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オミクロン株 重症化リスクや感染力 デルタ株などとの違いや特徴は

  • 2022年2月3日

オミクロン株の感染急拡大で、重症化リスクは低いとはいえ、入院患者数も増加し、病床のひっ迫が報告されています。その中で、オミクロン株でも異なる系統のウイルス「BA.2」が海外の一部で拡大しているという情報も出てきました。特徴や新たな分析結果など、分かってきたことをまとめました。

オミクロン株が派生?「BA.2」とは

オミクロン株による感染急拡大がとまりません。国内で検出される新型コロナウイルスのうち、オミクロン株の疑いがあるウイルスは、1月30日までの時点で全国で99%と、ほぼオミクロン株に置き換わったとみられます。

オミクロン株のうち、流行の主流になっているのは、「BA.1」と呼ばれる系統ですが、海外の一部ではオミクロン株の系統のひとつで「BA.2」という変異ウイルスが拡大しています。

1月26日の厚生労働省の専門家会合では、このウイルスが広がっているデンマークのデータを分析した結果として、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数が「BA.1」に比べて18%上昇している可能性があると報告されました。

日本国内では、インドやフィリピンに渡航歴がある人から、このウイルスが検出されているということです。

「BA.2」が感染の拡大にもたらす影響について、各国で調査・分析が続けられていて、これまでのところ結論は出ていません。

子どもの感染が急増

オミクロン株では、これまでは少なかった子どもでの感染拡大も続いています。厚生労働省のウェブサイトによりますと、10歳未満の新規感染者数は、2021年12月28日までの1週間では149人でしたが、2022年1月4日まででは353人、1月11日まででは2238人、1月18日まででは1万2947人、1月25日まででは4万1863人と急増しています。

日本国内では、ワクチンの接種対象年齢が5歳までに引き下げられました。ファイザーの臨床試験では、5歳から11歳での発症を防ぐ効果は90.7%で、接種後に出た症状もおおむね軽度から中程度だったとしています。

特徴は短い潜伏期間 

オミクロン株は、感染してから発症するまでの潜伏期間が短いのが特徴です。
そして、「ある人が感染してからほかの人に感染させるまでの期間」=「世代時間」も短くなっています。厚生労働省の専門家会合の資料によりますと、世代時間はデルタ株では、およそ5日だったのに対し、オミクロン株では、およそ2日と考えられています。
短い期間のうちに次々と感染させるため、急速に感染が広がっているのではないかと考えられています。

〇潜伏期間
国立感染症研究所の暫定報告によりますと、オミクロン株に感染し発症した113人について分析した結果、平均的な潜伏期間は3日あまりでした。ウイルスにさらされた翌日までに発症したのは9%弱、9日後までに98%を超える人が発症していました。

〇家庭内感染
WHOの週報では、家庭内での「2次感染率」はデルタ株の21%に対し、オミクロン株は31%だったとする、2021年12月のデンマークでの分析結果を紹介しています。

〇感染力
アメリカのCDC=疾病対策センターは、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータがあるとしています。

「重症化する割合は低い」見方が強まる

WHO=世界保健機関は、オミクロン株では、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、肺まで達して重症化するリスクはほかの変異ウイルスより低いとしています。
ただ、感染者数が非常に多いため、多くの国で入院者数は急増していて、医療体制がひっ迫しているとして、警戒を呼びかけています。

日本国内でも、あまりにも感染者の数が多いことから、重症化する人や亡くなる人も増え、医療のひっ迫も現実になりつつあります。

再感染のリスクは

再感染のリスク
アルファ株 ウイルスの働きを抑える「抗体」の働きは維持
再感染のリスクは従来株と同じか
ベータ株 「抗体」の働きは減る
ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持
ガンマ株 「抗体」の働きはやや減る
デルタ株 「抗体」の働きは減る
オミクロン株 再感染リスクは上がる


WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

ワクチンの効果

オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。
また、3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果が上がるという報告も出てきています。

治療薬の効果は

〇抗体カクテル療法
重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされています。厚生労働省はオミクロン株に感染した患者には、投与を推奨しないとしています。

〇ウイルス増殖を防ぐ飲み薬
ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。東京大学などの研究グループは、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」を投与した時に体内に出る物質や、中等症以上の患者に投与される「レムデシビル」の作用を調べたところ、オミクロン株に対して、デルタ株と同じ程度の効果が得られたとする実験結果を紹介しています。

〇ステロイド剤
WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

基本的な対策の継続を

オミクロン株でも、感染経路はこれまでの新型コロナウイルスと変わりません。国立感染症研究所が1月13日に出したオミクロン株に感染したケースの疫学調査の結果では、オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られていて、飛まつ感染が多くなっています。職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

私たちができる対策はこれまでと変わりませんが、専門家はいまの感染急拡大の状況の中で、対策をより徹底するよう呼びかけています。不織布マスクで鼻まで覆い、“鼻マスク”を避けること、密にならないようにして、マスクを外すときにはより注意すること。とくに飲食の場面での対策が重要です。厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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