
「たとえば、ウイルスが変異して中和抗体の効果が4分の1になったとしても、ワクチンを追加接種することで免疫の機能を高めて、全体の抗体の量が4倍になれば、ウイルスに結合する中和抗体も増える。全体の抗体レベルが高くなるのは、追加接種のメリットだ。
変異が重なって新たな変異ウイルスが出現しても、ワクチンを接種して免疫をきちんとつけておけば重症化は避けられるのではないかということは、オミクロン株にも当てはまることだと思う。ワクチンの追加接種は進めていくことが大切だ」

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