さいたま市大宮区にある鉄道博物館 通称「てっぱく」で、JR山手線の歴史を紹介する企画展が開かれています。
この企画展に参加したのは埼玉県立新座総合技術高校の生徒たち。学校にとっても博物館にとっても初めての取り組みでした。
こちらの画像は「タイムスリップ山手線」と題したプロジェクションマッピングです。現在までの山手線の車両の移り変わりが映し出されます。
その当時の服装も一緒に載せることで、見ていてより分かりやすくなるように工夫されています。
こちらは、電車に乗っていると気づきにくい駅と駅の間の高低差も、一目でわかるように工夫しました。
山手線をテーマにした企画展に関わったのは、新座総合技術高校の生徒28人。中学生や高校生を呼び込みたい博物館が、高校生たちの発想に期待して、協力を求めました。
鉄道博物館 学芸員 坪内 間さん
「博物館の役割や鉄道の文化事業を少しでも興味をもってもらえればと思っていたのですが、なかなか若い層にお伝えすることができなくて。地域連携も含めて高校にお願いしてやっています」
企画展の準備が始まったのはおよそ1年半前です。山手線の歴史などを学び、学芸員と企画を練り上げました。
この高校では、デザイン科や食物調理科など6つの学科で専門性の高い人材を育てていますが、新型コロナウイルスの影響で企業での現場実習が2年連続で中止になりました。
企画展への参加が社会とつながりを持つ数少ない機会となりました。
新座総合技術高校 情報技術科3年 工藤稜希さん
「学校でも学びはかなりあると思うんですけれど、やったことのない取り組みに関しては、すべてやってみないとわからないことばかりなので、そこの部分が全然違いましたね」
館内のレストランでは、高校生たちが考案したメニューも提供されています。高校生たちはインスタ映えも重視して、16種類のメニューを考えてプレゼンテーションしました。
このうち商品開発の担当者の厳しい審査を経て、5種類が採用されました。
東京ゆかりの野菜を使ったパスタ「てっぱくオリジナルジェノベーゼパスタ」です。
食べやすいなというのと、少し和風っぽいようなのがおいしいなと思いました
こちらは抹茶のパフェです。
パスタもパフェも、山手線をイメージした緑色で表現しました。
12月1日からスマートフォンを使うゲームの企画も始まりました。QRコードを読み取り、山手線の歴史を学ぶ物語を楽しみながら、館内をまわります。
キャラクターデザインやプログラミングなども、すべて高校生が担当しました。
11月29日、高校生が博物館に集まり、学んだことを発表しました。
新座総合技術高校 食物調理科3年 福永安唯さん
「商品化がどのように行われているのかということをじかに体験できました。この経験は自分が就職する際や進学する際に必ず身になると思っています」
新座総合技術高校 情報技術科3年 棟方彩人さん
「自分がつくったものを多くの人に楽しんでもらうのは初めての経験だったのでどれぐらい社会に通用するのかなというのが、なかなかおもしろかったなと思います」
学校の教科書にはないまったく新しい取り組みに挑んだ生徒たち。学びを実践につなげた体験に大きな手応えを感じていました。
この企画展は、2022年1月31日まで開かれています。