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オミクロン株 ワクチン3回目接種の効果はどんな点? 専門家に聞いた

  • 2021年12月14日

新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」は多くの変異があるため、ワクチンの効果が下がることが懸念されています。3回目の接種で、従来の新型コロナウイルスに対応して作られたワクチンを使用することについて、期待される効果は現時点では、どう判断されているのでしょうか。3回目接種への動きや専門家の見方をまとめました。

3回目接種 すでに5万回超 職域接種の申請も

新型コロナウイルスの3回目の接種は、医療従事者を対象に12月から始まり、12日までに全国であわせて5万2737回行われています。来年3月からは職域接種でも3回目を行う方針で、厚生労働省はその申請の受け付けを開始しました。
申請した企業や大学などのうち全日空は、これまで職域接種をグループ全体の社員やその家族などを対象に、のべ7万回の接種を行いました。全日空は、3回目についても職域接種を行うことを決め、13日、羽田空港の担当者が、オンライン上で申請を行いました。

3回目の職域接種について航空業界では、日本航空も実施を決めているほか、羽田空港や成田空港の運営会社が実施の検討を進めています。

厚生労働省は職域接種では2回目までと同様にモデルナのワクチンを接種する予定で、年内に使用を承認したうえで、早ければ来年2月下旬から配送を始めることにしています。

専門家 中和抗体量が増加 効果期待できる

従来と同じワクチンで3回目の接種を行うことについて政府の基本的対処方針分科会のメンバーで、国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、オミクロン株にも一定の効果はあると考えられ、3回目の接種を行う意義は大きいとしています。

国立病院機構三重病院 谷口院長
「たとえば、ウイルスが変異して中和抗体の効果が4分の1になったとしても、ワクチンを追加接種することで免疫の機能を高めて、全体の抗体の量が4倍になればウイルスに結合する中和抗体も増える。全体の抗体レベルが高くなるのは、追加接種のメリットだ」

3回目接種 免疫の記憶を強固に長続きさせる

また、3回目の接種によって、「ウイルスが攻撃対象である」という、免疫の“記憶”を強固にして長続きさせることが重要なポイントだとしています。
ワクチンは、1回目の接種で、体に備わっている免疫のシステムにウイルスが攻撃対象の「敵」であると認識させたあと、2回目の接種では何が攻撃対象なのか、その「敵」の記憶を免疫に定着させます。そして、3回目の接種では、その記憶を強固にして長続きさせるようにします。

初期の接種は、英語で事前に教えることを意味する「プライム」、3回目の接種は、強化することを意味する「ブースト」と呼ばれ、こうした戦略は、敵が何かを教え、その記憶を強化する「プライム・アンド・ブースト」と呼ばれています。

「プライム・アンド・ブースト」…敵を教え記憶を強化
「プライム」(初期接種)… 事前に教える
「ブースト」(3回目接種)… 強化する

国立病院機構三重病院 谷口院長
「変異が重なって新たな変異ウイルスが出現しても、ワクチンを接種して免疫をきちんとつけておけば重症化は避けられるのではないかということは、オミクロン株にも当てはまることだと思う。ワクチンの追加接種は進めていくことが大切だ」

専門家 免疫細胞で重症化防ぐ効果

オミクロン株が出てきた中でのワクチン接種について、ウイルスやワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、3回目の接種で重症化を抑える効果が考えられるとしています。

北里大学 中山哲夫特任教授
「抗体のレベルを上げるだけではなくて、ウイルスを攻撃する細胞による免疫の能力も高いレベルにすることができる。ウイルスに変異があり、抗体から逃れるかもしれないが、広い範囲の変異に対しても対応できる細胞による免疫が誘導されてそれが高いレベルで維持できることによって、重症化を抑える働きがあると考えられる」

接種間隔の短縮 重大局面でブレイクスルー感染抑止

3回目の接種を行うまでの間隔について、中山特任教授は、イギリスなどでは接種の間隔を短縮して2回目の接種から3か月で3回目の接種を進めていることについて、感染拡大の局面にあり、これ以上感染を広げないためという意味合いが強いと指摘しています。

北里大学 中山哲夫特任教授
「イギリスの状況から見ると、2回目の接種から3か月、4か月くらいからブレイクスルー感染が増えていく中で、早めに打つことを選んだのだと思う。日本は感染状況がまったく違っていて、いまのところ、感染がほとんど抑えられているため、3か月、4か月後にワクチン接種をしようということにはならない。日本でも今後、感染が爆発的に拡大し、ブレイクスルー感染が増えてくれば、接種後どのくらいで増えてきているか見極めた上で、接種間隔の短縮を考える必要が出てくるかもしれない」

ワクチンの効果 ファイザー製の実験結果は 

アメリカの製薬大手ファイザーなどは12月8日、オミクロン株に対するワクチンの効果について、3回目の接種を行うことで、中和抗体の値が2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する場合と同じ程度に高まったとする初期の実験結果を発表しました。
オミクロン株に対する高い効果が期待できるとしているほか、3回目の接種を行うと、免疫細胞のレベルが上がり、重症化の予防につながると考えられるとしています。

また、アメリカのCDC=疾病対策センターは、今月10日、週報の中で、ワクチンを2回接種した人や3回目の接種を終えた人でもオミクロン株に感染したケースがあることを報告した上で「これまでの新型コロナウイルスと同様、ワクチンを接種した人では症状が軽度であると考えられる」としています。

ワクチンのオミクロン株への効果についてはいま世界各国で研究が進められています。今後、オミクロン株に適合したワクチンが必要になってくる可能性はありますが、現時点ではこれまでと同じワクチンを接種することで効果が期待できると考えられています。

オミクロン株 国内の感染確認状況は

13日夜の時点の国内の状況です。12月6日から9日にかけてアメリカなどから日本に入国した男女4人がオミクロン株に感染していることが新たに確認されました。
厚生労働省は同じ飛行機に乗っていたあわせておよそ350人の乗客全員を濃厚接触者とみなし、入国後14日間は宿泊施設での待機を求めることにしています。
感染が確認された4人のうち3人は、ファイザーのワクチンを2回接種していたということで、今のところ症状はないということです。残る1人については確認中だとしています。

これで、国内でオミクロン株への感染が確認されたのは17人となりました。

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